喉から猫がいなくなるとき

みつしげ

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11話 これからのこと②

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 シエルは2本目の指を立てて、話を続けた。

「2つ目、リョータがこの世界でどう生きるのか」

 シエルは顔を引き締め、涼太の顔を見つめた。

「聖女と共に戦うか、持てる才能と力を生かして大金を稼ぐか、平穏な暮らしを望むか…」

 そこで口を止めたシエルに、それぞれが視線を向けた。

「…王国としては聖女と同じように魔族と戦ってもらいたい」

 やはり未知の戦いを求められ、涼太は何も言えなかった。保護されている身で拒否権はない。そんなことを考えてしまい、涼太は下を向いた。
 
「が!」

 シエルの大きな声に涼太はびっくりして顔を上げた。涼太の思いを知ってか知らずか、シエルは太陽みたいな笑顔を見せた。

「リョータはどうしたい?」
「え…?」
「リョータは聖女じゃない。少ないが聖女よりも選択肢がある。…お前はどうしたい?」

 一本の道を押し付けるのではなく、見えない将来を掴む権利を奪わないでくれている。それをとてもありがたく思った。

 (悠希を守りたい。これが俺の望みだ。…だけど、)

 昨日の悠希の姿を思い出し、涼太はまた胸の内がモヤモヤした。悠希が自分を守るために行ってしまったことはわかるが、他の選択肢はなかったのか、悠希は俺から離れたいと思ったから行ってしまったのか。頭の中で考えが回り、もうよくわからない。

「…わからない、です」

 そばに悠希がいない、闇のような世界の中で、自分がどうしたいかなんてわかるはずもない。4人の異世界人が見つめる涼太には、見つめる先がない。

「追々でもいいんじゃない?」

 場に似合わず呑気なエトワールの声に、涼太は彼を見た。

「こっちに来たばかりのリョータはまだ何も知らないんだから、学び過ごした上で決めればいい。俺はそう思う」

 目を合わせ、うなずいてくれるエトワールに涼太は少し表情を緩めた。

「ま、それもそうだな。リョータがこの世界でどの道を選ぶかは保留だ!」

 楽観的な兄弟に身体が軽くなった。そんな気がした。
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