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13話 厄介な患者
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そして翌日。今日はお休みの日。騎士団の訓練もない。
「うーん……幸せ~」
でもいつも通り目覚めてしまった私は朝風呂に入っていた。しかも、ローズのバスジェルを入れた泡風呂だ。窓から降り注ぐ朝日を浴びながら、豊かで優雅で甘い香りに包まれてまるで女優になった気分。
「ふうー!」
上機嫌でシャボン玉を飛ばしていると、クラリスの声が聞こえた。
「真白様~、どこです~?」
「お風呂にいるわ、今出ます!」
泡を洗い流して、私はさっとガウンを羽織った。
「着替えるからちょっと待っててね」
私がいつものワンピースに手を伸ばすと、クラリスはその手をガッと掴んだ。
「今日のご予定は、療養中の騎士団のウィルソン中隊長のお宅へのご訪問と聞いております」
「そうだけど……」
「その服で人様のお宅に伺うのはちょっと……。こちらの外出着にお着替え下さい」
そうして私はクラリスに淡いグリーンのドレスに着替えさせられた。それから髪を結われて軽くメイクもされる。
「これでよし……」
クラリスの顔に笑みが浮かぶ。ごめんね、なんか気苦労をかけてしまって。そういえばあの戦場からこの王城に入ってから初めての外出だ。
「そろそろお時間でございます」
私は辞典と用意して貰ったカバンを手にして外には馬車が停まっていた。その前に立っていたニコラスがこちらを見つけて会釈した。
「休日にお手を煩わせて申し訳ありません」
「いいのよ、街も見て見たかったし!」
小さくなっているニコラスに私はそう言って馬車に乗り込む。ニコラスの実家に向かう道すがら、私は彼に確認した。
「お父様は治療を拒否しているのよね」
「ええ。どうしてかたくなに嫌がるのかこちらも見当がつかなくて……」
「そう……」
また苦い薬を飲むのが嫌だから、とかじゃないわよね。……とにかく直接あってみない事にはよく分からないわ。
「着きました。こちらです」
ニコラスの実家は立派な屋敷だった。この家を出てわざわざニコラスは騎士団寮で集団生活をしているのね。
「二階が父の寝室です」
「では早速行きましょう」
私達は階段を上がって、重厚な扉の前に立った。ニコラスがその扉をノックする。
「お父様、ニコラスです」
「何しにきた! お前、騎士団はどうした!」
途端にイライラとした声がドアの向こうから飛んできた。
「外出許可を頂いてきました。お父様、今日は回復術師の方をつれてきたのです」
「治療は受けんと言っただろう!」
「ニコラス……ちょっといい?」
これはこのままでは埒があかない。そう感じた私は閉じたドアをいきなり開けた。
「な、なんだお前は……」
籠もった空気、立ちこめるアルコールの匂い。窓とカーテンの閉め切られた薄暗い部屋のベッドに壮年の男性がいた。彼がウィルソン中隊長か。
「王城の方から参りました回復術師です。お加減を見に来ました」
この言い方だと王宮お抱えみたいだけど。まあ、嘘じゃない嘘じゃない。とりあえず空気を入れ換えよう。私は不機嫌に黙り込んだニコラスの父の前を素通りしてカーテンと窓を開いた。
「やめろ……」
顔を歪めて日の光を避ける彼の目の下には濃いクマが浮かんでいた。
「お父様、こんなに痩せてまだ午前中なのに酒など……」
後から部屋に入ってきたニコラスはサッと父の枕元の酒を取り上げた。
「余計な事をするな! ……うっ」
ニコラスを引き戻そうと体を起こしたウィルソンさんは痛みに顔をしかめた。確か足を怪我したのよね。
「空気の入れ換え完了。さてちょっとお話しましょう」
「話す事などない」
彼は私を睨み付けている。うーん……ちょっとリラックスして貰おうかしら。私はカバンに入れていた硝子のキャンディーポットを取り出した。それをサイドテーブルに置いて蓋を取る。やがて甘く穏やかな香りが漂いはじめる。
「それは……?」
少し心配そうにニコラスが聞いてくる。
「ポプリよ、ニコラス。お部屋の芳香剤」
ドライのローズの花びらにイランイランの精油を振った。ローズは憂鬱な気分を晴らして気分を落ち着かせてくれる。イランイランは興奮を抑え、抑鬱効果がある。私が朝からローズのお風呂に入ってきたのもこの為だ。
「さあ、お話を聞かせてください」
