いつも隣にいる

はなおくら

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 村から少し離れた所に馬車を待たせて、ブルックと一緒に村に入った。

 そこは驚くほど静かで活気も何もなかった。

 畑らしきところも植物が枯れて今にも消えそうな雰囲気であり、井戸を覗けばそこがはっきりとわかるくらい空になっている。

「これは…いったい…。」

「数ヶ月前からこうなんです…水がなければ生きていけないのに…。」

 泣きそうなブルックの肩に手を置いた。

「泣かないで…とりあえずあなたのお母さんの所へ行きましょう。」

「はい…!」

 私達は、ブルックの住む家の中に入った。

 部屋に入る前から咳き込む声が聞こえてきていた。

「…ブルック…?」

 ブルックのお母さんが、フラフラと今にも倒れそうになりながらも息子の名前を呼んでいる。

 ブルックは甘える様に母の胸に抱きつくと母親は愛おしそうに優しく抱きしめた。

 その光景を見た時、自分の中では無関心であった母親の事を思い出した。

 普通の親子とはこういうものなのだと考えさせられた。

 お互いを大切に思い合う姿は、言葉にならないほど自分の心に何か動かされるものがあったのだ。

 これは大人気ないながらもブルックに対する羨望だろう。

 そんな事を考えながらも目の前の問題に意識を変えた。

「初めまして、私はリチアと申します。」

 ブルックの母は私を見るなり手をついて頭を下げようとしたので、わたしは慌てて止めた。

「ご無理なさらないでください。体調が悪化してしまいます。」

 私がそういうと、ブルックの母は首を横に振った。

「身分のお高い方に寝ながら出迎えなど恐れ多い事です。」

 なお恐縮するブルックの母にわたしは自分の身分を話した。

「気になさらないでください。わたしはとある事情でデロイド公爵家にお世話になっている者なのです。大した者ではありません。それよりも…。」

 わたしは家の窓から村を見つめた。

 どう話していいのか分からずに見つめると、ブルックの母親は俯きながら話した。

「この村はもうダメかもしれません…。元々ギリギリではありましたが…ある時から水も干上がり食物も育たなくなってしまいました…。」

 ブルックの母も原因がわからないのだろう。

「お願い!どうにかこの村を助けて!僕それで公爵家にお願いしたんだ!」

 今まで話を聞いていたブルックはそう言って私を見つめた。

 その話を聞いていた母親が目を大きく見開いてブルックを見た。

「なんて事を!そんな危ない事をしてはいけないとあれほど言ったのに…っ…!」

「お母さん…!」

 ブルックに叱責している途中ブルックの母は、咳き込み出した。

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