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13.聖人、色欲に溺れる②
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ジレーザの萎えた性器を綺麗に拭き取ると、布を濯いでから一度湯を捨てて、再び汲んだ水を温めて布を絞り直す。
「身体、もう気持ち悪いとこないか」
「大丈夫だ。私に構わず自分の身体を拭いたらどうだ」
「そうか? じゃあそうさせてもらう」
依斗は答えて身体を拭くと、布を濯いでから湯を捨てて、ズボンだけを穿いてソファーに腰掛ける。
「ジレーザ、そのまま寝るなよ」
さすがに疲れ切った様子でウトウトするジレーザに声を掛けると、起き上がってくる様子がないことに苦笑しながらベッドに歩み寄る。
「シーツ替えないと気持ち悪いだろ」
「んん、ヨリト……」
「大丈夫。ここに居る」
依斗はジレーザを横抱きにすると、ソファーに移動させてからシーツを替えて、用意しておいた毛布とコンフォーターを広げて眠る支度を整える。
「ジレーザ、寝るぞ」
「…………」
「そりゃ眠くもなるか」
依斗は呟いて肩をすくめると、ソファーで寝落ちしたジレーザを抱きかかえてベッドに運び、体が冷えないように毛布とコンフォーターを肩まで掛けてやる。
「ごめんな、ジレーザ。俺はどうも本気でお前が好きみたいだ」
眠るジレーザに向かって呟くと、しっとりした髪を搔き上げるようにして横に流してから頬を撫で、そのまま心のままに愛しげにキスをする。
「……ンッ」
「お前にとっては、これも務めのうちだもんな」
依斗はやり場のない想いを口にすると、大きく息を吐き出してからベッドに潜り込み、ジレーザの首の下に腕を差し込んで、それから抱き寄せるようにして眠りにつく。
しばらくして規則正しい寝息が聞こえてくると、依斗と入れ替わるようにジレーザをゆっくりと目を開けて、すぐそばで寝息を立てる依斗を見つめる。
「務めだからじゃない。私はお前を……」
ジレーザは言葉を呑み込むと、苦しげな表情で依斗の頬を撫でてそこにキスを落とす。
そこには依斗と同じく、熱のこもった視線を向けるジレーザの姿があった。
確かに最初は正義感や責任感、そして芽生え始めていた罪悪感から身体を差し出すことを選んだし、魔力の枯渇を誘引して、性衝動を起こせば簡単に相手出来ると思った。
依斗が受け入れるかは分からなかったが、聖人であることを強いた責任を感じて、キスや口淫程度なら受け入れようと決心した。
けれど本当のセックスは簡単に人を堕とす。
獣になったように悶えて、奥を掻き回す熱い楔を更に奥に誘き寄せるように、締め付けて呑み込んだ。
何度も容赦なく注がれる熱を受け止めて、それでもまだ足りないと、依斗の劣情を煽って貪った。
今だってこの腕に抱かれることに安らぎを覚えてしまう、そんな自分が浅ましくて嫌になる。
依斗は本来なら男を抱く趣味はないだろうし、ジレーザが許可しないから、仕方なしにジレーザを抱いて性衝動を霧散させているに過ぎない。
しかも依斗は聖人なのだから、役目を終えた聖人がこの世界に留まる必要はない。
そうなった時、ジレーザは依斗を想うからこそ重荷にはなりたくないし、なるつもりもない。
「……してしまった」
聖職者でありながら、こんなにも不道徳な感情を、自分が抱くことになるとは思いもしなかった。
依斗を、他人を愛することが、これほどまでに胸を焦がし、張り裂けそうなほど心を苦しめる感情だなんて知りたくはなかった。
ジレーザは声を殺して静かに涙を流すと、無防備な寝顔を見せる依斗の寝息を聞きながら、自分はどうするべきだったのかと、言いようのない思いを吐き出すことを必死で堪える。
「こんなにも苦しくなるなら、やはり距離を保つべきだった」
