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平凡だった日々
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周囲からうめき声が聞こえる。それは私自身のものかもしれない。身体中が痛い。身体の中から何かが流れてて行っていることを感じる。これは…血だ。私の身体から血が流れ出て行っている。どうして?どうしてこうなってしまったんだ…?
私の意識は現実からいつの間にか消えていた。ボーッとする思考の中、客観的に現実が見える。これは…。酷い有様だった。ここに私を含めて数人―4人だけだったはずなのに、あたり一面が真っ赤だった。心絆!優衣!蓮!生きて…いるわけないか。これだけ辺り一面に血が流れているのだ。生きているわけがない。そうして意識が遠のいていった。もう目覚めることはない。
私はどうなってしまったの?心絆…凜香…蓮…。みんなどこにいるの?私はどうなってしまったの?意識が途切れ途切れになってしまう。私は死ぬの?
心絆!凜香!優衣!どこだ!?どこにいる!?たしか4人で遊んでいたはずだ。だったら、すぐそばにいるはず…なのに周囲には何もない…。これは一体どういうことだ…?
~約1年前~
「凜香、優衣、蓮。来年で私達卒業じゃん!どっか遊びに行かない?うーん…遊園地とか!」
「心絆、相変わらずだね。幼稚な所行くの」
「まあまあ、凜香。心絆も楽しそうだしいいんじゃない?」
「そうだな、優衣」
「これだから優衣と蓮は…。カレカノだからってイチャイチャしすぎ!いい加減怒るよ?」
「あんたねぇ、いくら彼氏いない歴=年齢だからってヤキモチやきすぎだよ」
「なっ!?凜香だって人のこと言えないでしょー?」
「残念だったな!私は彼氏いたことあるんだ~」
「がーん」
「…こうやってさ」
「ん?」
「こうやってみんなでワイワイするのももうあと1年しかないんだよね」
「あ…」
「ほんとだ」
「心絆は就職だっけ?」
「就職、進学以前に私らみんな就職でしょ!全く違う職種だけど。」
「あ、心絆」
「ん?」
「俺、進学なんだ。短大だけど…」
「私は四年制に行くんだ」
「わあお」
「ちゃんと知ってなよ」
「ごめん…」
「というか、来年遊びに行くんでしょ?行けるかな~…」
「凜香、AOだから行けるよ」
「あ、そっか!」
「じゃあ、行ける?」
「日にちにもよるけどね」
「みんなの予定合わせよ!」
「そうだね!」
~半年後~
「就職試験行ってくるね!」
「私、明後日だ!」
「頑張れ!」
「私達もだよ!」
私達は今も昔もこんな感じ。いつも笑いあってバカして毎日が楽しい。約1ヶ月後にみんなの進路先が決まった。本当に楽しかった。そう、楽しかったんだ。あなたも知ってるはず。私たちは今から半年後に死ぬ。どのような事故、事件だったのだろう…?
毎日が楽しい。でもこの間夢でみんなが死んじゃう夢を見た?私も…。私はもうすぐ死んじゃうのかな?心絆、優衣、蓮。死んだとしても…たとえ死んだとしても。私達はずっと友達だよね。
蓮のことは好き。でも蓮は私とも友達とも仲良くしてくれる。みんなと仲良くできる人気者。そんな人気者を私は独り占めしている。本当に良いのだろうか?でも付き合ってるんだからしょうがないよね。…え?今の…何?みんなが死んでた。そして私も。どうして…?
