34 / 55
34話 悩める青年
しおりを挟む
そして今度はセドリックの布屋にお邪魔した。エリーからなにか伝言がないかを確かめる為だ。
「ああ、マイアさん。これを預かっていますよ」
セドリックはマイアの姿を見つけると、かわいらしい小花の封筒を差し出した。マイアが中をあけるとこれまた可愛いカードが出てくる。
『マイア、これを読んだらマダム・リグレの工房にきて頂戴』
エリーだ。なにか情報を掴んだのだろうか。マイアはセドリックに場所を聞いてその工房へと向かった。
「エリー」
「ああ、マイア。ちょっと休憩をもらってきたわ」
「なにか分かったのかしら」
「ええ……みんな高級チョコレートを食べて口が滑らかになったのよ」
「あ……」
エリーは何も自分が食べたいばっかりでチョコレートをねだった訳ではなかったようだ。仲間達にお裾分けしてトレヴァーのことを聞いてくれたらしい。
「で、噂のトレヴァーさんなのだけど……なんとハンサムなのに身持ちが固いのですって」
「う、うん……」
「綺麗な人妻や積極的なお嬢さんのお誘いにもまったくなびかないとか……なんでも思い人がいるんじゃないかって話よ」
「思い人?」
マイアはどきりとした。トレヴァーの思い人、とは誰なのだろうか。
「その人は誰?」
「それが分からないのよ。もしかしたら振られた女が言いふらしているだけかもしれないかもね」
「そっかぁ……」
「あ、あともう一つ。彼は毎週木曜日に本屋に来て気に入った本があると、ほらあの私と一緒に行った喫茶店でその本を読むそうよ」
なるほど。これ以上は直接彼と接触するしかないって事かしら、とマイアは思った。木曜日は明日。彼の足取りを探ってみよう。マイアはそう決意するとエリーにお礼を行って帰宅した。
「あ、あ、あー!」
「はい。いいですよ。そろそろ試しに伴奏に合わせて歌ってみましょうか」
「はい」
本日も、ベンジャミンのピアノに合わせてマイアは歌っている。基本の発声を一通り終えるとベンジャミンは歌ってみろと言ってきた。
「さん、はい」
「静けき湖、柳の影にー。あなたを探してさまようー」
「……もうちょっと情感をこめましょうか、『静けき湖~、柳の~影に~』っと。もう一回!」
レッスンが進んでくると、ベンジャミンの力も入ってくる。マイアはなんとかそれに追いつきながら歌を歌った。
「あー……声がガラガラしてる……」
やっとレッスンを終えたマイアはまず本屋に言ってきた。エリーから聞いた彼の特徴は濃い茶色の髪を長めにしていて青い眼、近頃首都で大流行の縞のベストを仕立てたばかりだから多分それを身につけているとのことだった。
「彼かしら……」
マイアが本棚の間から見つけたのはエリーの証言通りの二十歳半ばの男性だった。確かに甘いマスクをしている。若いお嬢さんがたが騒ぎ出しそうである。
「むむ……?」
マイアは彼の立っている売り場を見て唸った。それは魔術の本の置き場だったからだ。
「あの……その本より、こちらの本のほうが分かりやすいですよ」
マイアは思わず声をかけていた。トレヴァーはちょっとびっくりした顔でこちらを見ている。
「あ……どうも……」
「す、すみません。私は『ランブレイユの森のマイア』です」
「という事は魔術師さんですか」
「はい。駆け出しですが」
「そうですか……私はトレヴァー・レミントンと言います」
丁寧に挨拶されたマイアはトレヴァーに頭を下げた。
「魔術に興味が?」
「あ……はい。実は少しだけ魔力があるんです。ただ、家は官僚の家なので……本を読んで出来る事をしているんですよ」
「まあ、独学だと大変でしょう」
「ええ……でも趣味のようなものですから」
トレヴァーは少し恥ずかしそうに頭を掻いた。その笑顔はくったくがなくて、マイアは好感を持った。そして思い切ってこう切り出してみた。
「良かったら少しお茶でもしませんか?」
「え……と……」
「魔術で伸び悩んでいる所をアドバイスできるかもしれません」
「ああ、いいんですか……?」
トレヴァーはちょっと戸惑ったが、マイアがそう付け加えると驚きながら快諾してくれた。マイアはお薦めの魔術教本をいくつかトレヴァーに教えた。
そしてトレヴァー行きつけの喫茶店に行く。この間のエリーがハンサムだと言っていた店員が出てきてふたりは席に通された。
「どうして趣味で魔術を……?」
マイアは単純な好奇心でトレヴァーに聞いた。
「私は法律を専門に学び、数学も好きなのですがその二つに通じる部分があると思いまして。専門にするのには私の魔力が弱すぎて無理でしたが」
「そうですか。私もあまり魔力は強い方ではありません。基本の魔術の他は魔法陣を使う事が多いです。先人の智恵ですね」
「ほう……」
「いいですよ。魔法陣。数学が好きなら向いていると思います」