「……」
私のハーブの効果はまさに魔法のような効き目を現してきた。だとしたらこれできっと気持ちの面では落ち着いて話が出来るようになったはず。
「どうして治療を拒んでいるのですか?」
「……私には必要ないからだ」
「必要ない……?」
「足が良くなっても、私は戦えない……」
「どうしてそう思うんです」
ウィルソンさんは俯いた。鍛え抜いた体はまだまだ若々しい。そりゃ若い頃に比べれば動きは衰える事もあるだろうが、そこまで悲観する事だろうか。
「馬が……」
ぽつり、とウィルソンさんは口を開いた。その事に自分でも驚いたのか口に手をやってまた黙ってしまった。……これもハーブの効果なのかしら。
「……ニコラス、悪いけどお父様と二人きりにしてもらっていいかしら」
息子には聞かれたくないのかもしれない。そう思った私はニコラスを退室させた。
「さあ、聞いているのは私だけです。話すだけでもきっと楽になりますよ」
私もそうだった。両親をいっぺんに亡くしたショックをちょっとずつ友人に話せるようになってから気持ちが随分楽になったのだ。
「……出向いた遠征であった魔物の攻撃で馬が錯乱状態になったのだ。それで落馬をして足を折った。足自体はもう痛みが残っているだけだ……だが、それ以来馬が怖くなってしまって……。そんな馬にも乗れない男を騎士とは呼べないだろう」
「そうですか……」
ウィルソンさんはため息をついた。
「普通の錯乱状態ではなかった。魔物に頭を半分囓られて……乗っ取られたのだろう。走りながらこちらを噛みつこうとしてくる。だから私は愛馬の首を切り落とすしかなかった……。それ以来悪夢ばかり見て眠れんのだ」
「分かりました。薬を用意します」
「薬はいくつか試した。無駄だ」
「私のハーブは一味違います。なーんと、私の薬を飲んだ邪竜の毒を食らった兵士はその次の瞬間から戦線に復帰したんですよ。無駄でも試してみましょう」
「邪竜の毒を……」
ウィルソンさんの目に光が点ったような気がした。大丈夫だ。この人は治りたいって思ってる。
「では薬を調合してきますから待ってて下さいね」
私はそう言い残して、部屋を出た。途端に近くに待機していたニコラスが駆け寄ってくる。
「父は……父は大丈夫でしょうか……!」
「うん。きっと私が癒してみせるわ」
必死な顔のニコラスに私はそう答えた。
「うーん……幸せ~」
でもいつも通り目覚めてしまった私は朝風呂に入っていた。しかも、ローズのバスジェルを入れた泡風呂だ。窓から降り注ぐ朝日を浴びながら、豊かで優雅で甘い香りに包まれてまるで女優になった気分。
「ふうー!」
上機嫌でシャボン玉を飛ばしていると、クラリスの声が聞こえた。
「真白様~、どこです~?」
「お風呂にいるわ、今出ます!」
泡を洗い流して、私はさっとガウンを羽織った。
「着替えるからちょっと待っててね」
私がいつものワンピースに手を伸ばすと、クラリスはその手をガッと掴んだ。
「今日のご予定は、療養中の騎士団のウィルソン中隊長のお宅へのご訪問と聞いております」
「そうだけど……」
「その服で人様のお宅に伺うのはちょっと……。こちらの外出着にお着替え下さい」
そうして私はクラリスに淡いグリーンのドレスに着替えさせられた。それから髪を結われて軽くメイクもされる。
「これでよし……」
クラリスの顔に笑みが浮かぶ。ごめんね、なんか気苦労をかけてしまって。そういえばあの戦場からこの王城に入ってから初めての外出だ。
「そろそろお時間でございます」
私は辞典と用意して貰ったカバンを手にして外には馬車が停まっていた。その前に立っていたニコラスがこちらを見つけて会釈した。
「休日にお手を煩わせて申し訳ありません」
「いいのよ、街も見て見たかったし!」
小さくなっているニコラスに私はそう言って馬車に乗り込む。ニコラスの実家に向かう道すがら、私は彼に確認した。
「お父様は治療を拒否しているのよね」
「ええ。どうしてかたくなに嫌がるのかこちらも見当がつかなくて……」
「そう……」
また苦い薬を飲むのが嫌だから、とかじゃないわよね。……とにかく直接あってみない事にはよく分からないわ。
「着きました。こちらです」
ニコラスの実家は立派な屋敷だった。この家を出てわざわざニコラスは騎士団寮で集団生活をしているのね。
「二階が父の寝室です」
「では早速行きましょう」
私達は階段を上がって、重厚な扉の前に立った。ニコラスがその扉をノックする。