みんなが楽しそうで何よりだ。みんなが楽しいなら俺も楽しい。でも…あれはビジョンか?どう考えてもおかしい。みんなが…この4人が…俺を含めてみんなが死ぬなんて、今は考えられない。いや、あれはきっとビジョンだ。ならなんとしてでも食い止めてやる。みんなの笑顔を守るために。
~3ヶ月後~
「心絆、部活お疲れ様!」
「やっと皆、引退か~」
「遊びに行く計画立てよ…あ」
「ん?どうかした?」
「ねえ…信じられないかもしれないけど…私達…」
「みんな同時に死ぬ」
「⁉」
「この間、ビジョンが見えてな」
「ただの思い込み…とは言えないね。私も見てるし」
「…みんなも見たんだ…。私たち…死ぬのかな…?」
「死なせねぇよ。このビジョン、変えてみせようじゃねえか。心絆遊びに行こう。ネズミーランドにでも行って」
「死んじゃったらどうするの⁉この世界に蘇生魔法なんてない!ファンタジーの世界じゃない!ゲームの世界じゃないんだよ!一度したらリセットなんて出来ないの!今はまだ死ぬって決まったわけじゃないな!ならみんなで行動しない方がマシだよ!」
「死んだら死んだでそれで俺たちの物語終わるんだ。俺はこの4人と最期の時まで一緒にいたい。心絆、お前は俺達と別れたいのか?」
「それとこれとは…」
「それとこれとは話が別。蓮、私たちは死にたくない。優衣は分からないけど少なくとも心絆と私は死にたくない。最期までとかふざけてんの?私は嫌。申し訳ないけどそんなこと言われたらあんたと友達なんてやってられない」
「凜香、それはいくら何でも言い過ぎなんじゃない?」
「言い過ぎなんかじゃない。もういい加減にして。そもそも優衣も見たんじゃないの?夢というかビジョン。それも見てもなお、優衣は遊びに行くっていうの?」
「思い出作りだよ!」
「え?」
「思い出作り…したくないの?私たちといるの、そんなに嫌?」
「じゃあ、日程変えない?」
「あ、それならいいかも!」
「この日だからダメなんだと思う」
「よ…よかった…」
「何かあったら守ってくれるんでしょ?」
「へ?」
「あ…」
「守ってね!蓮!」
「お…おう…」
~3ヶ月後~
「おっしゃー!遊ぶぞー!」
「蓮が一番はしゃいでんじゃない…」
「あ!ジェットコースター!」
「あ…もう…心絆ー!」
「あははは…!?」
視線?振り返っても誰もいない。誰かに見られてる…?でもあれから死ぬビジョンは見なかった。ならどうして…?
「優衣!」
「へ?」
「めちゃくちゃ怖い顔してるよ?どうしたの?」
「視線を感じたの」
「へ?」
「こう…恨んでるみたいな…」
「優衣ー!凜香ー!どうしたのー!?」
「…」
「優衣?」
「ここに集まっちゃダメ。みんなバラバラに行動しよ」
「いきなりどうしたんだ?優衣」
「こないで!!」
「二手に別れよう。心絆行くよ」
「ちょっちょっ…凜香」
「優衣?」
「ダメ…ダメだよ…みんな死んじゃう…」
「優衣。大丈夫だ。今は2人しかいないから」
「ぁ…」
「優衣!!!」
意識が混濁する。どこが前でどこが後ろかわからない。どこ…?そのまま意識は闇の中へ落ちていった。
「優衣!優衣!」
何度…幾度となく優衣を呼んでるが優衣は目覚めない。優衣!優衣!どうして…?
「なんか騒がしくない?入口の方」
「あ…確かに…」
「何かあったのかな…?」
「行ってみよう」
「うん」
「優衣!優衣!」
「優衣!」
「心絆、ストップ」
「え?」
「死ぬよ?」
「あ…」
「優衣はどうして…」
「え…?」
「うわっ!」
突然何者かに押された。後ろに振り返ろうにもそれができない。どうして全てがスローモーションに見える。だんだんと近づく優衣と蓮。優衣は何が原因で倒れているのかは分からない。でも―
―でも心絆と私は押された。近づく優衣と蓮。私にははっきり見えた。私達を恨んでいるような目線。その時私は走馬灯のように、ある出来事を思い出した
「へ~、凜香、ネズミーランドに行くんだ」
「美紗希、久しぶり、いつぶりだっけ?」
「中学の卒業式以来かな」
この少女は美紗希、私の幼なじみだ。幼稚園、小、中まで一緒だった友達。でも何だろうこの視線。背筋が凍るような視線。もしかして私がネズミーランドに行くことが許せないのだろうか?でもどうして私がネズミーランドに行くことが嫌なんだろう?私何かしたっけ…?
