愛しい貴方へ

はなおくら

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 目の前に宇宙が広がりその周りをキラキラと光る星が瞬いている。

 自分が浮いているのかなんだか心地いい感覚がしていた。

 すると目の前に生まれ変わりの神ルーンが姿を表した。

「久しぶりだな…。」

「ルーン様……。これはどう言う事でしょうか?前見た光景と違う展開が起きているのです…。」

 戸惑うスサリアにルーンはゆっくりと口を開いた。

「そなたが選択した道を変えれば自ずと周りの流れも変わる。」

 生まれ変わりの神ルーンはそう言ってまた続けた。

「そなたが選ぶ道。悔いのなき様に…。」

 そういうと体が吸い込まれる様な引っ張られる様な感覚で生まれ変わりの神ルーンから離れていた。

 目が覚めたのか気づけば、目の前にオレンジの花びらが散りばめられていた。

  オレンジの花びらがいい香りを運びリラックスさせてくれる。

「今の…夢は…。」

 戸惑いながらもルーン様の言葉を思い出していた。

 窓を見ればまだ夜が明けていない。かなり眠っていたのだろう。

 スルトはタタラが見てくれているのだろう。1人になりこれからどうすべきか考えた。

 今頭の中にあることは我ながら無謀だと思ったがやってみるに越した事はない。ただこれにはタラミの協力が必要だった。

 他の策を考えてみるが何も浮かばない。夜が明けて皆が起きたら話そうともう一度ベッドに入り眠った。

 そして太陽が登りきった頃、スサリアは階段を降りて2人のいる部屋へと向かった。

 そこには2人とも揃っており、タタラは朝食の準備を、タラミはその後ろでお茶を飲んでいた。

 2人とも自分に気がつくと笑顔で出迎えてくれた。

「王妃様、おはようございます。よく眠れましたか?」

 笑顔で迎えてくれるタタラに心底ホッとする。そして自分の考えをいつ話すべきかと悩んでいると、タタラの後ろにいるタラミが口を開いた。

「王妃様おはようございます。…もしや何か策を考えているのでは…?」

 その言葉にスサリアはすぐさま頷いた。

「わかりました。ですがその前に食事にいたしましょう。」

 タラミにそう言われてこの話は中断になり、タタラの用意してくれた食事を頬張った。

「美味しいわ!この卵料理はなんともいえないほど美味しい。」

スサリアの褒め言葉にタタラは嬉しそうに笑う。

 タラミは静かに食事をとっているが、顔は優しく微笑んでいる。

 こうして誰かと食事を囲んで、楽しく会話をしていると自分はいかに寂しい生活を送っていたのかと考えてしまうほどだ。

「楽しいわね…。」

 スサリアがそうこぼすと前の2人は満面の笑みで笑った。


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