胸元に顔を埋めて呟くと、震え始めた体を誤魔化すように依斗の背中に腕を回して、掻き抱くように腕に力を込めた。
「身体、もう気持ち悪いとこないか」
「大丈夫だ。私に構わず自分の身体を拭いたらどうだ」
「そうか? じゃあそうさせてもらう」
依斗は答えて身体を拭くと、布を濯いでから湯を捨てて、ズボンだけを穿いてソファーに腰掛ける。
「ジレーザ、そのまま寝るなよ」
さすがに疲れ切った様子でウトウトするジレーザに声を掛けると、起き上がってくる様子がないことに苦笑しながらベッドに歩み寄る。
「シーツ替えないと気持ち悪いだろ」
「んん、ヨリト……」
「大丈夫。ここに居る」
依斗はジレーザを横抱きにすると、ソファーに移動させてからシーツを替えて、用意しておいた毛布とコンフォーターを広げて眠る支度を整える。
「ジレーザ、寝るぞ」
「…………」
「そりゃ眠くもなるか」
依斗は呟いて肩をすくめると、ソファーで寝落ちしたジレーザを抱きかかえてベッドに運び、体が冷えないように毛布とコンフォーターを肩まで掛けてやる。
「ごめんな、ジレーザ。俺はどうも本気でお前が好きみたいだ」
眠るジレーザに向かって呟くと、しっとりした髪を搔き上げるようにして横に流してから頬を撫で、そのまま心のままに愛しげにキスをする。
「……ンッ」
「お前にとっては、これも務めのうちだもんな」
依斗はやり場のない想いを口にすると、大きく息を吐き出してからベッドに潜り込み、ジレーザの首の下に腕を差し込んで、それから抱き寄せるようにして眠りにつく。
しばらくして規則正しい寝息が聞こえてくると、依斗と入れ替わるようにジレーザをゆっくりと目を開けて、すぐそばで寝息を立てる依斗を見つめる。
「務めだからじゃない。私はお前を……」
ジレーザは言葉を呑み込むと、苦しげな表情で依斗の頬を撫でてそこにキスを落とす。
そこには依斗と同じく、熱のこもった視線を向けるジレーザの姿があった。
確かに最初は正義感や責任感、そして芽生え始めていた罪悪感から身体を差し出すことを選んだし、魔力の枯渇を誘引して、性衝動を起こせば簡単に相手出来ると思った。
依斗が受け入れるかは分からなかったが、聖人であることを強いた責任を感じて、キスや口淫程度なら受け入れようと決心した。
けれど本当のセックスは簡単に人を堕とす。
獣になったように悶えて、奥を掻き回す熱い楔を更に奥に誘き寄せるように、締め付けて呑み込んだ。
何度も容赦なく注がれる熱を受け止めて、それでもまだ足りないと、依斗の劣情を煽って貪った。
今だってこの腕に抱かれることに安らぎを覚えてしまう、そんな自分が浅ましくて嫌になる。
依斗は本来なら男を抱く趣味はないだろうし、ジレーザが許可しないから、仕方なしにジレーザを抱いて性衝動を霧散させているに過ぎない。
しかも依斗は聖人なのだから、役目を終えた聖人がこの世界に留まる必要はない。
そうなった時、ジレーザは依斗を想うからこそ重荷にはなりたくないし、なるつもりもない。
「……してしまった」
聖職者でありながら、こんなにも不道徳な感情を、自分が抱くことになるとは思いもしなかった。
依斗を、他人を愛することが、これほどまでに胸を焦がし、張り裂けそうなほど心を苦しめる感情だなんて知りたくはなかった。
ジレーザは声を殺して静かに涙を流すと、無防備な寝顔を見せる依斗の寝息を聞きながら、自分はどうするべきだったのかと、言いようのない思いを吐き出すことを必死で堪える。
「こんなにも苦しくなるなら、やはり距離を保つべきだった」
胸元に顔を埋めて呟くと、震え始めた体を誤魔化すように依斗の背中に腕を回して、掻き抱くように腕に力を込めた。
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