「ねえ、凜香」
「な、何…?」
「私達、幼馴染だよね?」
「う、うん…」
「じゃあ、どうしてあの時私を裏切ったの!?」
「…え?」
そ、そうだ。私は小学生の時、美紗希がいじめられていた時、見て見ぬふりをしていたのだ。そのことを今の今まで根に持っていたのだろう…
「まあ、過去のことなんてどうでもいいよね。ねえ凜香、いつネズミーランドに行くの」
「え…?」
「いつ?」
「こ、この日…」
「本当に?」
「う、うん…」
嘘だ。前この日に行こうって言っていた日。スケジュール帳を見られたとしても、まだ書いてないから大丈夫なはず…
「ふ~ん」
「な…何?」
「いや、別に」
そうして現実に戻った。スローモーションのように動く世界。そうして私は一つ思いついた押したのは別の人かもしれない。でも…でも―
『私たちを殺そうとしているのは、美紗希だった』
『え…?』
「凜香…今なんて?美紗希…?美紗希のこと知ってるの?」
「幼なじみだよ?」
「小学校の時に…」
そして、私たちはコケた。目の前には優衣と蓮、隣には凜香。このまま死んじゃうんだな…
「未来を変えてやるよ!」
目の前から瞬時に蓮がいなくなり、凜香も消え…た?唐突に痛みが走った
「つ…」
「ぐ…」
「いっ…」
周囲からうめき声が聞こえる。それは私自身のものかもしれない。身体中が痛い。身体の中から何かが流れてて行っていることを感じる。これは…血だ。私の身体から血が流れ出て行っている。どうして?どうしてこうなってしまったんだ…?
私の意識は現実からいつの間にか消えていた。ボーッとする思考の中、客観的に現実が見える。これは…。酷い有様だった。ここに私を含めて数人―4人だけだったはずなのに、あたり一面が真っ赤だった。心絆!優衣!蓮!生きて…いるわけないか。これだけ辺り一面に血が流れているのだ。生きているわけがない。そうして意識が遠のいていった。もう目覚めることはない。
私はどうなってしまったの?心絆…凜香…蓮…。みんなどこにいるの?私はどうなってしまったの?意識が途切れ途切れになってしまう。私は死ぬの?
心絆!凜香!優衣!どこだ!?どこにいる!?たしか4人で遊んでいたはずだ。だったら、すぐそばにいるはず…なのに周囲には何もない…。これは一体どういうことだ…?
いつの間にか血まみれになっていた私の服。色んな事を聞きたかったのに一発で死ぬとは思わなかった。周囲から聞こえる叫び声。そして、遠くの方から聞こえる救急車とパトカーのサイレンの音。私は遊園地の警備員の人に拘束された。このままこの人達が死んでくれたらいいんだけど。心絆…あなたは私のことを散々いじめてくれたよね。小学生の時に…。凜香…あなたは私がいじめられていても放置していた。見て見ぬふりをしていた。確かにそれが最善の策かもしれない。でも私は傷ついた。優衣…あなたは中学校の時、クラスのムードメーカーだった。それに腹が立ったんだ。私も中学の時からは明るくなった。でも優衣がいるから私は一番じゃなかった。それがとても悔しかった。蓮…直接的な絡みはあまりない。でも私は蓮が好きだった。いつでもクラスのムードメーカー、そんな彼が私は好きだった。でも告白したら振られてしまった。俺には好きな人がいるんだって。それから約2ヶ月後にあなたは優衣と付き合い始めた。何かの見せつけかと思ったよ。でもそうじゃなかった。あの頃から、蓮は優衣のことが好きだった。結局クラスのムードメーカーはムードメーカー同士で付き合い始めた。私はそれに腹が立った。私だってムードメーカーなのに…。数分後、私は警察に拘束され、心絆たちは病院に搬送された。あの状態で生き残るわけがない。どうせ死んでしまうんだ。私も、どうせ死刑だ。それから約数日後に弁護士と会った。弁護士は私がやったことを知っている。その上で罪を軽くしようとしているのだ。そんなことは私には無用だ。どうせ無期懲役か死刑なんだからね。その旨を伝えると、弁護士側は唖然としていた。もっと長生きしたくないのかと聞いてきたが…。私の生きる意味はあの4人を殺すことだったから、もう生きる意味がなくなったから生きている価値なんてないんだ。そう言うと弁護士は静かに去っていった。そして今日、私の死刑執行の日だ。さようなら、現実の世界。
終
私の意識は現実からいつの間にか消えていた。ボーッとする思考の中、客観的に現実が見える。これは…。酷い有様だった。ここに私を含めて数人―4人だけだったはずなのに、あたり一面が真っ赤だった。心絆!優衣!蓮!生きて…いるわけないか。これだけ辺り一面に血が流れているのだ。生きているわけがない。そうして意識が遠のいていった。もう目覚めることはない。
私はどうなってしまったの?心絆…凜香…蓮…。みんなどこにいるの?私はどうなってしまったの?意識が途切れ途切れになってしまう。私は死ぬの?
