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とても長い間眠っていたのか、目が覚めた時には皇女様は隣国に向かわれたと言う。
ツーリーは私の様子を見て、皇女様をお見送りに行ったと言う。
「……。」
こんなに寝るはずじゃなかったのに、いろんな事があって体力を消耗したのだろうか。
そんなことを思いながらツーリーの帰りを待つ事にした。
身支度を整えて、中庭で昨日のことを考えている。
本当に彼と結婚していいものなのか。
彼が原因ではなく、わたし自身が彼に相応しいのか、そんなことを考えると迷いに迷ってしまう。
今更とは思いつつもいざとなると足元がすくむ気持ちになる。
彼は今、公務をして過ごしているだろう。
中庭に咲く薔薇の花を見ながら、物悲しい気持ちになる。
「ナナ…。」
振り返るとツーリーが立っていた。
「ツーリー…。」
彼はわたしの顔を見ておどけて笑った。
「また考え込んでいるのか?」
「そんなことは…。」
わたしの考えていることはツーリーにはお見通しの様だった。
ツーリーは私を後ろから抱きしめて言った。
「身分なんて関係ない。お互いがどうしたいかが大事なんだ。ナナは、それでも迷うのか?」
ツーリーの問いかけに私は自分の胸の内にあったしこりが、なくなっていく感覚がした。
「そうね…。」
私がそう答えると、ツーリーはわたしと向かい合い、両手を優しく包み込み、まっすぐと見つめてきた。
「結婚して欲しい。僕にとって君は唯一無二の人だ。」
彼のプロポーズにわたしは頷いた。
「はい…わたしにとっても貴方は最愛の人…何があっても諦めたくない人…。」
ツーリーはわたしを優しく抱き寄せた。
彼の顔を見つめて目を閉じる。
唇に彼の温かな体温と言う愛情を感じながら幸福という余韻に浸った。
ツーリーの行動は早かった。
さすがは宰相と言う立場もあってか、わたしが結婚の承諾をすると、国王陛下に結婚の依頼をしたかと思えばものの1日で許可がおりた。
苦笑いでツーリーを見ると、彼は少し意地悪な顔で言った。
「本来王族が隣国の王族をもてなすものを僕に任せたのだから、一つくらい願いは聞いてもらわないとっ!」
「もう…!」
そんなことを言う彼に、呆れつつも愛おしさが込み上げてくる。
ツーリーも嬉しそうに、笑っている。
結婚すれば屋敷の女主人として任務もある。
遅れを取ってはいけないと、結婚式の準備をしつつも並行して業務に励んだ。
しんどくはあったものの常にツーリーが隣で支えてくれたので、苦ではなかった。
そんな彼の横顔を見ながらふと幼い頃のことを思い出した。
ツーリーは私の様子を見て、皇女様をお見送りに行ったと言う。
「……。」
こんなに寝るはずじゃなかったのに、いろんな事があって体力を消耗したのだろうか。
そんなことを思いながらツーリーの帰りを待つ事にした。
身支度を整えて、中庭で昨日のことを考えている。
本当に彼と結婚していいものなのか。
彼が原因ではなく、わたし自身が彼に相応しいのか、そんなことを考えると迷いに迷ってしまう。
今更とは思いつつもいざとなると足元がすくむ気持ちになる。
彼は今、公務をして過ごしているだろう。
中庭に咲く薔薇の花を見ながら、物悲しい気持ちになる。
「ナナ…。」
振り返るとツーリーが立っていた。
「ツーリー…。」
彼はわたしの顔を見ておどけて笑った。
「また考え込んでいるのか?」
「そんなことは…。」
わたしの考えていることはツーリーにはお見通しの様だった。
ツーリーは私を後ろから抱きしめて言った。
「身分なんて関係ない。お互いがどうしたいかが大事なんだ。ナナは、それでも迷うのか?」
ツーリーの問いかけに私は自分の胸の内にあったしこりが、なくなっていく感覚がした。
「そうね…。」
私がそう答えると、ツーリーはわたしと向かい合い、両手を優しく包み込み、まっすぐと見つめてきた。
「結婚して欲しい。僕にとって君は唯一無二の人だ。」
彼のプロポーズにわたしは頷いた。
「はい…わたしにとっても貴方は最愛の人…何があっても諦めたくない人…。」
ツーリーはわたしを優しく抱き寄せた。
彼の顔を見つめて目を閉じる。
唇に彼の温かな体温と言う愛情を感じながら幸福という余韻に浸った。
ツーリーの行動は早かった。
さすがは宰相と言う立場もあってか、わたしが結婚の承諾をすると、国王陛下に結婚の依頼をしたかと思えばものの1日で許可がおりた。
苦笑いでツーリーを見ると、彼は少し意地悪な顔で言った。
「本来王族が隣国の王族をもてなすものを僕に任せたのだから、一つくらい願いは聞いてもらわないとっ!」
「もう…!」
そんなことを言う彼に、呆れつつも愛おしさが込み上げてくる。
ツーリーも嬉しそうに、笑っている。
結婚すれば屋敷の女主人として任務もある。
遅れを取ってはいけないと、結婚式の準備をしつつも並行して業務に励んだ。
しんどくはあったものの常にツーリーが隣で支えてくれたので、苦ではなかった。
そんな彼の横顔を見ながらふと幼い頃のことを思い出した。
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