マイアは目的も忘れて、トレヴァーとただただ単純に楽しく魔術談義を交わした。
「トレヴァーさんは魔術でしたいこととかあるんですか?」
「うーん……中途半端ですからなかなか……今の所役に立っているのは小さな怪我をすぐ治せるくらいで。でも……できれば……」
トレヴァーはそこまで言うとみるみる顔を赤くさせた。
「トレヴァーさん……?」
「あ、や……その……できればプロポーズをしたい女性がいるのですが……魔術で一生忘れられないプロポーズにしたいな……と……」
「へぇ!」
マイアは今のはちょっとわざとらしい驚き方だったかな、と思いつつ目を見開いてびっくりした顔をした。
「その方はいつも沢山の殿方に囲まれているのです。一歩差をつけるにはこんな事くらいしか思いつかなくて」
お針子達からの噂ではお婿さんに最適なハンサムとして評判のトレヴァーも本人からしたら腰が引けてしまうこともあるようだ。
「そんな……トレヴァーさんは立派な男性だと思いますけど……どなたなんですか、そのプロポーズしたい人というのは……」
「ティオール銀行の頭取のお嬢さんで、アビゲイルさんという方です」
「……は?」
「とても理知的で素敵な方なんです。……でも資産家の一人娘だから財産目当てだと思われそうで……」
「はあ……」
なんという事だろう。気は強いが頭のいい金持ち娘のアビゲイルと、家柄が良くハンサムで気さくなトレヴァー。お互いに好意を持ちながら言葉にせずにもんもんとしているなんて。
「そんな魔術なんて使わなくても……」
「いえ、でも断られたら……」
トレヴァーはまだ勇気が出ないようだった。まあ、お互いの気持ちを知っているのはマイアだけなので、それが滑稽にみえるのも彼女だけなのだ。
「分かりました。トレヴァーさん。私と魔道具作りをしてみませんか?」
「魔道具……?」
「はい、私は魔道具師として今、生計を立てています。魔道具なら少ない魔力で動かせますし、後に形も残ります。彼女の心をゲットする為に素敵な一品を作りましょう!」
マイアはそういうと、戸惑いの表情をまだ浮かべているトレヴァーに向かってにっこりととっておきの微笑みを浮かべた。
「ああ、マイアさん。これを預かっていますよ」
セドリックはマイアの姿を見つけると、かわいらしい小花の封筒を差し出した。マイアが中をあけるとこれまた可愛いカードが出てくる。
『マイア、これを読んだらマダム・リグレの工房にきて頂戴』
エリーだ。なにか情報を掴んだのだろうか。マイアはセドリックに場所を聞いてその工房へと向かった。
「エリー」
「ああ、マイア。ちょっと休憩をもらってきたわ」
「なにか分かったのかしら」
「ええ……みんな高級チョコレートを食べて口が滑らかになったのよ」
「あ……」
エリーは何も自分が食べたいばっかりでチョコレートをねだった訳ではなかったようだ。仲間達にお裾分けしてトレヴァーのことを聞いてくれたらしい。
「で、噂のトレヴァーさんなのだけど……なんとハンサムなのに身持ちが固いのですって」
「う、うん……」
「綺麗な人妻や積極的なお嬢さんのお誘いにもまったくなびかないとか……なんでも思い人がいるんじゃないかって話よ」
「思い人?」
マイアはどきりとした。トレヴァーの思い人、とは誰なのだろうか。
「その人は誰?」
「それが分からないのよ。もしかしたら振られた女が言いふらしているだけかもしれないかもね」
「そっかぁ……」
「あ、あともう一つ。彼は毎週木曜日に本屋に来て気に入った本があると、ほらあの私と一緒に行った喫茶店でその本を読むそうよ」
なるほど。これ以上は直接彼と接触するしかないって事かしら、とマイアは思った。木曜日は明日。彼の足取りを探ってみよう。マイアはそう決意するとエリーにお礼を行って帰宅した。
「あ、あ、あー!」
「はい。いいですよ。そろそろ試しに伴奏に合わせて歌ってみましょうか」
「はい」
本日も、ベンジャミンのピアノに合わせてマイアは歌っている。基本の発声を一通り終えるとベンジャミンは歌ってみろと言ってきた。
「さん、はい」
「静けき湖、柳の影にー。あなたを探してさまようー」
「……もうちょっと情感をこめましょうか、『静けき湖~、柳の~影に~』っと。もう一回!」
レッスンが進んでくると、ベンジャミンの力も入ってくる。マイアはなんとかそれに追いつきながら歌を歌った。
「あー……声がガラガラしてる……」
やっとレッスンを終えたマイアはまず本屋に言ってきた。エリーから聞いた彼の特徴は濃い茶色の髪を長めにしていて青い眼、近頃首都で大流行の縞のベストを仕立てたばかりだから多分それを身につけているとのことだった。
「彼かしら……」
マイアが本棚の間から見つけたのはエリーの証言通りの二十歳半ばの男性だった。確かに甘いマスクをしている。若いお嬢さんがたが騒ぎ出しそうである。
