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1章 壊れた心
32話 見えない
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『早く消えろよ』
次の日の朝、ようやく彼からメッセージが来た。無機質な画面に映る6文字。前にも言われたことがある。今まで目を逸らしてきた悪い夢が、いよいよ現実になろうとしている。
「私はもう……」
手の施しようがない。
いつも通りブレックファストを作り、テーブルの上に並べた。妹の拒絶があってから、妹のものだけ、母が昨日作ったものを再加熱している。仕方ないけれど、妹はおとなしくなった。私はスープを1杯だけ飲み、片付け、歯磨き、着替え、ヘアケア、メイクを済ませて準備を終えた。ほんの少しだけ時間を残している理由は、試験の勉強をするため。慌ただしい時間はあっという間に過ぎていく。意識が遠くなるほど忙しい。
『傷つけてごめんね』
『わかったよ』
『ごめんなさい』
『生きててごめんなさい』
『あなたの望む人になれなくてごめんなさい』
『ごめんなさい』
「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」
「ねえ、退いて」
ドアの近くで倒れていたからか、妹が睨みつけてきた。無理もない。これからJHSに行くところを邪魔されたら、たまったものじゃないから……。
「ごめんなさい」
下を向きながらよろよろと揺れる。おぼつかない足取り。朦朧とする意識。正常な判断はできなかった。
妹の両手が私の腹に伸びた。何かと思ったら強く押し倒される。私の背中はドアに当たり、後ろから倒れた。ドアが傾いて床にたたきつけられる。……落ちる。ドアにはガラスが埋め込まれていた。破片が飛び散り、それは凶器へと変貌を遂げた。
「……ああ……ああ」
次の日の朝、ようやく彼からメッセージが来た。無機質な画面に映る6文字。前にも言われたことがある。今まで目を逸らしてきた悪い夢が、いよいよ現実になろうとしている。
「私はもう……」
手の施しようがない。
いつも通りブレックファストを作り、テーブルの上に並べた。妹の拒絶があってから、妹のものだけ、母が昨日作ったものを再加熱している。仕方ないけれど、妹はおとなしくなった。私はスープを1杯だけ飲み、片付け、歯磨き、着替え、ヘアケア、メイクを済ませて準備を終えた。ほんの少しだけ時間を残している理由は、試験の勉強をするため。慌ただしい時間はあっという間に過ぎていく。意識が遠くなるほど忙しい。
『傷つけてごめんね』
『わかったよ』
『ごめんなさい』
『生きててごめんなさい』
『あなたの望む人になれなくてごめんなさい』
『ごめんなさい』
「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」
「ねえ、退いて」
ドアの近くで倒れていたからか、妹が睨みつけてきた。無理もない。これからJHSに行くところを邪魔されたら、たまったものじゃないから……。
「ごめんなさい」
下を向きながらよろよろと揺れる。おぼつかない足取り。朦朧とする意識。正常な判断はできなかった。
妹の両手が私の腹に伸びた。何かと思ったら強く押し倒される。私の背中はドアに当たり、後ろから倒れた。ドアが傾いて床にたたきつけられる。……落ちる。ドアにはガラスが埋め込まれていた。破片が飛び散り、それは凶器へと変貌を遂げた。
「……ああ……ああ」
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