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第一章・俺の価値
人攫い
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「「はぁ~~い」」
緩い返事と共に、窓から何やら三角の耳がついた頭が二つ見える。
顔はよく似ているが対照的に目元がタレ目とツり目の…双子の狐か?ベアルさんと同じような獣人が窓を潜ってきていた。
「わぁ…えっちな体ぁ~」
「馬鹿!ルカ様に叱られるぞ!」
二人でやいやい言い合いながら、俺を着替えさせはじめる。
(いや、誰!?)
洗浄魔法で体だけ綺麗にされた後に、デュランと同じよう金縛りの術をかけられた俺は、二人の狐にされるがままになっていた。
「髪の毛、これどうなってんの?!色が違う~!!」
「鳥と同じで生える場所で色が違うんじゃないか?」
「へぇ~純粋な血の人間は不思議だな~」
口々に感想を言いながら超絶おぼっちゃま系、フリフリの服を着させていく。
(…てか、俺が魔法使いじゃないことも割れてんのかよ…)
阿吽の呼吸で手際よく俺に服を着させた後、狐の2人はデュランに目を向ける。
「ルカ様ぁ~コレどうします~?」
「ちゃんと裁判にかける~?」
(…裁判!?)
「いや、そんな事したら私が彼を個人的に連れ帰ったのがバレるだろう、頭を使え」
「「ふ~ん」」
「ソレはそのまま置いておく。どうせなにもできぬだろう…馬車は?」
「えっとぉ、カモフラージュが3個と~」
「馬鹿!頭を使って会話しろと何度言えば分かる!そういう意味じゃない!」
「ほら、ルカ様はちゃんと馬車が今すぐ走れるか聞いてるんだよ」
「あぁ…多分?走れますよォ~さっき水飲ませたし」
「水を飲ませたら全速力で走れないだろうが…!この馬鹿!」
(…めちゃくちゃ喧嘩すんじゃん…)
「…まぁいい、こいつらの動きを朝方まで止めるよう魔力を込めておく…」
「流石ルカ様ァ~!」
「魔力量はピカイチですね~!」
ふん、と得意げな顔をした白髪の男…もといルカ様は俺を魔法で風船のように軽く持ち上げた後、俺の鞄を見つけるとそれも持ち上げる。
「忘れ物があればまた来よう」
来た時と同じ様に窓から外へ出る3人と俺。
(…普通にやばくないか、コレ)
ルカ様の口ぶり的に二人は当分動けないから俺を助けに来てはくれないし、助けに来たとしてもそもそも魔法に勝てるわけない…!
人攫い野郎が…!!
狐が言った通り、下に用意されたカモフラージュ用、本命用だと思われる馬車は4台。
こうなったら、俺がどうにかしてここからルカ様の家への道のりを覚えるしか…!
「ねぇねぇルカ様ァ~、この子が頑張って道覚えちゃったらどうするの~?」
「馬鹿!そんなの対策するに決まってるだろう!頭を使え!」
「「流石~!」」
(…ダメっぽいな)
フカフカの馬車に乗り込んだ後、“対策”として強制的に眠らされた俺が次に目を覚ましたのは、フッカフカのベッドの上だった。
緩い返事と共に、窓から何やら三角の耳がついた頭が二つ見える。
顔はよく似ているが対照的に目元がタレ目とツり目の…双子の狐か?ベアルさんと同じような獣人が窓を潜ってきていた。
「わぁ…えっちな体ぁ~」
「馬鹿!ルカ様に叱られるぞ!」
二人でやいやい言い合いながら、俺を着替えさせはじめる。
(いや、誰!?)
洗浄魔法で体だけ綺麗にされた後に、デュランと同じよう金縛りの術をかけられた俺は、二人の狐にされるがままになっていた。
「髪の毛、これどうなってんの?!色が違う~!!」
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口々に感想を言いながら超絶おぼっちゃま系、フリフリの服を着させていく。
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阿吽の呼吸で手際よく俺に服を着させた後、狐の2人はデュランに目を向ける。
「ルカ様ぁ~コレどうします~?」
「ちゃんと裁判にかける~?」
(…裁判!?)
「いや、そんな事したら私が彼を個人的に連れ帰ったのがバレるだろう、頭を使え」
「「ふ~ん」」
「ソレはそのまま置いておく。どうせなにもできぬだろう…馬車は?」
「えっとぉ、カモフラージュが3個と~」
「馬鹿!頭を使って会話しろと何度言えば分かる!そういう意味じゃない!」
「ほら、ルカ様はちゃんと馬車が今すぐ走れるか聞いてるんだよ」
「あぁ…多分?走れますよォ~さっき水飲ませたし」
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「…まぁいい、こいつらの動きを朝方まで止めるよう魔力を込めておく…」
「流石ルカ様ァ~!」
「魔力量はピカイチですね~!」
ふん、と得意げな顔をした白髪の男…もといルカ様は俺を魔法で風船のように軽く持ち上げた後、俺の鞄を見つけるとそれも持ち上げる。
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こうなったら、俺がどうにかしてここからルカ様の家への道のりを覚えるしか…!
「ねぇねぇルカ様ァ~、この子が頑張って道覚えちゃったらどうするの~?」
「馬鹿!そんなの対策するに決まってるだろう!頭を使え!」
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