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第三話
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ドゴオオオオン。
でかい音と共に、屋根を突き破って人が落ちてきた。
ここは牧場で、牛や羊、かわいい豚とかもいる。
ディックはポールを掴んでグライドしながら、その動物たちを飼っている小屋に落ちたのだった。
モー、モーと牛の鳴き声がする。
「う、ぐ……」
何とか藁が敷き詰めてあるカゴの上に落ちることに成功したが、相当な衝撃には変わりない。
俺は口の中に入った藁を吐き捨てて、起き上がった。
「大丈夫かディック!ケツがどうなったか見てやろうか?」
ポールが飛び回る。
「うるせえ、早いとこミスリルを回収するぞ」
それにしても、ここはすげえ匂いだ。
うん○としょんべ○を混ぜ合わせたような匂いだぜ。
俺は小屋から出て、空を仰いだ。
ついさっきまで乗っていた飛行船が地上からも見える。
「よくあそこから落ちて助かったな」
飛行船は頭上のはるか先である。
飛行船の進路を逆にたどれば、恐らくどこかにミスリルがあるはずだ。
「ポール、こっからは2手に別れるとするか。お前はセントラルに戻って応援を呼んでこい。ミスリルを運ぶための足がいる」
「こっからかよっ!どうせ飛行船の行き先がセントラルならお前を海に突き落として乗って帰れば良かったじゃんかっ」
ぶつぶつ言いいながら飛んでいったポールとは逆の方向に、俺は歩き始めた。
眼前には金色に光る小麦が広がる。
ここら辺は農家が所有しているようだ。
他にもブドウ畑などが目に付いた。
10分ほど歩いただろうか。
注意深く周りを散策していると、クレーターを発見した。
明らかに何かが上から落ちてきたと思われる痕跡である。
俺はそのクレーターに近づいて、落ちてきたものを目視する。
「これだ」
箱の表面の文字を見て、それがミスリルであることを確認すると、俺はそれを担いだ。
やはり中々の重さである。
これを探しに持ち主がやって来る可能性があったため、こんな所に放置はできない。
一旦さっきの小屋に戻って、ミスリルを隠し、ポールを待つことにした。
俺はさっきの小屋の前に座り込んで、ポールを待っていた。
どれくらい経ったか。
周りはもう闇夜に飲まれてしまった。
だんだん肌寒くなり、俺は待ちきれなくなっていた。
すると、道の向こうからヘッドライトの光が見えた。
「やっと来たか……」
その車に乗っていたのは、同僚のアルブレットだった。
俺は隠してあったミスリルを藁の中から取り出し、担いで車の後ろに乗せた。
そして、そのまま助手席に乗り込んだ。
「ディック、どうだ?オレのひしょ……」
「うるせえ、モード・剣」
ポールがしゃべ切らない内に剣に変身させて、口をふさいだ。
これで静かだぜ。
車の中で、アルと今後の方針について話し合うことになった。
アルは、吸血鬼のターゲットが決まったという報告を俺にしてきた。
その吸血鬼は資産家で、飲料品を取り扱う会社を経営しているとのことだった。
最近になって一気に従業員の数を増やし、事業の拡大を図っているとのことだ。
「彼が一体どこからそんな資金を調達しているのか、ここがポイントよ」
アルはでかい図体に関わらず、女の子みたいなしゃべり方で話す。
ちなみに性別は男だ。
紛らわしいのでやめて欲しい。
「それだけ売り上げがいいってことじゃないのか?」
俺は率直な意見を述べた。
しかし、どうやら事情は違うらしい。
「噂では、密造酒をやってるみたいなのよね」
現在、この国では人体に悪影響がある、という学者の見解から「アルコールを含み、酔いをもたらす酒の販売の禁止」という法律が定められている。
警察の手に入れた密造酒が売られているという噂、加えて会社の規模に見合わない過剰な人材投入の矛盾点から、この会社が密造酒を作っているという線で捜査をしているらしい。
「どうせ始末するのに、そんなことをいちいち知らべる意味があるのか?」
「これは彼を始末するための大義名分よ。あくまで世論で吸血鬼の存在が認められている以上、理由もなしに殺しをやってバレたら、警察へのバッシングは免れないわ。それに、会社がつぶれて路頭に迷うものもいるからね」
「要するに、法律を犯したという理由があるから、そいつを始末できるってことか。で、尻尾は掴めたのか?」
「……」
しかし、どうやら相手は中々に賢いらしく、全く尻尾を掴めないとのことだった。アルも何度か飲み場(かつての酒場)に潜り込んで、捜査をしたらしいが誰も口を割らなかったとのことだ。
アルの推測では、公の場には出回っておらず、完全に身元が割れていて、売っても心配のない客にのみ、大量に酒を売っているのでは?ということだ。
確かに、店の中で隠れて売っていれば酔っぱらった客がいるだろうし、すぐにバレる。
今は情報に懸賞金をかけて、リークがあるのを待っている状況だ、とアルは言った。
気付けば車はセントラルの舗装された道を走っていた。
