勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

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第7章 神を探せ

第9話 神に近き者

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 森に入って6日目。
 1週間ほどで到着するという見込みだったので、順調なら明日あたりに目当ての洞窟が見つかるはずだが、何せ前回来たのが200年前という話だからな。
 ここの様子も変わっているだろうし、多少彷徨さまようことは覚悟したほうがいいかもしれない。
 そんなことを考えていると……

「うむ、太陽とあの山の位置から考えて、目的地は遠くないぞ。ふふん、この辺りも変わっておらぬのう」

 ロゥエルは懐かしそうな口調でそう言う。
 凄いな、200年も昔のことをハッキリ憶えているのか?

「おいロゥエル、森が変わってないなんて本当かよ。オレにはずっと同じ景色にしか見えないぜ」

 ゼオルグが疑わしげにロゥエルを見る。
 ゼオルグほどの一流冒険者でも、やはりこの森の探索は難しいんだろう。
 ロゥエルがいて本当によかった。

 ちなみに、200年前にロゥエルが来たときは、ゼオルグたちとは違うメンバーだったらしい。
 まあ寿命を考えても当然のことだが。
 前回のときはロゥエルもまだこれほど強くはなく、またメンバーもゼオルグたちほど強力ではなかったので、危険を考慮して洞窟には入らずにそのまま去った。
 いずれもう一度来ようとは思っていたようだが、その前に旧メンバーは冒険者を引退したり、亡くなってしまったりしたので、結局再度調査に来ることはなかったとのこと。

「それにしても、そこの女性陣は大したもんだ。途中で根をあげられたらどうするかと内心ヒヤヒヤしていたが、ここまでしっかり付いてくるなんて立派立派。侮ってしまってすまないな」

 ゼオルグがみんなのことを称賛する。
 ジーナたちもさることながら、実力の劣るグリムラーゼ王女も、まるで弱音を吐かずに頑張って付いてきた。
 彼女たちについてはオレも心から褒めてあげたいところだ。

「リュークと一緒にいられるなら、どんな場所だって平気よ」

「わたくしも、精一杯どこまでも付いていきます」

 ジーナたちやグリムラーゼ王女がニコリと微笑む。
 時々暴走さえしなければ、本当に素晴らしい女性たちなんだけどな。
 まあオレをずっと支えてくれる、心強いメンバーだ。

 そのまま夕方まで進んでいると、ロゥエルがふと立ち止まった。

「おお、間違いない、あの大岩じゃ! まだ残っておってよかった。場所を憶えておるとはいえ、やはり目印を見つけると安心するのう」

 ロゥエルは少し興奮気味に発言する。
 どうやら洞窟へ行くための目印を発見したらしい。

大岩アレを目印に西へ5キロほど、そのあと北へひたすら行けば、目当ての洞窟に到着するぞ」

 ロゥエルの言葉通りなら、明日には洞窟に着くだろう。
 まだ確実というわけじゃないが、オレはホッとした。
 今日のところはこの場所で移動を終え、翌日オレたちは出発することにした。

 ☆

 そして次の日。ロゥエルの指示通りにオレたちは森を進むと、5時間ほどで洞窟に到着した。
 直径3メートルほどの入り口は生い茂る草木に隠されていて、一見した程度ではうっかり見逃してしまうかもしれない。
 まあこの近くまで来ることさえできれば、『スマホ』で探知できるけど。
 ただ、こんなに早く来られたのは間違いなくロゥエルのおかげだ。本当に助かった。

「ふむ……やはり通常とは違う何かの違和感がある。前回調査できずにずっと悔いがあったが、改めて来ると、あのとき入らなくて正解だったようじゃ」

 ロゥエルが珍しく難しそうな表情をしている。
 オレもこの洞窟には不思議な何かを感じる。
 苦労の末ようやくここまで来たはずなのに、まるで最初から洞窟の意志に呼ばれていたような感覚だ。

「……よし、みんな準備はいいな? 入るぞ」

 ゼオルグの指示で、オレたちは中へと進入した。

 ゼオルグを先頭に、オレたちは幅3メートル、高さ3メートルほどの通路を進んでいく。
 怪しげな雰囲気ではあるが、『スマホ』の探知ではモンスターはいないようだった。
 ダンジョンではないので、モンスターがいなくてもそれほど不思議じゃないが、でもやはり何かおかしい。ダンジョンよりも遥かに強い重圧感プレッシャーが、全身を押し潰そうとしてくる。
 ただの洞窟じゃないな。

 洞窟は地下深くへ潜るように続いていて、まだまだ先が見えない。
 オレたちは慎重に周囲を窺いながらひたすら進んでいくと、前方に巨大な部屋が現れた。
 広さは300メートル四方くらいありそうで、天井の高さは4~50メートルほど。自然に形成されたような入り口と違って、ここは意図的に作られたことが明らかだ。
 妖魔か、もしくは人間が製作した可能性が高いが、まさか神が作ったなんてことは……

「アレを見ろっ!」

 ゼオルグが示した方向を見ると、部屋の奥に鈍く光ってるものがあることに気付いた。
 ゆっくりと慎重に近付いてみると、それは深紫色に輝いてる6個の巨大水晶だった。

「こんな水晶、初めて見たぜ」

 SSランク冒険者のゼオルグでも知らないその水晶を鑑定してみると、『暗煌水晶ダークスター・クリスタル』というものだった。
 どうやら次元に関する魔力を秘めているらしい。
 間違いない、『紫黒しこく昴星ぼうせい』はコレだ!

「むぅ、信じられぬほど凄い魔力じゃ。もしかして何かを封印しておるのか? ……ちょっと待て、この水晶、魔力が弾けそうになっておるぞ!?」

「何っ!? まさか、オレたちが来たことで反応したのか!?」

「まずいぞゼオルグ、魔力の暴走じゃ! 皆の者すぐに離れろっ!」

 ロゥエルの必死の叫びで、オレたちは全力でその場から離れようとした。
 しかしすでに遅かったらしく、水晶は粉々に弾け飛んだあと、部屋中央の上空に巨大な黒い穴が現れた。
 アレは……ダンジョンで冥府の凶獣王キングケルベロスが出現したときと同じ、『異次元の窓スペースゲート』だ。
 あの穴を通って、この場に何かが召喚されてくる……!

「あ……あいつはまさか……!?」

 目の前に現れたのは、右手に超巨大な剣を持ち、額の中央に金色こんじきの単眼を輝かせている体長20メートルほどの巨人だ。
『スマホ』で解析してみると、最強の存在『神に近き者デミゴッド』に属する堕天の巨神グリーヴタイタンだった。
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