異世界ボランティア

mogami

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第十三話

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12月24日。

時刻は21時ジャスト。 

俺とアヤベさんがつるんでいた頃、よく足を運んだバー。

そこに、俺たち3人はいた。



「俺の作戦に乗ってくれて、嬉しいす。 アヤベさん」



 俺は、コメディーショーが終わった後、アヤベさんに土下座して頼み込んだ。

スーパーで売ってたクソみてーなメモ帳とボールペンを使って、必死に俺の作戦を説明。

最初は、テロでもやんのか? とか言われちまったが、どうにか説得に成功した。



「俺はコメディアンだ。 客を喜ばせるには嫌いじゃない。 それに、お前の話が正しいなら早いとこ手を打たないとな」



 いばらの賢者から飛び出して来たクソガキ。

あいつを何とかしねーと、街がめちゃくちゃになる。



「私も、喜んで協力します」



 アヤベさんは、作戦決行にあたり、もう一人転生者を呼んでいた。

それがこのヒカリちゃん。

黒髪で、メガネ。

アヤベさんの知人っつー話だが、結構かわいい。

光を屈折させるスキルの持ち主で、光を集めて懐中電灯みたいにしたり、他人に錯覚を見せることができるとのことだ。



「ところで、もう準備できてんすよね?」



 アヤベさんが、コク、と頷く。



「2万メニーで街の上空を遊覧飛行するツアーがある。 それを使えば、俺のスキルで街にチョコレートの雨を降らすことができる」



 俺の思い付いた作戦。

名付けて、今夜の天気はチョコレート大作戦、だ。

根拠はねえが、この街にいる奴らは、とにかくチョコレートが好きだ。

つか、チョコレートが嫌いな人間なんて、見たことがねえ。

そこで思い付いたのが、この作戦。

この街の地下からは、常に蒸気が立ち上っていて、曇っている。

理由は、この街の暖房システムに蒸気を使っていて、地下に配管が張り巡らされている。

そいつが劣化して地下から蒸気が立ち上っているらしいが、それのせいでこの街は常に曇りがちだ。

蒸気ってのは水を含んでるから、気温の低い上空に行きゃ、必然的に雨になって降りそそぐ。

雨が多いのがこの地区の特徴だが、アヤベさんのスキルを使えば、そいつをチョコレートに変化させることができるって訳だ。



「でも、チョコレートなんて降らせたら、凶器ですよね?」



「別に、板チョコをそのまま振らせるつもりはねーよ。 木の葉みたいな形にしたら、少しはマシだろ?」



「それなら、カエデの種子がいいと思います。 カエデの種子は天然のプロペラで、回転しながらゆっくり地面に落ちるんです。 多少重量があっても、これなら平気です」



「プロペラか。 そりゃいいな」



 後は、ヒカリちゃんがそれらのチョコレートそれぞれに光を集めて、LED見たいに明滅させたら完成だ。

空に、巨大なクリスマスツリーが出現したみたいに錯覚するだろう。



「で、お前はその間、どーすんだよ」



「俺は、 クソガキを足止めします」



 アヤベさんらが動いてる間、作戦をジャマされないようにしなきゃらなねえ。

そこで、俺の出番だ。



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