いつも隣にいる

はなおくら

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 数日後、両親と揉めた事で私は家を出る決意ができた。

 資金もある程度ある事で、街の近くに部屋を借りて、父親から除籍の書類をもらうつもりだ。

 その話をローイにすると1番に反対された。

「出ていくのは賛成だけど、そんな危ないところに1人で行かせるつもりはないよ。」

「でも…。」

 言葉を返すこともできないままローイの流れに流されて、わたしはローイの別館に身を寄せる事になった。

 ローイは初め本館を用意してくれていたが、未婚の婚約者を本館にとは悪く別館にお願いしたのだった。

 ウィーン公爵家には、手紙置いてきた。

 除籍等の書類を送ってもらうのを待っている。

 ローイの別館は、クリーム色の屋敷で、内装も落ち着いた場所だった。

「ローイ、ありがとう。ここまでしてもらってしまって…。」

「気にしないで。」

 申し訳ない気持ちでローイを見ると、何故か見知らぬ荷物を持ったローイが揚々と中の物を出していく。

 見ていると男性ものの洋服等出てきておりわたしの部屋の二つあるクローゼットの片方に使用人に仕舞うよう指示を出していた。

「ローイ、あなた何をしているの?」

 不思議に思い彼にそう尋ねると、ローイは嬉しそうに答えた。

「僕も今日からリチアと一緒に過ごそうと思ってね!」

「えっ‼︎」

 唐突な返答に驚いて言葉も出なかった。

 ローイはいったい何を考えているのか、わたしは頭を悩ませた。

 するとローイはニコニコ笑いながら言った。

「気にしなくていいよ。僕たちは結婚するんだから。」

「そういう問題じゃないわ。それにわたしはウィーン家を出てきたのよ?今後のこともあるんだし、周りに誤解を生むようなことをしては…。」

 わたしが話していても鼻歌を歌いながら片付けを済ませるローイに何も言えなくなった。

 というのも正直嬉しい気持ちの方が強かったのだ。

「…周りなんて関係ないよ。僕は大好きな君が近くにいて一緒にいられるだけで幸せなんだから。」

 作業の手を止めずに言うローイの後ろ姿を見てわたしは誰もいなくなった事をいいことに抱きしめた。

「…ありがとう。私もあなたと一緒にいられるだけで幸せよ。」

 後ろから抱きしめる私の手をローイは優しく撫でてくれた。

 その日は、食事を済ませて歓談したりと楽しい時間を過ごした。

 その夜、シャワーを浴びて部屋に入って緊張がしてきた。

 というのも寝るのもローイと一緒だからだ。

 一緒に添い寝はしたことがあっても、こんなふうに一夜を過ごすと考えると、心臓の音が鳴り止まない。


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