俺はアルにミスリルを預け、朝までやってる行きつけの飲み場で、一杯だけ飲んで帰ると言って車を降りた。
飲むと言っても、酒が禁止されている以上、大したものはないが……
でかい音と共に、屋根を突き破って人が落ちてきた。
ここは牧場で、牛や羊、かわいい豚とかもいる。
ディックはポールを掴んでグライドしながら、その動物たちを飼っている小屋に落ちたのだった。
モー、モーと牛の鳴き声がする。
「う、ぐ……」
何とか藁が敷き詰めてあるカゴの上に落ちることに成功したが、相当な衝撃には変わりない。
俺は口の中に入った藁を吐き捨てて、起き上がった。
「大丈夫かディック!ケツがどうなったか見てやろうか?」
ポールが飛び回る。
「うるせえ、早いとこミスリルを回収するぞ」
それにしても、ここはすげえ匂いだ。
うん○としょんべ○を混ぜ合わせたような匂いだぜ。
俺は小屋から出て、空を仰いだ。
ついさっきまで乗っていた飛行船が地上からも見える。
「よくあそこから落ちて助かったな」
飛行船は頭上のはるか先である。
飛行船の進路を逆にたどれば、恐らくどこかにミスリルがあるはずだ。
「ポール、こっからは2手に別れるとするか。お前はセントラルに戻って応援を呼んでこい。ミスリルを運ぶための足がいる」
「こっからかよっ!どうせ飛行船の行き先がセントラルならお前を海に突き落として乗って帰れば良かったじゃんかっ」
ぶつぶつ言いいながら飛んでいったポールとは逆の方向に、俺は歩き始めた。
眼前には金色に光る小麦が広がる。
ここら辺は農家が所有しているようだ。
他にもブドウ畑などが目に付いた。
10分ほど歩いただろうか。
注意深く周りを散策していると、クレーターを発見した。
明らかに何かが上から落ちてきたと思われる痕跡である。
俺はそのクレーターに近づいて、落ちてきたものを目視する。
「これだ」
箱の表面の文字を見て、それがミスリルであることを確認すると、俺はそれを担いだ。
やはり中々の重さである。
これを探しに持ち主がやって来る可能性があったため、こんな所に放置はできない。
一旦さっきの小屋に戻って、ミスリルを隠し、ポールを待つことにした。
俺はさっきの小屋の前に座り込んで、ポールを待っていた。
どれくらい経ったか。
周りはもう闇夜に飲まれてしまった。
だんだん肌寒くなり、俺は待ちきれなくなっていた。
すると、道の向こうからヘッドライトの光が見えた。
「やっと来たか……」
その車に乗っていたのは、同僚のアルブレットだった。
俺は隠してあったミスリルを藁の中から取り出し、担いで車の後ろに乗せた。
そして、そのまま助手席に乗り込んだ。
「ディック、どうだ?オレのひしょ……」
「うるせえ、モード・剣」
ポールがしゃべ切らない内に剣に変身させて、口をふさいだ。
これで静かだぜ。
車の中で、アルと今後の方針について話し合うことになった。
アルは、吸血鬼のターゲットが決まったという報告を俺にしてきた。
その吸血鬼は資産家で、飲料品を取り扱う会社を経営しているとのことだった。
最近になって一気に従業員の数を増やし、事業の拡大を図っているとのことだ。
「彼が一体どこからそんな資金を調達しているのか、ここがポイントよ」
アルはでかい図体に関わらず、女の子みたいなしゃべり方で話す。
ちなみに性別は男だ。
紛らわしいのでやめて欲しい。
「それだけ売り上げがいいってことじゃないのか?」
俺は率直な意見を述べた。
しかし、どうやら事情は違うらしい。
「噂では、密造酒をやってるみたいなのよね」
現在、この国では人体に悪影響がある、という学者の見解から「アルコールを含み、酔いをもたらす酒の販売の禁止」という法律が定められている。
警察の手に入れた密造酒が売られているという噂、加えて会社の規模に見合わない過剰な人材投入の矛盾点から、この会社が密造酒を作っているという線で捜査をしているらしい。
「どうせ始末するのに、そんなことをいちいち知らべる意味があるのか?」
「これは彼を始末するための大義名分よ。あくまで世論で吸血鬼の存在が認められている以上、理由もなしに殺しをやってバレたら、警察へのバッシングは免れないわ。それに、会社がつぶれて路頭に迷うものもいるからね」
「要するに、法律を犯したという理由があるから、そいつを始末できるってことか。で、尻尾は掴めたのか?」
「……」
しかし、どうやら相手は中々に賢いらしく、全く尻尾を掴めないとのことだった。アルも何度か飲み場(かつての酒場)に潜り込んで、捜査をしたらしいが誰も口を割らなかったとのことだ。
アルの推測では、公の場には出回っておらず、完全に身元が割れていて、売っても心配のない客にのみ、大量に酒を売っているのでは?ということだ。
確かに、店の中で隠れて売っていれば酔っぱらった客がいるだろうし、すぐにバレる。
今は情報に懸賞金をかけて、リークがあるのを待っている状況だ、とアルは言った。
気付けば車はセントラルの舗装された道を走っていた。
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