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「嘘発見」

向かい合うと同時に俺は嘘発見の魔法をかけた。
効かないかと思ったがしっかり効いた。
効果は1時間、相手が嘘を言ったらわかる。

「これだけ厳重に守ったのにここまで侵入してくるとは、驚きましたよ」

偽王様のところで聞こえた声の主はこいつじゃない、だがもはや気配が感じられない。

偽物と同じ姿をしている、王様なんだろうがやっぱり女の姿をしている。
この世界は不思議な力で女ばっかりだし、身代わりの偽物と同じ姿しているのは当然なのだが。
まあいい、この国の王様にNNN72が憑依して操っていることはもう割れてる、千界の情報部が集めた情報がガセだったら違うんだろうが、ガセか本当かはこれから確かめる。

「嘘をついたらその瞬間、君は即死する……まず聞くが君はこの国の王様か? YESかNOのどちらかだけで答えてくれ、それ以外の答え、あるいは沈黙だった場合、君は即死する」

「YES」

嘘はついてないな。

「君はNNN72を知ってい?」

「YES」

嘘はついてない。
ここからが重要。

「君はNNN72か?」

「YES」

嘘はついてない。
だが何かおかしい。

「君は千界のことを知っている?」

「NO」

嘘はついていない。
NNN72なのに千界のことを知らない?

「君は何者かに偽りの記憶を与えられている、なおこれは呪いの類である」

王様はここまできたはじめて、一瞬怪訝な顔をしたが答えた。

「NO」

嘘は言っていない。

「呪い削除」

俺の言葉と共に周囲が青く輝く。

「君はNNN72を知らない、先程自分がNNN72を知っていると言ったことは覚えているが、今はNNN72を知らない」

「……YES」

「NNN72という単語は今日はじめて聞いた」

嘘は言ってない。
この嘘発見は当たらずとも遠くはないみたいな微妙な言い回しされると抜けられるのではっきりYESかNOかで答えて貰わないといけない。
なお、沈黙されても嘘発見は機能しない。

ふーむ、NNN72はもう逃げたようだな。
だが何処に逃げるというのか?
とりあえず何処かに遠くに逃げたとしても千界の下っ端達に見つかるだろうし、それなりに優秀?な部下が揃っているここを完全に放棄したりするだろうか。
少なくとも魔道士チュイは俺の睡眠魔法を妨害するでもなく平気だったし、あれくらいのが何人も居るようなら千界が正規軍送りつけてきても苦戦すると思う。
魔道士チュイの能力は不明だが能力の種類しだいではこいつだけでも結構厳しいと思う。
俺の睡眠魔法で寝ない奴ってタイジュの部下だと2人くらいしか居なかったはずだし。
この2人も魔道士チュイに負けそうなんだよね。

タイジュが言ってたが千界と比べてもこの世界の住人は結構強い。
俺が来ているせいでそうでもないような感じになっているけど。

そこで王様がこっちを見ていることに気がついた。
部屋の外は相変わらず騒がしい、偽記憶の王様はNNN72という単語すら知らない。

「じゃあそろそろ帰ってもいいかな?」

「YES」

「はい」

俺はそれだけ言うと、この場から立ち去った。
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