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トルコンへ
早いもので、トルコンに旅立つ日が来た。
朝から御者が忙しい。
向こうでの生活はアプリコットが準備をしてくれた。
家も用意してある。
留学先の大学の入学式は秋。
半年先になるが、暫くは地域に慣れるよう生活するつもりだ。
荷物は少ない。
多くもって行っても、気候も違うし服も無駄になる。
何より、普段着る服が全く違うと聞いた。
女性でもパンツスタイルが多いし、ドレスではなく、平民が着るような膝くらいのスカートが多いと聞く。
向こうで揃えた方が良いと判断して、衣類は少なくした。
「では、お父様、お母様行って参ります。」
挨拶を済ます。
「あゝ、少し待ちなさい」
馬車に乗ろうとするルキアを父が止めた。
もしや、、、いまさらトルコン行きを止めないわよね。
疑問の顔で振り返る。
「いや今更止めないよ。少しだけ待ちなさい」
ルキアの気持ちが顔に出ていたようだ。
父にバレた。
ペロリと舌を出す。
母が苦笑いした。
「全く、貴女は、、、淑女はその様な事は致しません」
お叱りを受けたが笑顔で誤魔化す。
「お待たせしました」
レオンが駆けて来た。
「「あゝ、レオン待ちだったのか。そうだよね。兄だもの挨拶はしなくっちゃ」」
見るとレオンが旅行カバンを持っている。
「?」
何処かに行くのだろうか?
「ん、んレオンはルキアと一緒にトルコンに行くんだよ」
父がルキアの?に答えた。
「仕事?」
レオンに聞く。
「まぁ、そんなもの」
曖昧に答えながら
荷物を馬車の上に放り投げた。
「「レオンの仕事のついでに私を送らせようとしているのか?それとも私に合わせて仕事を入れたのか。そのどちらかだわ」」
妙に納得したルキアは、改めて両親への挨拶を済ませ、レオンのエスコートで馬車に乗る。
レオンが父に何かを話し、彼が乗ると馬車は出発した。
ルキアの暮らすガーナリア王国からトルコンまでは馬車で3日。
比較的近い。
レオンはバッグから書類を出し見始めた。
ルキアは窓の外を見ている。
静かな時間が流れる。
昨日はトルコンに行くのが嬉しくてよく寝れなかった。
馬車の揺れが心地よく、ルキアの頭がフラフラと揺れ始めた。
「ルキア、、、眠いのか?」
レオンが覗き込み尋ねる。
「ううん、大丈夫」
答えたが、目が裏返る。
眠いのだ。
寝入るのは時間の問題だった。
レオンがルキアの隣に座り、彼女の頭を自分の肩に寄せ、ひざかけをルキアにかけた。
一瞬目が覚めたが、また目を瞑る。
肩に乗るルキアを見るレオンは顔を綻ばせ、身体をルキアに向ける。
ゆっくりと、ルキアの身体がレオンの腕の中に落ちる。
膝の上に抱き抱え膝掛けに包むと横抱きにした。
ルキアの重さを感じる。
額にキスを落とし、窓の外を見る。
芽を出したばかりの野菜の苗が一面を緑に変えていた。
数十分後、レオンに抱かれたまま目覚めたルキアは言葉を失った。
幼い頃は良くレオンの膝の上で寝入ったが、大人になってからは無い。
レオンの顔を見たルキアは、目を見開き、一瞬で顔が真っ赤に染まった。
その姿を目を細めて見るレオン。
「お、下ろして」
「ダメだと言ったら?」
「は?」
「もう直ぐ町に着く。今夜はそこで泊まりだ。」
まだ陽は高い。
何故?という疑問がルキアの顔に出た。
「急ぐ旅では無いから、観光しながらトルコンに向かおうかと思ってね」
「「なるほど」」
ルキアは納得した。が、レオンは膝の上からルキアを下ろそうとはしない。
結局そのまま宿の前までレオンの膝の上にいた。
ルキアの顔色は赤から青くなりつつあった。
