シェフが私のことを好きになる確率

hayama_25

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第5話

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「莉乃、そろそろ起きろ」

ぼんやりとした意識の中で、誰かの声が聞こえた。目を開けると、

そこには…

「んん、、うえぇぇ、なんで、シェフが…!」

シェフが立っていた。

驚きと混乱で声が裏返ってしまった。

シェフは苦笑しながら答えた。

「すごい声」

シェフがいるってことは、ここはシェフの家…?
いや、何で!?

思い出そうとすると、頭が痛くなる。

「すみません、えっと、どうして私はシェフの家にいるんでしょうか、」

昨夜の記憶がぼんやりと蘇る。

お酒を嗜んで、調子に乗って沢山飲んでたら酔っちゃって、寝ちゃって…

そして、目が覚めたらここにいた。

「昨日莉乃が寝て、どれだけ起こそうとしても起きなくて。誰もお前の家がどこにあるか知らなかったから連れて来た」

「本っ当に、すみません!」

顔が真っ赤になるのを感じながら、深く頭を下げた。

またまた迷惑をかけてしまった。

「別にいい。それより、朝ごはん作ったから冷めないうちに食べて」

シェフの声は優しかったが、その言葉に驚きが隠せなかった。

「朝ごはんまで用意させてしまって、すみません、」

申し訳なくて、頭が上がらない。

「いいって。一人分も二人分も変わらないから」
「すみません、、ではお言葉に甘えて、いただきます」

やっぱりシェフの腕はすごい。
こんな美味しい朝ごはん初めてだ。

「…実は、お前に話があるんだ」
「何ですか?」

いつにも増して真剣な顔。

そんなシェフの顔も好き…

なんて言ってる場合じゃないんだけど。

「そろそろキッチンに立ってみないか?」

その言葉に心臓が跳ね上がる。

それってつまり、
「私が料理を…?」

「あぁ」
シェフの返事は簡潔だったけど、その目は真剣だった。

「えっ、でも…まだ無理です。シェフの店で料理を作れるような技術なんて、まだ私にはありません」

そう言って貰えて嬉しい。

だけど、不安と戸惑いが胸に広がる。

「莉乃はきっとうまくできる」

「でも、どうして…」

なぜ私にそんなことを?

「残って練習してたところを何度も見てきたが、莉乃にはその素質がある」

シェフの言葉には、経験からくる確信が感じられた。

練習してたところ見られてたんだ。
私に関心なんてないと思っていたのに、

ちゃんと、評価して認めてくれてる。

「ですが…」

「直ぐにとは言わない。月曜日の夜、少しだけ時間を取って、一から教えてやるよ。だから、そんな心配すんな」

シェフの真剣な眼差しに心を動かされる。

「分かりました。お願いします、シェフ」



心の中で決意が固まった。
シェフの信頼に応えたい、その一心だった。
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