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異世界に再就職…する前のチュートリアルが長すぎる
じゅういち。
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まだ実体の無い私の腕の中にいる、小さな小さな、まだ首も座らない赤ちゃん。
真っ白なおくるみに包まれて焦点が会わない筈の目が、こちらを見ている。
ふんわりとした、乳児特有のあたたかさ。懐かしい重みに抱き締める腕が震える。
この姿は、正しく私の記憶に刻まれている『あの子』。
なぜ、いままでのこしてきたあの子をおもわなかったのだろう?!
私が死んでしまって、あの後どうなった?当たり前の日常が突然断ち切られたのだ、頼れる身内も居ないのに…!
「…して…」
『は?』
「戻して!元に戻して!」
『無理です』
「駄目!戻して!あの子が居るのに!」
「交換は完了しているんです」
何かが落ちた。
止まらなかった。
涙も嗚咽も。
何もない白い世界で、唯一形がある赤ちゃんを抱き締めたまま、姿の無い私は泣き続けた。
真っ白なおくるみに包まれて焦点が会わない筈の目が、こちらを見ている。
ふんわりとした、乳児特有のあたたかさ。懐かしい重みに抱き締める腕が震える。
この姿は、正しく私の記憶に刻まれている『あの子』。
なぜ、いままでのこしてきたあの子をおもわなかったのだろう?!
私が死んでしまって、あの後どうなった?当たり前の日常が突然断ち切られたのだ、頼れる身内も居ないのに…!
「…して…」
『は?』
「戻して!元に戻して!」
『無理です』
「駄目!戻して!あの子が居るのに!」
「交換は完了しているんです」
何かが落ちた。
止まらなかった。
涙も嗚咽も。
何もない白い世界で、唯一形がある赤ちゃんを抱き締めたまま、姿の無い私は泣き続けた。
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