宿の部屋はレオンと一緒だ。
どうしてかと尋ねるルキアに、治安が良く無いから一人部屋は、侍女も付いていないのでダメだと言われた。
ベッドは2台ある。
レオンの言葉には逆らえない。
これが7年早く生まれた力という事なのだろうか、、、。
渋渋頷いた。
宿帳には兄妹とレオンが書いた。
荷物を置いて町に出る。
レオンの案内だ。
ルキアは全てがもの珍しく、あちこち見入って前に進まない。
レオンはそんなルキアに黙って付き合った。
外で食事を済ませて宿に戻る。
レオンが部屋にアルコールを持ってきた。
「レオン、、お酒飲むの?」
ベッドに潜り込もうとしていたルキアが聞く。
「少し、、、ルキアも飲んでみるか?」
ルキアも成人している。
お酒が飲める年だ。が、飲んだ事はない。
夜会にもお酒は出るが、大抵はジュースを飲む。
嗜む程度には飲んだ方が良いのだろうが、今は飲みたいとは思わなかった。
首をフルフルと振りベッドに入った。
疲れていたのか直ぐに夢の中だった。
ベッドに横になったルキアを眺めながら、酒を飲む。
普段も寝酒をコップに一杯飲むが、今日の酒は美味い。
父に、子ができたら直ぐに帰ると伝えた。
嬉しそうな、嫌そうな顔をした父を思い出す。
遠慮はしない。
良いか悪いかはわからないが、ルキアは騙されやすい。
言われたら、
そう?そうかな、そうなんだ。で納得する。
今夜の宿も、部屋を一緒にできた。
女性の一人部屋は治安が悪い。
この言葉で納得した。
明日はどの手で丸め込むか。
トルコンに着くまでには、、、。
考えながら残りの酒を一気に飲むと、自分のベッドに横になった。
翌日はゆっくり町を出た。
次の町までは近い。
急ぐ必要はないとレオンが話す。
馬車の中は、昨日町で買った荷物でいっぱいだ。
一つずつ、開けて確認する。
こんなにどうするんだと思うほど荷物が増えてしまった。
次の町は本当に近かった。
街道馬車の起点で人も多い。
本来なら、王都からこの町までが馬車の一日の走行距離のようだ。
ルキアは伯爵家の馬車を使っているので、無理をする必要が無い。
ゆっくり進んでいるのだとレオンに言われた。
納得したが、宿が混んでいる。
今夜の宿が決まらない。
街道馬車の客が多い。
何とか宿が取れたが、部屋が一つで大きなベッドが一つだ。
部屋に入り、立ち尽くした。
私、、、ソファ?で寝るの?
朝から御者が忙しい。
向こうでの生活はアプリコットが準備をしてくれた。
家も用意してある。
留学先の大学の入学式は秋。
半年先になるが、暫くは地域に慣れるよう生活するつもりだ。
荷物は少ない。
多くもって行っても、気候も違うし服も無駄になる。
何より、普段着る服が全く違うと聞いた。
女性でもパンツスタイルが多いし、ドレスではなく、平民が着るような膝くらいのスカートが多いと聞く。
向こうで揃えた方が良いと判断して、衣類は少なくした。
「では、お父様、お母様行って参ります。」
挨拶を済ます。
「あゝ、少し待ちなさい」
馬車に乗ろうとするルキアを父が止めた。
もしや、、、いまさらトルコン行きを止めないわよね。
疑問の顔で振り返る。
「いや今更止めないよ。少しだけ待ちなさい」
ルキアの気持ちが顔に出ていたようだ。
父にバレた。
ペロリと舌を出す。
母が苦笑いした。
「全く、貴女は、、、淑女はその様な事は致しません」
お叱りを受けたが笑顔で誤魔化す。
「お待たせしました」
レオンが駆けて来た。
「「あゝ、レオン待ちだったのか。そうだよね。兄だもの挨拶はしなくっちゃ」」
見るとレオンが旅行カバンを持っている。
「?」
何処かに行くのだろうか?