心絆!凜香!優衣!どこだ!?どこにいる!?たしか4人で遊んでいたはずだ。だったら、すぐそばにいるはず…なのに周囲には何もない…。これは一体どういうことだ…?
~約1年前~
「凜香、優衣、蓮。来年で私達卒業じゃん!どっか遊びに行かない?うーん…遊園地とか!」
「心絆、相変わらずだね。幼稚な所行くの」
「まあまあ、凜香。心絆も楽しそうだしいいんじゃない?」
「そうだな、優衣」
「これだから優衣と蓮は…。カレカノだからってイチャイチャしすぎ!いい加減怒るよ?」
「あんたねぇ、いくら彼氏いない歴=年齢だからってヤキモチやきすぎだよ」
「なっ!?凜香だって人のこと言えないでしょー?」
「残念だったな!私は彼氏いたことあるんだ~」
「がーん」
「…こうやってさ」
「ん?」
「こうやってみんなでワイワイするのももうあと1年しかないんだよね」
「あ…」
「ほんとだ」
「心絆は就職だっけ?」
「就職、進学以前に私らみんな就職でしょ!全く違う職種だけど。」
「あ、心絆」
「ん?」
「俺、進学なんだ。短大だけど…」
「私は四年制に行くんだ」
「わあお」
「ちゃんと知ってなよ」
「ごめん…」
「というか、来年遊びに行くんでしょ?行けるかな~…」
「凜香、AOだから行けるよ」
「あ、そっか!」
「じゃあ、行ける?」
「日にちにもよるけどね」
「みんなの予定合わせよ!」
「そうだね!」
~半年後~
「就職試験行ってくるね!」
「私、明後日だ!」
「頑張れ!」
「私達もだよ!」
私達は今も昔もこんな感じ。いつも笑いあってバカして毎日が楽しい。約1ヶ月後にみんなの進路先が決まった。本当に楽しかった。そう、楽しかったんだ。あなたも知ってるはず。私たちは今から半年後に死ぬ。どのような事故、事件だったのだろう…?
毎日が楽しい。でもこの間夢でみんなが死んじゃう夢を見た?私も…。私はもうすぐ死んじゃうのかな?心絆、優衣、蓮。死んだとしても…たとえ死んだとしても。私達はずっと友達だよね。
蓮のことは好き。でも蓮は私とも友達とも仲良くしてくれる。みんなと仲良くできる人気者。そんな人気者を私は独り占めしている。本当に良いのだろうか?でも付き合ってるんだからしょうがないよね。…え?今の…何?みんなが死んでた。そして私も。どうして…?
