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捜査開始
43. 十日目(謹慎二日)、 借金取りからの電話
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「俺だっ」
黒沢は相手より先に口を開いた。
「黒沢の旦那。25日の期限が近づいていますが支払いの方は大丈夫ですか?」
「心配するな」
「その台詞は正直、聞き飽きましたよ。流石に組長も痺れを切らしてます」
「迷惑をかけてるのは俺も分かってる。未払いの分も全額払うよ」
「成程、その口ぶりだと当てがありそうですね」
「あぁ、取り零しの無い儲け話だ」
「まぁ、あっしとすればどんな汚い金でも金は金ですから。用意して貰えれば
問題ないです。楽しみにしてますよ。では返済日に」
「分かった。返済日に」
黒沢の頭の中では、恩田の薄汚い笑みが浮かび上がっていく。直接的な暴力
行使といった手段に出ないのも独自の拘りがあり、間接的に徐々に追い詰めて
いくやり方を好んでいた。中でも電話による話術は際立っており、黙っていた
かと思うと急に罵詈雑言を吐いたり、夜中の寝静まった時や帰宅時間を見計ら
っての無言電話での執拗な攻撃は精神的に応える。電話に出るか、精神疾患へ
と落ちるかの二者択一を迫られる位の高圧的な暴力だった。
債務者側からは『プレスマン』と通り名が付く程、危険な存在だった。回収
率は、完全一○○パーセント。金を全額返すまでは絶対に逃がしはしない。奴
の口癖はこうだ。
「借りた金は耳を揃えて返す。小学生でも知ってる事ですよ。大人は、子供の
手本とならなければ行けない存在ですから逃げるなんてのは人間の風上にも置
けませんね」
実際に黒沢も一度、追い込みを掛けられた事があり、延々と説教されたので
ある。この時の惨めな姿をビデオで録画されていたとしたら警察官としてだけ
でなく大人の人間としても生きていく意味を無くしてしまったであろう。しか
し恩田はそこまではしなかった。代わりに自分の組と関わってる賭博場や高級
クラブへの強制捜査(通称=ガサ入れ)が及ぶ際に警察側の情報を事前に流す
事で交渉(支払い延期)は成立した。その功績により、直属の兄貴分を追い越
して出世したのである。最初に顔を合わせた時が三年前で大人しくて目立たな
い存在であったが銀髪の悪魔が事務所に乗り込んで来た事件をキッカケに人が
変わったように目付きが鋭くなり、弱者には敵意を剥き出すようになっていっ
た。今ではナンバー3だ。三年前に銀髪の悪魔と何があったのかは詳しくは、
知らないが揉め事を頻繁に起こしていた構成員が一人抹消されていた事だけは
事実として掴んでいた。
黒沢は相手より先に口を開いた。
「黒沢の旦那。25日の期限が近づいていますが支払いの方は大丈夫ですか?」
「心配するな」
「その台詞は正直、聞き飽きましたよ。流石に組長も痺れを切らしてます」
「迷惑をかけてるのは俺も分かってる。未払いの分も全額払うよ」
「成程、その口ぶりだと当てがありそうですね」
「あぁ、取り零しの無い儲け話だ」
「まぁ、あっしとすればどんな汚い金でも金は金ですから。用意して貰えれば
問題ないです。楽しみにしてますよ。では返済日に」
「分かった。返済日に」
黒沢の頭の中では、恩田の薄汚い笑みが浮かび上がっていく。直接的な暴力
行使といった手段に出ないのも独自の拘りがあり、間接的に徐々に追い詰めて
いくやり方を好んでいた。中でも電話による話術は際立っており、黙っていた
かと思うと急に罵詈雑言を吐いたり、夜中の寝静まった時や帰宅時間を見計ら
っての無言電話での執拗な攻撃は精神的に応える。電話に出るか、精神疾患へ
と落ちるかの二者択一を迫られる位の高圧的な暴力だった。
債務者側からは『プレスマン』と通り名が付く程、危険な存在だった。回収
率は、完全一○○パーセント。金を全額返すまでは絶対に逃がしはしない。奴
の口癖はこうだ。
「借りた金は耳を揃えて返す。小学生でも知ってる事ですよ。大人は、子供の
手本とならなければ行けない存在ですから逃げるなんてのは人間の風上にも置
けませんね」
実際に黒沢も一度、追い込みを掛けられた事があり、延々と説教されたので
ある。この時の惨めな姿をビデオで録画されていたとしたら警察官としてだけ
でなく大人の人間としても生きていく意味を無くしてしまったであろう。しか
し恩田はそこまではしなかった。代わりに自分の組と関わってる賭博場や高級
クラブへの強制捜査(通称=ガサ入れ)が及ぶ際に警察側の情報を事前に流す
事で交渉(支払い延期)は成立した。その功績により、直属の兄貴分を追い越
して出世したのである。最初に顔を合わせた時が三年前で大人しくて目立たな
い存在であったが銀髪の悪魔が事務所に乗り込んで来た事件をキッカケに人が
変わったように目付きが鋭くなり、弱者には敵意を剥き出すようになっていっ
た。今ではナンバー3だ。三年前に銀髪の悪魔と何があったのかは詳しくは、
知らないが揉め事を頻繁に起こしていた構成員が一人抹消されていた事だけは
事実として掴んでいた。
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