乙女ゲームのヒロインに転生したけど、私が思った通り、悪役令嬢が悪役じゃなかったので、いろいろ設定変わってました。

南雲このは

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私は5歳になりました。

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ーー5年後


「お母さん、洗濯物干すの私が代わりにやるよ!だからお母さんは休んでて!」

「あら、ありがとうエマ」


お母さんに褒められて、私はかなり嬉しくなった。

私の名前はエマ・マーフィー。

前世の記憶を持ったまま乙女ゲームのヒロインに転生してから、5年が経ち、私はつい昨日、5歳の誕生日を迎えた。

今は特に問題なく、平和に暮らせています。

私が住んでいるのは、メープル王国にあるシナモン村。

ちなみに乙女ゲームは、『魔法の国でプリンスパラダイス!!』という題名以外は、最高の乙女ゲームなのだ。

題名以外は。

この題名を考えて、さらにOKを出した人たちは何を考えていたんだろう。

プリンスパラダイスと言っている割には王子様以外もちゃんと攻略対象に入っていて、ヒロインは攻略対象に好かれまくる、言わばおいしいポジション。

……しかし、私はかなり焦っていた。

だって、最近はよく、転生ヒロインの方が破滅(自滅)を迎えることの方が、小説や漫画を読んだりしていても多いじゃん?

つまり、この世界でも、悪役令嬢がすごくいい子で、そんな令嬢に幼い頃から関わっている攻略対象たちが、令嬢に惹かれている可能性は十分にあるわけです。

そんな時に私なんかが関わったら……。


(私の方が破滅する!)


そんなの、考えただけでも恐ろしい。

というわけでいろいろ考えた結果、そもそも悪役令嬢様や攻略対象たちと関わらなければ、自動的に破滅もしないんじゃ!?となったわけなのです。

では、どうすれば関わらないようにできるかというと、1番簡単なのが、『王国立魔法学園』に入らなければいいということ。

でも、正直言ってそれは難しい。


「じゃあエマ、私はリオンの様子を見てくるから、お願いね」

「うん!」


よーし、やるぞ!

私は心の中で、『風よ来い!』と念じる。

すると、私の周りにどんどん風が生まれてくる。

風をうまく操って、大量の洗濯物を浮かせると、一斉に干し竿にバサッとかけた。

今日もバッチリ大成功です!


「さすがね、エマ」


お母さんがリオンを抱っこしながら笑った。


「姉ちゃん、すごい!」

「えへへー、ありがとお母さん、リオン!」


そう、この世界には、『魔法』が当たり前のように存在して、私たちの生活を豊かにしている。


「僕も僕もー!」

「え、ちょ…待ってストップ、リオン!!」


私は驚いて止めようとしたけど、リオンは何かを念じ始めた。

ヤバい……!


──ボオオオオ!!


すると、リオンの手ひらの辺りから、ごうごうと燃える大きな炎の出現!

しかも半端じゃないくらいデカい。


「きゃー!リオン、ストップストップ!」



お母さんが叫ぶと、リオンの大きな炎はすぐに止んだ。

ふー……。

私とお母さんは肩を撫で下ろした。


「こらリオン!無闇やたらに魔法を使っちゃダメでしょう!」

「じゃあ何で姉ちゃんはいいの?」


本当に不思議に思っているであろうこの子は、1つ下の私の弟、リオン・マーフィー、現在4歳。

私に懐いてくれていて、お母さんに抱っこされている時以外は、基本どこにでもついてくる。


「確かにリオンもエマも大きな魔力を持っているけれど、リオンはまだ、魔法のコントロールがうまくできていないでしょう?強大すぎて制御できない力は、誰かに怪我をさせてしまうこともあるのよ」

「…じゃあ僕、怪我させちゃうから、これからはお友達や姉ちゃんと遊んじゃダメなの…?」

「そんなことはないよ、リオン」


お母さんに不安そうに聞くリオンに、私はゆっくり語りかける。


「魔法はちゃんと使えば、誰かを助けることができる、素晴らしいものなの。コントロールできるように、私と一緒に練習しよう」

「……うん!!」


大きく頷くリオンを見て、お母さんと2人で顔を見合わせてふふっと笑った。

その後、リオンは安心したのか、ぐっすりと眠った。


「エマ、リオンがうまく魔法をコントロールできるようになるまでは、守ってあげてね」

「うん、わかってるよ、お母さん」


…ここは、魔法が当たり前の世界だ。

でも、それはの話。

私たち平民の人は魔力が弱すぎるから、ほとんど使えないのと一緒だ。

だから、平民が魔法を使えるといういうのは、前例がなかったわけではないけど、かなり異例のことらしい。

このヒロイン(私)と弟のリオンは、ゲームの中でも、極めて強い魔力と、魔法のコントロール能力を持っている設定だった。

いわゆる、主人公にありがちな特別設定だ。

この魔力がある限り、王国立魔法学園に入ること……悪役令嬢と攻略対象たちと、同じ学園に入ることは避けられない。

でも、私が破滅してしまえば、お母さんとリオンを守ることはできなくなってしまう。

私が破滅するよりも、そうなることでお母さんとリオンを守れないことの方が辛いと思ってしまうことの方が断然多くなった。

……大切な家族だから、一生をかけてでも守りたい。

優しく微笑むお母さんと、気持ちよさそうに眠るリオンを見て、もう一度固く決心する。

『絶対に破滅だけは阻止しなければ』、と。

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