「お父様、ニコラスです」
「何しにきた! お前、騎士団はどうした!」
途端にイライラとした声がドアの向こうから飛んできた。
「外出許可を頂いてきました。お父様、今日は回復術師の方をつれてきたのです」
「治療は受けんと言っただろう!」
「ニコラス……ちょっといい?」
これはこのままでは埒があかない。そう感じた私は閉じたドアをいきなり開けた。
「な、なんだお前は……」
籠もった空気、立ちこめるアルコールの匂い。窓とカーテンの閉め切られた薄暗い部屋のベッドに壮年の男性がいた。彼がウィルソン中隊長か。
「王城の方から参りました回復術師です。お加減を見に来ました」
この言い方だと王宮お抱えみたいだけど。まあ、嘘じゃない嘘じゃない。とりあえず空気を入れ換えよう。私は不機嫌に黙り込んだニコラスの父の前を素通りしてカーテンと窓を開いた。
「やめろ……」
顔を歪めて日の光を避ける彼の目の下には濃いクマが浮かんでいた。
「お父様、こんなに痩せてまだ午前中なのに酒など……」
後から部屋に入ってきたニコラスはサッと父の枕元の酒を取り上げた。
「余計な事をするな! ……うっ」
ニコラスを引き戻そうと体を起こしたウィルソンさんは痛みに顔をしかめた。確か足を怪我したのよね。
「空気の入れ換え完了。さてちょっとお話しましょう」
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彼は私を睨み付けている。うーん……ちょっとリラックスして貰おうかしら。私はカバンに入れていた硝子のキャンディーポットを取り出した。それをサイドテーブルに置いて蓋を取る。やがて甘く穏やかな香りが漂いはじめる。
「それは……?」
少し心配そうにニコラスが聞いてくる。
「ポプリよ、ニコラス。お部屋の芳香剤」
ドライのローズの花びらにイランイランの精油を振った。ローズは憂鬱な気分を晴らして気分を落ち着かせてくれる。イランイランは興奮を抑え、抑鬱効果がある。私が朝からローズのお風呂に入ってきたのもこの為だ。
「さあ、お話を聞かせてください」
「……」
私のハーブの効果はまさに魔法のような効き目を現してきた。だとしたらこれできっと気持ちの面では落ち着いて話が出来るようになったはず。
「どうして治療を拒んでいるのですか?」
「……私には必要ないからだ」
「必要ない……?」
「足が良くなっても、私は戦えない……」
「どうしてそう思うんです」
ウィルソンさんは俯いた。鍛え抜いた体はまだまだ若々しい。そりゃ若い頃に比べれば動きは衰える事もあるだろうが、そこまで悲観する事だろうか。
「馬が……」
ぽつり、とウィルソンさんは口を開いた。その事に自分でも驚いたのか口に手をやってまた黙ってしまった。……これもハーブの効果なのかしら。
「……ニコラス、悪いけどお父様と二人きりにしてもらっていいかしら」
息子には聞かれたくないのかもしれない。そう思った私はニコラスを退室させた。
「さあ、聞いているのは私だけです。話すだけでもきっと楽になりますよ」
私もそうだった。両親をいっぺんに亡くしたショックをちょっとずつ友人に話せるようになってから気持ちが随分楽になったのだ。
「……出向いた遠征であった魔物の攻撃で馬が錯乱状態になったのだ。それで落馬をして足を折った。足自体はもう痛みが残っているだけだ……だが、それ以来馬が怖くなってしまって……。そんな馬にも乗れない男を騎士とは呼べないだろう」
「そうですか……」
ウィルソンさんはため息をついた。
「普通の錯乱状態ではなかった。魔物に頭を半分囓られて……乗っ取られたのだろう。走りながらこちらを噛みつこうとしてくる。だから私は愛馬の首を切り落とすしかなかった……。それ以来悪夢ばかり見て眠れんのだ」
「分かりました。薬を用意します」
「薬はいくつか試した。無駄だ」
「私のハーブは一味違います。なーんと、私の薬を飲んだ邪竜の毒を食らった兵士はその次の瞬間から戦線に復帰したんですよ。無駄でも試してみましょう」
「邪竜の毒を……」
ウィルソンさんの目に光が点ったような気がした。大丈夫だ。この人は治りたいって思ってる。
「では薬を調合してきますから待ってて下さいね」
私はそう言い残して、部屋を出た。途端に近くに待機していたニコラスが駆け寄ってくる。
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