喉から猫がいなくなるとき

みつしげ

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12話 学園について②

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「学校に行くのもいいかもな」

 (この世界で生きるには知識がいる。それを提供してくれるなら、俺に不利益はない)

「リョータは何を学びたい?」
「この世界について、一般知識も魔法も、俺の知らないこと全部」

 4人はそれぞれ笑った。シエルは豪快に、エトワールはおかしそうに、イヴォンヌは楽しそうに口角を上げて。ソレイユはやはり完璧な王子様らしい笑みだった。

「うはは!全部か~、いいねぇ!」
「全部か…。総合科に入るには学力が厳しいだろうから、普通科に入るよりも魔法科か武術科で身を守れるように…」

 ブツブツと考え込んでいるエトワールにイヴォンヌが声をかけた。

「魔法科でいいのでは?」
「その理由は?」
「副神官長から昨日の報告が上がっています。報告書には彼が体術でバスチアン殿とほぼ互角に戦ったとありました。武術に関して素地はあるようですから、素地すら未熟の魔法を伸ばす方が良いかと思いまして」
「確かにな。…リョータはどう思う?」

 ちゃんと本人の意見も聞いてくれるエトワールに、リョータは微笑んだ。

「俺は魔法科で文句ねぇよ」
「よし、リョータは高等部魔法科1年C組に編入することに決定だ!」

 ワ~とシエルが大きな拍手をしてくれた。

「一般教養は俺が教えるとして…、武術は誰に教えてもらおうかな?」

 エトワールは腕を組み、唸りながら考える。

「武術って言っても、剣術に体術に弓術やら色々あるからな」
「それも全部学べば良いのでは?」

 悩む兄弟にイヴォンヌがクッキーを食べるのを中断して言った。

「正統派の剣術や弓術なら騎士団に、実戦的な武術なら冒険者に、習えば良いではないれふか」

 イヴォンヌは我慢できなかったらしく、最後でクッキーを食べるのを再開させた。

「それがいい!」
「イヴォンヌはやっぱりかしこいな!」

 喜ぶ兄弟にイヴォンヌはサクサク言わせながらうなずいた。山盛りだったクッキーはもう半分もない。

「なぁ、騎士団とか冒険者とかって何なんだ?」
「ああ、リョータの世界にはなかったね。騎士団は、この国の軍の中で王族を守るためだけにある近衛兵部隊のことだよ。昔は騎士団が唯一、国防を任された軍と呼べるものだったんだけど、国の拡大と共に騎士団も拡張されていってね。騎士団を一部隊として、軍を再整備して現在まで続くものになったんだ。1番伝統ある部隊だからその剣術も伝統あるものだよ」

 軍などと今まで関係なかった単語が出てきて涼太は頭が追いつかなく、顔をしかめた。

「冒険者は、主に魔獣討伐や盗賊退治をして生計を立ている人のことだよ。冒険者たちはギルドと呼ばれる自治組織を作り、世界中で活躍しているんだ。ギルドという世界共通の組織は独立した国とほぼ同等の立場とされているんだよ。そして、彼らの世界は実力だけがものを言う世界でね、上からS、A、B、C、D、E、Fの7段階でランク付けされているんだ。毎日戦っている人が多いから騎士団よりも実戦的なのは間違いないよ」
「ほへ~」

 理解し切れてないだろう生返事にエトワールは苦笑した。

「こういう一般教養も一緒にやっていこうな」

 教師らしい口調に涼太はまた生返事をした。
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