「最強令嬢、ついに本気を出す!正体バレ!?偽りの令嬢、もう演じない

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第145章 初めてのSNS投稿

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第145章 初めてのSNS投稿

姜栩栩の態度が少し柔らいだのを感じ取ると、姜溯は遠慮なく一歩踏み込んだ。
「姐、昨日もうSNSのフォロワーが100万を超えたのに、投稿は番組のリポストだけってダメだよ!」
「何がダメなの?」姜栩栩が首をかしげる。
「写真をアップしなきゃ。ファンは甘やかされないとすぐ離れちゃうんだ。」

まるで経験者のように語る姜溯は、栩栩が本当にSNSに疎いのを見て“なんでこうなの”と頭を抱えた。
――この情商でエンタメ界に入ろうだなんて?

「じゃあ、スマホにある写真を何枚か選んで、簡単なコメントを付けて正式にファンへ挨拶しようよ。」
栩栩は面倒だと思いつつも、一理ある気がしてアルバムを開いた。

当然のように姜溯がのぞき込み、そして固まる。
アルバムはほぼすべてが古い符のスキャン画像。時々ある自分の写真もごく少数で、しかも撮り方が適当。

姜溯は頭がガンガンした。
この姉には若者らしい趣味が一切ないのか?
セルフィーも加工もゼロ。なんて貧しいアルバムだ。

しかし栩栩本人は問題に気付いていないようで、真剣に写真を選び続けている。
姜溯は慌てて止めた。
「姐! それなら俺が今、撮ってあげるよ。」

美肌フィルターと構図込みで。

栩栩は写真を撮るのが好きではない。
というより玄門の人々はあまり好まない。
写真はある意味で“器”となり、悪意ある者の手に渡れば命格が漏れる恐れがあるからだ。

だが、すでに番組に出演しネットにはあらゆる角度からの鮮明なスクショが出回っている。
今さら写真を出しても同じか――そう考え頷いた。
「どう撮るの?」

栩栩が素直に応じたのを見て、姜溯は目を輝かせ家中を見回す。
「ドレスに着替えて階段口に立って。広角で撮れば家の豪華なホールも写せる。背景だけで“すごい家”って分かるから!」

姜家の玄関ホールは豪奢で、ひと目で資産家だと分かる。
だがそこへ現れた執事の明叔が穏やかに口を挟んだ。
「少爷、ネットには金持ち叩きも多いです。最初の投稿にこれでは“自慢”と叩かれますよ。」

姜溯は一理あると感じ、ホール案を撤回。
花園での撮影を提案する明叔に、姜溯は「文芸っぽさは姉に似合わない」と即否定。

栩栩はじっと弟を見やる。
――私ってそんなに文芸から遠い?
気まずくなった姜溯は視線を逸らし、他の場所を検討。

二階の書棚一面の部屋、彼のフィギュア部屋、路雪溪のドールルーム、花房……選択肢が多すぎて逆に決められない。
栩栩には、ただのSNS写真が大げさな撮影会になっているようにしか見えない。

そのとき軽やかな足音。
待っていた小漂亮が階上から降りてくる。
栩栩が手を差し伸べると、小漂亮はすぐ腕の中へ。

その姿を見た姜溯の目が輝いた。
「草地で小漂亮を抱いて撮ろう!」
明叔も賛成し、栩栩は即決で了承。

外に出ようとすると明叔が「補助ライトやレフ板を?」と尋ねる。
ネットの人気者は皆そうしているらしい。
姜溯は「必要だ!」と即答。

――この写真、別にそこまでしなくても……
栩栩は内心あきれつつも、結局小さな撮影チームと化した家族に押され一式の写真を撮った。

姜溯はその中からベスト3枚を選び、色調整と加工まで施す。
投稿を終えたのは昼近く。

これが、番組リポスト以外で栩栩が初めて自分で投稿したSNSだ。
写真は小漂亮を抱いて階段に座る姿や、ペットハウス前で散歩するカット。
構図も色合いも完璧だった。
キャプションはたった四文字――【よろしく】。

投稿直後、フォロワーたちが一斉に歓喜した。

「ついに写真きた!忘れてるかと思った!」
「推しがやっとSNSのパスワードを思い出した!」
「ビジュ最高!もっと日常写真お願いします!」
「どこで撮ったの?豪華!」
「その腕にいるのサモエド?キツネみたい!」
「ペット狐?かわいすぎ!」
「狐飼えば栩栩みたいに美しくなれる?今すぐ飼う!」
「猫犬蜥蜴は見たけど狐は初めて。保護動物じゃない?」
「ペット用の狐だよ。あんなに美しいのは初めて見た!」
「初投稿がペット狐って、霊真真を意識してる?」
「うちの真真を巻き込まないで。狐を祀ってても飼う必要ないでしょ。」
「彼女、大したことないよ。市のイメージ大使で、高考トップ、殺人犯を一目で見抜き、財運を当て、女鬼の話まで…それだけ。」

コメントを見守っていた姜溯は、自分のおかげでSNSが盛り上がっていると満足していた。
だが“霊真真”の名が出るやいなや、そのファンが参戦し雰囲気が一変。

姜溯は怒り、階上へ走りながら叫んだ。
「じいちゃん! 澄哥がまた水軍で姉さんを叩いてる!」
(水軍(すいぐん):お金を受け取って、SNSや掲示板などで特定の人や話題を持ち上げたり、貶めたりするためにコメントや投稿を大量に行う人たちや業者。)
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