「むむ……?」
マイアは彼の立っている売り場を見て唸った。それは魔術の本の置き場だったからだ。
「あの……その本より、こちらの本のほうが分かりやすいですよ」
マイアは思わず声をかけていた。トレヴァーはちょっとびっくりした顔でこちらを見ている。
「あ……どうも……」
「す、すみません。私は『ランブレイユの森のマイア』です」
「という事は魔術師さんですか」
「はい。駆け出しですが」
「そうですか……私はトレヴァー・レミントンと言います」
丁寧に挨拶されたマイアはトレヴァーに頭を下げた。
「魔術に興味が?」
「あ……はい。実は少しだけ魔力があるんです。ただ、家は官僚の家なので……本を読んで出来る事をしているんですよ」
「まあ、独学だと大変でしょう」
「ええ……でも趣味のようなものですから」
トレヴァーは少し恥ずかしそうに頭を掻いた。その笑顔はくったくがなくて、マイアは好感を持った。そして思い切ってこう切り出してみた。
「良かったら少しお茶でもしませんか?」
「え……と……」
「魔術で伸び悩んでいる所をアドバイスできるかもしれません」
「ああ、いいんですか……?」
トレヴァーはちょっと戸惑ったが、マイアがそう付け加えると驚きながら快諾してくれた。マイアはお薦めの魔術教本をいくつかトレヴァーに教えた。
そしてトレヴァー行きつけの喫茶店に行く。この間のエリーがハンサムだと言っていた店員が出てきてふたりは席に通された。
「どうして趣味で魔術を……?」
マイアは単純な好奇心でトレヴァーに聞いた。
「私は法律を専門に学び、数学も好きなのですがその二つに通じる部分があると思いまして。専門にするのには私の魔力が弱すぎて無理でしたが」
「そうですか。私もあまり魔力は強い方ではありません。基本の魔術の他は魔法陣を使う事が多いです。先人の智恵ですね」
「ほう……」
「いいですよ。魔法陣。数学が好きなら向いていると思います」
マイアは目的も忘れて、トレヴァーとただただ単純に楽しく魔術談義を交わした。
「トレヴァーさんは魔術でしたいこととかあるんですか?」
「うーん……中途半端ですからなかなか……今の所役に立っているのは小さな怪我をすぐ治せるくらいで。でも……できれば……」
トレヴァーはそこまで言うとみるみる顔を赤くさせた。
「トレヴァーさん……?」
「あ、や……その……できればプロポーズをしたい女性がいるのですが……魔術で一生忘れられないプロポーズにしたいな……と……」
「へぇ!」
マイアは今のはちょっとわざとらしい驚き方だったかな、と思いつつ目を見開いてびっくりした顔をした。
「その方はいつも沢山の殿方に囲まれているのです。一歩差をつけるにはこんな事くらいしか思いつかなくて」
お針子達からの噂ではお婿さんに最適なハンサムとして評判のトレヴァーも本人からしたら腰が引けてしまうこともあるようだ。
「そんな……トレヴァーさんは立派な男性だと思いますけど……どなたなんですか、そのプロポーズしたい人というのは……」
「ティオール銀行の頭取のお嬢さんで、アビゲイルさんという方です」
「……は?」
「とても理知的で素敵な方なんです。……でも資産家の一人娘だから財産目当てだと思われそうで……」
「はあ……」
なんという事だろう。気は強いが頭のいい金持ち娘のアビゲイルと、家柄が良くハンサムで気さくなトレヴァー。お互いに好意を持ちながら言葉にせずにもんもんとしているなんて。
「そんな魔術なんて使わなくても……」
「いえ、でも断られたら……」
トレヴァーはまだ勇気が出ないようだった。まあ、お互いの気持ちを知っているのはマイアだけなので、それが滑稽にみえるのも彼女だけなのだ。
「分かりました。トレヴァーさん。私と魔道具作りをしてみませんか?」
「魔道具……?」
「はい、私は魔道具師として今、生計を立てています。魔道具なら少ない魔力で動かせますし、後に形も残ります。彼女の心をゲットする為に素敵な一品を作りましょう!」
マイアはそういうと、戸惑いの表情をまだ浮かべているトレヴァーに向かってにっこりととっておきの微笑みを浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます
黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。
だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ!
捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……?
無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる