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「……まだ寝惚けてるのかな、私。」
むにっ、と自分の頬を摘むとめちゃくちゃ痛いし
そんなことをしてる間にも、さっき私が出てきた扉からガタッっと音が聞こえて
また慌てて玄関へと通じる扉を探した。
──ばたんっ、
──ばたんっ、
「どうなってんの、この家っ!!」
もう半分泣きそうになりながら扉を開けてると
ようやく廊下の先に見えた玄関っぽい扉。
もう無我夢中で走って玄関まで辿り着くと
靴を履く時間も惜しくて、そのまま手にしながら
勢いよく扉を開けて外へと出た。
「………っはぁ、はぁっ、
やばい……、」
訳わかんないくらい広い部屋に住んでる男の
ペットになんね?発言が、なんだか急に現実味を帯びてきた。
こんな広いとこに住んでるくらいだから
何者かは知らないけど
お金で女をペットにする、っていうのなんて他愛もないことだよね…。
ゾクッ、と背筋に寒気を感じて
また慌てて靴を履いて長い廊下を抜けた。
「今度はエレベーターがない…っ!!」
せっかく部屋から出たのに
今度は外に出るために必要であろうエレベーターが見つからない。
どうなってんの、まじで。
夢だよね?これ。
夢だよ。
誰か夢だと言って。
絶望に明け暮れたその時────、
「どうしたの?」
後ろから声が聞こえてきて振り向くと
長身の男性が首を傾げて立っていた。
・・・誰?
「みつんとこから出てきたよね?」
「………みつ?」
”みつ”って誰だっけ?
あ、さっきの人?
そういえば”桜庭ひろみつ”って言ってたっけ…。
「もしかして名前も知らないのにミツん家に来たの?」
「へ?」
「昨日彼女に振られたばっかだっていうのに
早速適当に女の子捕まえてたんだ」
全くもうっ!って可愛くプンプンしてる男性に
はてなマークが止まらない私。
「あ、あのっ、とりあえずエレベーターどこですか?」
何でミツはいつもああなのかなっ、とか言ってるけど
ぶっちゃけそういうのどうでもいいから
とりあえず早くここから逃げ出したい。
「え?エレベーター?」
「そう!
現実に戻れるエレベーターはどこ?!」
もう最早ここは夢の世界。
早く昨日までの日常に戻らないとおかしくなりそうだ。
「そこ右に曲がればあるけど…、」
「右に曲がるんですね!
すみません、ありがとうございましたっ」
様子のおかしい私に首を傾げるその人に
深く深くお礼を告げてから
また慌ただしく右へと曲がる前に
クルッとその人を振り返った。
「私はそのミツって人と何かあったわけではないですからね!」
「へ?」
「あの人とは無関係ですっ!」
そう言い残して
またひとつお辞儀をしてからその場を去った。
まぁ、一応親切にエレベーターの場所教えてもらったし
また女の子連れ込んで~、って言ってた誤解を解いてあげた。
キョトンとしてたけど
もうそんなの知らないしっ。
それから
ギョッ、とするような階数からのエレベーターを降りて
眩しい日が降り注ぐ地上へと舞い戻ってきた。
「……ただいま、現実。」
もう関わっちゃ駄目だきっと、あの人とは。
住む世界が違いすぎる、
というか
色んな考えとか価値観が違うと思う。
さすがにシラフじゃついていけない。
でも・・・、
”逃げられると思うなよ?”
さっきのあの言葉と
あの人の温もりがまだ身体中を支配してるから
ブンブンとひとり挙動不審に首を振って
んー!っておっきく伸びをした。
そしてカバンから携帯を取り出し
ナビを起動してなんとか現在地不明なところから自宅へと辿り着いた。
むにっ、と自分の頬を摘むとめちゃくちゃ痛いし
そんなことをしてる間にも、さっき私が出てきた扉からガタッっと音が聞こえて
また慌てて玄関へと通じる扉を探した。
──ばたんっ、
──ばたんっ、
「どうなってんの、この家っ!!」
もう半分泣きそうになりながら扉を開けてると
ようやく廊下の先に見えた玄関っぽい扉。
もう無我夢中で走って玄関まで辿り着くと
靴を履く時間も惜しくて、そのまま手にしながら
勢いよく扉を開けて外へと出た。
「………っはぁ、はぁっ、
やばい……、」
訳わかんないくらい広い部屋に住んでる男の
ペットになんね?発言が、なんだか急に現実味を帯びてきた。
こんな広いとこに住んでるくらいだから
何者かは知らないけど
お金で女をペットにする、っていうのなんて他愛もないことだよね…。
ゾクッ、と背筋に寒気を感じて
また慌てて靴を履いて長い廊下を抜けた。
「今度はエレベーターがない…っ!!」
せっかく部屋から出たのに
今度は外に出るために必要であろうエレベーターが見つからない。
どうなってんの、まじで。
夢だよね?これ。
夢だよ。
誰か夢だと言って。
絶望に明け暮れたその時────、
「どうしたの?」
後ろから声が聞こえてきて振り向くと
長身の男性が首を傾げて立っていた。
・・・誰?
「みつんとこから出てきたよね?」
「………みつ?」
”みつ”って誰だっけ?
あ、さっきの人?
そういえば”桜庭ひろみつ”って言ってたっけ…。
「もしかして名前も知らないのにミツん家に来たの?」
「へ?」
「昨日彼女に振られたばっかだっていうのに
早速適当に女の子捕まえてたんだ」
全くもうっ!って可愛くプンプンしてる男性に
はてなマークが止まらない私。
「あ、あのっ、とりあえずエレベーターどこですか?」
何でミツはいつもああなのかなっ、とか言ってるけど
ぶっちゃけそういうのどうでもいいから
とりあえず早くここから逃げ出したい。
「え?エレベーター?」
「そう!
現実に戻れるエレベーターはどこ?!」
もう最早ここは夢の世界。
早く昨日までの日常に戻らないとおかしくなりそうだ。
「そこ右に曲がればあるけど…、」
「右に曲がるんですね!
すみません、ありがとうございましたっ」
様子のおかしい私に首を傾げるその人に
深く深くお礼を告げてから
また慌ただしく右へと曲がる前に
クルッとその人を振り返った。
「私はそのミツって人と何かあったわけではないですからね!」
「へ?」
「あの人とは無関係ですっ!」
そう言い残して
またひとつお辞儀をしてからその場を去った。
まぁ、一応親切にエレベーターの場所教えてもらったし
また女の子連れ込んで~、って言ってた誤解を解いてあげた。
キョトンとしてたけど
もうそんなの知らないしっ。
それから
ギョッ、とするような階数からのエレベーターを降りて
眩しい日が降り注ぐ地上へと舞い戻ってきた。
「……ただいま、現実。」
もう関わっちゃ駄目だきっと、あの人とは。
住む世界が違いすぎる、
というか
色んな考えとか価値観が違うと思う。
さすがにシラフじゃついていけない。
でも・・・、
”逃げられると思うなよ?”
さっきのあの言葉と
あの人の温もりがまだ身体中を支配してるから
ブンブンとひとり挙動不審に首を振って
んー!っておっきく伸びをした。
そしてカバンから携帯を取り出し
ナビを起動してなんとか現在地不明なところから自宅へと辿り着いた。
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