みんなが楽しそうで何よりだ。みんなが楽しいなら俺も楽しい。でも…あれはビジョンか?どう考えてもおかしい。みんなが…この4人が…俺を含めてみんなが死ぬなんて、今は考えられない。いや、あれはきっとビジョンだ。ならなんとしてでも食い止めてやる。みんなの笑顔を守るために。
~3ヶ月後~
「心絆、部活お疲れ様!」
「やっと皆、引退か~」
「遊びに行く計画立てよ…あ」
「ん?どうかした?」
「ねえ…信じられないかもしれないけど…私達…」
「みんな同時に死ぬ」
「⁉」
「この間、ビジョンが見えてな」
「ただの思い込み…とは言えないね。私も見てるし」
「…みんなも見たんだ…。私たち…死ぬのかな…?」
「死なせねぇよ。このビジョン、変えてみせようじゃねえか。心絆遊びに行こう。ネズミーランドにでも行って」
「死んじゃったらどうするの⁉この世界に蘇生魔法なんてない!ファンタジーの世界じゃない!ゲームの世界じゃないんだよ!一度したらリセットなんて出来ないの!今はまだ死ぬって決まったわけじゃないな!ならみんなで行動しない方がマシだよ!」
「死んだら死んだでそれで俺たちの物語終わるんだ。俺はこの4人と最期の時まで一緒にいたい。心絆、お前は俺達と別れたいのか?」
「それとこれとは…」
「それとこれとは話が別。蓮、私たちは死にたくない。優衣は分からないけど少なくとも心絆と私は死にたくない。最期までとかふざけてんの?私は嫌。申し訳ないけどそんなこと言われたらあんたと友達なんてやってられない」
「凜香、それはいくら何でも言い過ぎなんじゃない?」
「言い過ぎなんかじゃない。もういい加減にして。そもそも優衣も見たんじゃないの?夢というかビジョン。それも見てもなお、優衣は遊びに行くっていうの?」
「思い出作りだよ!」
「え?」
「思い出作り…したくないの?私たちといるの、そんなに嫌?」
「じゃあ、日程変えない?」
「あ、それならいいかも!」
「この日だからダメなんだと思う」
「よ…よかった…」
「何かあったら守ってくれるんでしょ?」
「へ?」
「あ…」
「守ってね!蓮!」
「お…おう…」
~3ヶ月後~
「おっしゃー!遊ぶぞー!」
「蓮が一番はしゃいでんじゃない…」
「あ!ジェットコースター!」
「あ…もう…心絆ー!」
「あははは…!?」
視線?振り返っても誰もいない。誰かに見られてる…?でもあれから死ぬビジョンは見なかった。ならどうして…?
「優衣!」
「へ?」
「めちゃくちゃ怖い顔してるよ?どうしたの?」
「視線を感じたの」
「へ?」
「こう…恨んでるみたいな…」
「優衣ー!凜香ー!どうしたのー!?」
「…」
「優衣?」
「ここに集まっちゃダメ。みんなバラバラに行動しよ」
「いきなりどうしたんだ?優衣」
「こないで!!」
「二手に別れよう。心絆行くよ」
「ちょっちょっ…凜香」
「優衣?」
「ダメ…ダメだよ…みんな死んじゃう…」
「優衣。大丈夫だ。今は2人しかいないから」
「ぁ…」
「優衣!!!」
意識が混濁する。どこが前でどこが後ろかわからない。どこ…?そのまま意識は闇の中へ落ちていった。
「優衣!優衣!」
何度…幾度となく優衣を呼んでるが優衣は目覚めない。優衣!優衣!どうして…?
「なんか騒がしくない?入口の方」
「あ…確かに…」
「何かあったのかな…?」
「行ってみよう」
「うん」
「優衣!優衣!」
「優衣!」
「心絆、ストップ」
「え?」
「死ぬよ?」
「あ…」
「優衣はどうして…」
「え…?」
「うわっ!」
突然何者かに押された。後ろに振り返ろうにもそれができない。どうして全てがスローモーションに見える。だんだんと近づく優衣と蓮。優衣は何が原因で倒れているのかは分からない。でも―
―でも心絆と私は押された。近づく優衣と蓮。私にははっきり見えた。私達を恨んでいるような目線。その時私は走馬灯のように、ある出来事を思い出した
「へ~、凜香、ネズミーランドに行くんだ」
「美紗希、久しぶり、いつぶりだっけ?」
「中学の卒業式以来かな」
この少女は美紗希、私の幼なじみだ。幼稚園、小、中まで一緒だった友達。でも何だろうこの視線。背筋が凍るような視線。もしかして私がネズミーランドに行くことが許せないのだろうか?でもどうして私がネズミーランドに行くことが嫌なんだろう?私何かしたっけ…?
