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第八章
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◇◆◇◆
ヘイデンは会議室の一室にガイルとブルースとそしてリューディアの四人でいた。遅れてきたイルメリがリューディアと交代して、現場の方へと行っている。
「ブルース。別に、君のことを取って食おうとしているわけではないんだ。まあ、ガイルは君のことを食べそうな勢いだが」
ヘイデンがこのように冷静でいられるのも、目の前のガイルが見るからに頭から蒸気を沸かせて、顔を盛大に沸騰させて怒っているからだ。不思議なことに、怒っている人間を目にすると逆に冷静になれる。
そのガイルはブルースが逃げないようにと、彼の隣にがっしりと座っていた。そしてそのブルースの向かい側にヘイデン、ヘイデンの隣にリューディア。
「全てを話してくれるね?」
穏やかな口調であるのに、有無を言わさぬ凄みが出ているところが、このヘイデンの恐ろしいところであるとリューディアは思っていた。
「はい……。ですが、その……。オレが話したことによって、その、オレの家族とか、ここが狙われるとか、そういうことは……」
「君はそうやって脅されていたんだね。そこは安心していい。君たちに手出しができないように、悪い奴にしっかりとお仕置きを与えるのも私たちの仕事だ」
ブルースが安心できるかのようなヘイデンの笑み。だが、恐らく彼の腹の底は怒りで煮えくり返っているはず。怒りの矛先はもちろん前責任者であるフニペロだ。
「あの……」
ブルースはやっと語り始めた。あそこで何をしていたのか。何をされていたのか。どうしてそうなったのか。
彼が言うには、前責任者であるフニペロがここに赴任していたときから、彼による脅しが始まっていたらしい。初めは選鉱を終え、王都へと出荷する魔宝石を少しずつ間引いていたということ。つまり、魔宝石を盗んでいたのだ。それがほんの少しの量のときは、誰も不審に思わなかった。だが、その量が次第に増えるにつれ、王都からやってくる監査官の目が厳しくなってきた。それでも確固たる証拠がつかめなかったのは、もちろん帳簿も偽造されていたから。どうやら、前任のフニペロの息のかかった魔導士たちが、多く働いていたのだろう。それを示すかのように、彼が責任者の任を解かれた時、彼についてこの場を離れた魔導士たちも何人かいた。もちろん、その魔導士たちも割り出してある。
ヘイデンが後任としてこの現場へ来てからというもの、魔宝石そのものを盗み出すことが難しくなった。それをブルースがフニペロへと伝えたところ、この現場で働く魔導士たちを減らせばいい、と言い出した。
ブルースが仕事の休みの日にフニペロと会い、彼から一つの魔導具を手渡された。それが崩落事故を起こしたきっかけとなる爆破装置。この爆破装置は起爆と同時に魔導具そのものが消滅するという、違法性たっぷりの魔導具である。もちろん、犯罪に使われる代物。
それを預かったブルースはフニペロから言われた通りに坑道のある場所に仕掛けた。その後、崩落事故が起こり、幾人かの魔導士たちがそれに巻き込まれこの現場を離れてしまったという流れになる。
それでも魔宝石を盗み出すことは難しかった。何しろヘイデンが責任者となってから、その辺の管理が厳しくなっているのだ。魔導士たちの数のせいではなかったことに、ブルースは気付く。それをフニペロに伝えたところ、今度はクズ石を盗み出すようにと言われた。これは管理されていないものだから、無くなったとしても気付かないだろうと。それに盗み出した魔宝石よりも足がつきにくい、というのがフニペロの考えだった。
形が良い物よりも形が歪な物を選べ、というのがフニペロからの指示だった。そちらの方が魔力を取り込める物が多いから、と。
「事務所荒らし。あれも君の仕業だな?」
ヘイデンは会議室の一室にガイルとブルースとそしてリューディアの四人でいた。遅れてきたイルメリがリューディアと交代して、現場の方へと行っている。
「ブルース。別に、君のことを取って食おうとしているわけではないんだ。まあ、ガイルは君のことを食べそうな勢いだが」
ヘイデンがこのように冷静でいられるのも、目の前のガイルが見るからに頭から蒸気を沸かせて、顔を盛大に沸騰させて怒っているからだ。不思議なことに、怒っている人間を目にすると逆に冷静になれる。
そのガイルはブルースが逃げないようにと、彼の隣にがっしりと座っていた。そしてそのブルースの向かい側にヘイデン、ヘイデンの隣にリューディア。
「全てを話してくれるね?」
穏やかな口調であるのに、有無を言わさぬ凄みが出ているところが、このヘイデンの恐ろしいところであるとリューディアは思っていた。
「はい……。ですが、その……。オレが話したことによって、その、オレの家族とか、ここが狙われるとか、そういうことは……」
「君はそうやって脅されていたんだね。そこは安心していい。君たちに手出しができないように、悪い奴にしっかりとお仕置きを与えるのも私たちの仕事だ」
ブルースが安心できるかのようなヘイデンの笑み。だが、恐らく彼の腹の底は怒りで煮えくり返っているはず。怒りの矛先はもちろん前責任者であるフニペロだ。
「あの……」
ブルースはやっと語り始めた。あそこで何をしていたのか。何をされていたのか。どうしてそうなったのか。
彼が言うには、前責任者であるフニペロがここに赴任していたときから、彼による脅しが始まっていたらしい。初めは選鉱を終え、王都へと出荷する魔宝石を少しずつ間引いていたということ。つまり、魔宝石を盗んでいたのだ。それがほんの少しの量のときは、誰も不審に思わなかった。だが、その量が次第に増えるにつれ、王都からやってくる監査官の目が厳しくなってきた。それでも確固たる証拠がつかめなかったのは、もちろん帳簿も偽造されていたから。どうやら、前任のフニペロの息のかかった魔導士たちが、多く働いていたのだろう。それを示すかのように、彼が責任者の任を解かれた時、彼についてこの場を離れた魔導士たちも何人かいた。もちろん、その魔導士たちも割り出してある。
ヘイデンが後任としてこの現場へ来てからというもの、魔宝石そのものを盗み出すことが難しくなった。それをブルースがフニペロへと伝えたところ、この現場で働く魔導士たちを減らせばいい、と言い出した。
ブルースが仕事の休みの日にフニペロと会い、彼から一つの魔導具を手渡された。それが崩落事故を起こしたきっかけとなる爆破装置。この爆破装置は起爆と同時に魔導具そのものが消滅するという、違法性たっぷりの魔導具である。もちろん、犯罪に使われる代物。
それを預かったブルースはフニペロから言われた通りに坑道のある場所に仕掛けた。その後、崩落事故が起こり、幾人かの魔導士たちがそれに巻き込まれこの現場を離れてしまったという流れになる。
それでも魔宝石を盗み出すことは難しかった。何しろヘイデンが責任者となってから、その辺の管理が厳しくなっているのだ。魔導士たちの数のせいではなかったことに、ブルースは気付く。それをフニペロに伝えたところ、今度はクズ石を盗み出すようにと言われた。これは管理されていないものだから、無くなったとしても気付かないだろうと。それに盗み出した魔宝石よりも足がつきにくい、というのがフニペロの考えだった。
形が良い物よりも形が歪な物を選べ、というのがフニペロからの指示だった。そちらの方が魔力を取り込める物が多いから、と。
「事務所荒らし。あれも君の仕業だな?」
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