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第22話
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"疲れた"
これが、今の私の素直な気持ちだ。
泣きすぎて、頭に酸素が回らなくなったのか、少しフラついてしまった。
そんな私を見て、遥希くんは何も言わずに肩に手を置き、支えてくれた。
「ごめん。心桜がそんなに辛い思いをしてたなんて、知らなかった」
頭がうまく回らない。
いま、知らなかったって言った?
「知らなかった…?知らないふりをしてただけじゃなくて?」
幼馴染だろうがなんだろうが、他の女の人とイチャイチャして、辛くないわけがない。
「心桜ちゃん。ごめんね、私のせいで。喧嘩になったのも私のせいなんだよね…」
咲紀先輩が申し訳なさそうに言った。
その顔、ずるい。
そんな顔されたら、何も言えなくなる。
「咲紀は悪くないよ。心桜の気持ちに気づいてあげられなかった俺が悪いんだ」
はぁ。
何この茶番。
私は目の前で何を見せられてるんだ。
この二人は、どれだけ私のことを惨めにすれば気が済むのだろう。
「嫌なことは全部言って欲しい。これからは、ちゃんと直すから。心桜の気持ちを最優先にしたい」
一瞬だけ、期待してしまいそうになった。
直す…?
最優先…?
柊先輩にはきっと無理だ。
一瞬だけ目を閉じて、深呼吸をした。
「じゃあ、もう咲紀先輩に構わないで欲しい」
本当はそんなこと思ってない。
私の存在を忘れないで欲しい。
それだけで充分だった。
だけど、これで分かるだろう。
私の気持ちを優先することなんて出来ないんだって。
「心桜、それは…」
と柊先輩が何か言いかけたけど、
「…もういいよ、」
私は、先輩の言葉を遮った。
何を言おうとしたのか、大体わかるから。
「できる限りの努力はするから。心桜の気持ちを理解したいんだ」
柊先輩は、誰よりも私の気持ちを理解出来ていなかった。
「無理だよ。私の気持ちを理解してくれるのは遥希くんだけだったからっ…!」
欲しい言葉をくれたのは、全部遥希くんだった。
「心桜っ、」
もう、これ以上話をしたって無駄なのに。
私が、二人を見ても何も思わないようになれるまで待ってもらうしかない。
もう、体力的にも限界だった。
「俺が傍にいるので大丈夫ですよ。彼氏さんは幼馴染さんを家まで送ってあげてください。…暗いですしね」
今まで黙って聞いていた遥希くんが割って入ってきた。
「でも、」
「ほんと、自分のことしか見えてないんですね」
そう言うと、支えてくれていた手に力が入った。
「え?」
「心桜ちゃんは、あなたのせいで泣いてるんですよ。それで、フラついて、もう立ってるのも限界なんです」
柊先輩は私を見て、ハッとした様な顔をした。
「それなのに、努力したいとか理解したいとか。自分の気持ちばっかり押し付けて、それってほんとに心桜ちゃんの為なんですか?」
まるで、私の気持ちを代弁してくれているかのようだった。
「そうだけど、」
「違いますよね。理解しようとすることで少しでも罪悪感を無くすため…でしょ?自分が楽になりたいから」
その言葉に、柊先輩は何も言えず、ただ立ち尽くしていた。
「心桜ちゃん、もう行こう」
「うん、」
私は、涙をふいて遥希くんと共にその場を離れた。
これが、今の私の素直な気持ちだ。
泣きすぎて、頭に酸素が回らなくなったのか、少しフラついてしまった。
そんな私を見て、遥希くんは何も言わずに肩に手を置き、支えてくれた。
「ごめん。心桜がそんなに辛い思いをしてたなんて、知らなかった」
頭がうまく回らない。
いま、知らなかったって言った?
「知らなかった…?知らないふりをしてただけじゃなくて?」
幼馴染だろうがなんだろうが、他の女の人とイチャイチャして、辛くないわけがない。
「心桜ちゃん。ごめんね、私のせいで。喧嘩になったのも私のせいなんだよね…」
咲紀先輩が申し訳なさそうに言った。
その顔、ずるい。
そんな顔されたら、何も言えなくなる。
「咲紀は悪くないよ。心桜の気持ちに気づいてあげられなかった俺が悪いんだ」
はぁ。
何この茶番。
私は目の前で何を見せられてるんだ。
この二人は、どれだけ私のことを惨めにすれば気が済むのだろう。
「嫌なことは全部言って欲しい。これからは、ちゃんと直すから。心桜の気持ちを最優先にしたい」
一瞬だけ、期待してしまいそうになった。
直す…?
最優先…?
柊先輩にはきっと無理だ。
一瞬だけ目を閉じて、深呼吸をした。
「じゃあ、もう咲紀先輩に構わないで欲しい」
本当はそんなこと思ってない。
私の存在を忘れないで欲しい。
それだけで充分だった。
だけど、これで分かるだろう。
私の気持ちを優先することなんて出来ないんだって。
「心桜、それは…」
と柊先輩が何か言いかけたけど、
「…もういいよ、」
私は、先輩の言葉を遮った。
何を言おうとしたのか、大体わかるから。
「できる限りの努力はするから。心桜の気持ちを理解したいんだ」
柊先輩は、誰よりも私の気持ちを理解出来ていなかった。
「無理だよ。私の気持ちを理解してくれるのは遥希くんだけだったからっ…!」
欲しい言葉をくれたのは、全部遥希くんだった。
「心桜っ、」
もう、これ以上話をしたって無駄なのに。
私が、二人を見ても何も思わないようになれるまで待ってもらうしかない。
もう、体力的にも限界だった。
「俺が傍にいるので大丈夫ですよ。彼氏さんは幼馴染さんを家まで送ってあげてください。…暗いですしね」
今まで黙って聞いていた遥希くんが割って入ってきた。
「でも、」
「ほんと、自分のことしか見えてないんですね」
そう言うと、支えてくれていた手に力が入った。
「え?」
「心桜ちゃんは、あなたのせいで泣いてるんですよ。それで、フラついて、もう立ってるのも限界なんです」
柊先輩は私を見て、ハッとした様な顔をした。
「それなのに、努力したいとか理解したいとか。自分の気持ちばっかり押し付けて、それってほんとに心桜ちゃんの為なんですか?」
まるで、私の気持ちを代弁してくれているかのようだった。
「そうだけど、」
「違いますよね。理解しようとすることで少しでも罪悪感を無くすため…でしょ?自分が楽になりたいから」
その言葉に、柊先輩は何も言えず、ただ立ち尽くしていた。
「心桜ちゃん、もう行こう」
「うん、」
私は、涙をふいて遥希くんと共にその場を離れた。
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