「ねえ、凜香」
「な、何…?」
「私達、幼馴染だよね?」
「う、うん…」
「じゃあ、どうしてあの時私を裏切ったの!?」
「…え?」
そ、そうだ。私は小学生の時、美紗希がいじめられていた時、見て見ぬふりをしていたのだ。そのことを今の今まで根に持っていたのだろう…
「まあ、過去のことなんてどうでもいいよね。ねえ凜香、いつネズミーランドに行くの」
「え…?」
「いつ?」
「こ、この日…」
「本当に?」
「う、うん…」
嘘だ。前この日に行こうって言っていた日。スケジュール帳を見られたとしても、まだ書いてないから大丈夫なはず…
「ふ~ん」
「な…何?」
「いや、別に」
そうして現実に戻った。スローモーションのように動く世界。そうして私は一つ思いついた押したのは別の人かもしれない。でも…でも―
『私たちを殺そうとしているのは、美紗希だった』
『え…?』
「凜香…今なんて?美紗希…?美紗希のこと知ってるの?」
「幼なじみだよ?」
「小学校の時に…」
そして、私たちはコケた。目の前には優衣と蓮、隣には凜香。このまま死んじゃうんだな…
「未来を変えてやるよ!」
目の前から瞬時に蓮がいなくなり、凜香も消え…た?唐突に痛みが走った
「つ…」
「ぐ…」
「いっ…」
周囲からうめき声が聞こえる。それは私自身のものかもしれない。身体中が痛い。身体の中から何かが流れてて行っていることを感じる。これは…血だ。私の身体から血が流れ出て行っている。どうして?どうしてこうなってしまったんだ…?
私の意識は現実からいつの間にか消えていた。ボーッとする思考の中、客観的に現実が見える。これは…。酷い有様だった。ここに私を含めて数人―4人だけだったはずなのに、あたり一面が真っ赤だった。心絆!優衣!蓮!生きて…いるわけないか。これだけ辺り一面に血が流れているのだ。生きているわけがない。そうして意識が遠のいていった。もう目覚めることはない。
私はどうなってしまったの?心絆…凜香…蓮…。みんなどこにいるの?私はどうなってしまったの?意識が途切れ途切れになってしまう。私は死ぬの?
心絆!凜香!優衣!どこだ!?どこにいる!?たしか4人で遊んでいたはずだ。だったら、すぐそばにいるはず…なのに周囲には何もない…。これは一体どういうことだ…?
いつの間にか血まみれになっていた私の服。色んな事を聞きたかったのに一発で死ぬとは思わなかった。周囲から聞こえる叫び声。そして、遠くの方から聞こえる救急車とパトカーのサイレンの音。私は遊園地の警備員の人に拘束された。このままこの人達が死んでくれたらいいんだけど。心絆…あなたは私のことを散々いじめてくれたよね。小学生の時に…。凜香…あなたは私がいじめられていても放置していた。見て見ぬふりをしていた。確かにそれが最善の策かもしれない。でも私は傷ついた。優衣…あなたは中学校の時、クラスのムードメーカーだった。それに腹が立ったんだ。私も中学の時からは明るくなった。でも優衣がいるから私は一番じゃなかった。それがとても悔しかった。蓮…直接的な絡みはあまりない。でも私は蓮が好きだった。いつでもクラスのムードメーカー、そんな彼が私は好きだった。でも告白したら振られてしまった。俺には好きな人がいるんだって。それから約2ヶ月後にあなたは優衣と付き合い始めた。何かの見せつけかと思ったよ。でもそうじゃなかった。あの頃から、蓮は優衣のことが好きだった。結局クラスのムードメーカーはムードメーカー同士で付き合い始めた。私はそれに腹が立った。私だってムードメーカーなのに…。数分後、私は警察に拘束され、心絆たちは病院に搬送された。あの状態で生き残るわけがない。どうせ死んでしまうんだ。私も、どうせ死刑だ。それから約数日後に弁護士と会った。弁護士は私がやったことを知っている。その上で罪を軽くしようとしているのだ。そんなことは私には無用だ。どうせ無期懲役か死刑なんだからね。その旨を伝えると、弁護士側は唖然としていた。もっと長生きしたくないのかと聞いてきたが…。私の生きる意味はあの4人を殺すことだったから、もう生きる意味がなくなったから生きている価値なんてないんだ。そう言うと弁護士は静かに去っていった。そして今日、私の死刑執行の日だ。さようなら、現実の世界。
終
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