「ん、んレオンはルキアと一緒にトルコンに行くんだよ」
父がルキアの?に答えた。
「仕事?」
レオンに聞く。
「まぁ、そんなもの」
曖昧に答えながら
荷物を馬車の上に放り投げた。
「「レオンの仕事のついでに私を送らせようとしているのか?それとも私に合わせて仕事を入れたのか。そのどちらかだわ」」
妙に納得したルキアは、改めて両親への挨拶を済ませ、レオンのエスコートで馬車に乗る。
レオンが父に何かを話し、彼が乗ると馬車は出発した。
ルキアの暮らすガーナリア王国からトルコンまでは馬車で3日。
比較的近い。
レオンはバッグから書類を出し見始めた。
ルキアは窓の外を見ている。
静かな時間が流れる。
昨日はトルコンに行くのが嬉しくてよく寝れなかった。
馬車の揺れが心地よく、ルキアの頭がフラフラと揺れ始めた。
「ルキア、、、眠いのか?」
レオンが覗き込み尋ねる。
「ううん、大丈夫」
答えたが、目が裏返る。
眠いのだ。
寝入るのは時間の問題だった。
レオンがルキアの隣に座り、彼女の頭を自分の肩に寄せ、ひざかけをルキアにかけた。
一瞬目が覚めたが、また目を瞑る。
肩に乗るルキアを見るレオンは顔を綻ばせ、身体をルキアに向ける。
ゆっくりと、ルキアの身体がレオンの腕の中に落ちる。
膝の上に抱き抱え膝掛けに包むと横抱きにした。
ルキアの重さを感じる。
額にキスを落とし、窓の外を見る。
芽を出したばかりの野菜の苗が一面を緑に変えていた。
数十分後、レオンに抱かれたまま目覚めたルキアは言葉を失った。
幼い頃は良くレオンの膝の上で寝入ったが、大人になってからは無い。
レオンの顔を見たルキアは、目を見開き、一瞬で顔が真っ赤に染まった。
その姿を目を細めて見るレオン。
「お、下ろして」
「ダメだと言ったら?」
「は?」
「もう直ぐ町に着く。今夜はそこで泊まりだ。」
まだ陽は高い。
何故?という疑問がルキアの顔に出た。
「急ぐ旅では無いから、観光しながらトルコンに向かおうかと思ってね」
「「なるほど」」
ルキアは納得した。が、レオンは膝の上からルキアを下ろそうとはしない。
結局そのまま宿の前までレオンの膝の上にいた。
ルキアの顔色は赤から青くなりつつあった。
宿の部屋はレオンと一緒だ。
どうしてかと尋ねるルキアに、治安が良く無いから一人部屋は、侍女も付いていないのでダメだと言われた。
ベッドは2台ある。
レオンの言葉には逆らえない。
これが7年早く生まれた力という事なのだろうか、、、。
渋渋頷いた。
宿帳には兄妹とレオンが書いた。
荷物を置いて町に出る。
レオンの案内だ。
ルキアは全てがもの珍しく、あちこち見入って前に進まない。
レオンはそんなルキアに黙って付き合った。
外で食事を済ませて宿に戻る。
レオンが部屋にアルコールを持ってきた。
「レオン、、お酒飲むの?」
ベッドに潜り込もうとしていたルキアが聞く。
「少し、、、ルキアも飲んでみるか?」
ルキアも成人している。
お酒が飲める年だ。が、飲んだ事はない。
夜会にもお酒は出るが、大抵はジュースを飲む。
嗜む程度には飲んだ方が良いのだろうが、今は飲みたいとは思わなかった。
首をフルフルと振りベッドに入った。
疲れていたのか直ぐに夢の中だった。
ベッドに横になったルキアを眺めながら、酒を飲む。
普段も寝酒をコップに一杯飲むが、今日の酒は美味い。
父に、子ができたら直ぐに帰ると伝えた。
嬉しそうな、嫌そうな顔をした父を思い出す。
遠慮はしない。
良いか悪いかはわからないが、ルキアは騙されやすい。
言われたら、
そう?そうかな、そうなんだ。で納得する。
今夜の宿も、部屋を一緒にできた。
女性の一人部屋は治安が悪い。
この言葉で納得した。
明日はどの手で丸め込むか。
トルコンに着くまでには、、、。
考えながら残りの酒を一気に飲むと、自分のベッドに横になった。
翌日はゆっくり町を出た。
次の町までは近い。
急ぐ必要はないとレオンが話す。
馬車の中は、昨日町で買った荷物でいっぱいだ。
一つずつ、開けて確認する。
こんなにどうするんだと思うほど荷物が増えてしまった。
次の町は本当に近かった。
街道馬車の起点で人も多い。
本来なら、王都からこの町までが馬車の一日の走行距離のようだ。
ルキアは伯爵家の馬車を使っているので、無理をする必要が無い。
ゆっくり進んでいるのだとレオンに言われた。
納得したが、宿が混んでいる。
今夜の宿が決まらない。
街道馬車の客が多い。
何とか宿が取れたが、部屋が一つで大きなベッドが一つだ。
部屋に入り、立ち尽くした。
私、、、ソファ?で寝るの?
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