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第二章(1)
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昨日、タミオスから言われていたとおり、フィアナはナシオンと一緒に巫女たちから話を聞くことになった。
隣を歩くナシオンをちらっと見上げる。
「何? 俺の顔に何かついてる?」
「いいえ」
あえて言うなら、目と鼻と口だろうか。相変わらず、悔しいくらいに整っている顔立ちだ。
王国騎士団と聖騎士団の大きな違いといえば、顔立ち、容姿だろう。がっちりと身体を鍛え上げている王国騎士団の顔は、日に焼け引き締まっている。それに引き換え聖騎士団は、線が細く顔立ちもやさしい者が多い。
そのなかでもナシオンは聖騎士よりも顔立ちをしているだろう。むしろ情報部にはそういった者が多い。
また、王国騎士団が黒い騎士服を身にまとうのならば、聖騎士団は穢れのない白の騎士服。
それだけ求められるものが違うといえば、それまでなのだが。それでも情報部の人間だけは黒い騎士服を普段は身につけない。一目見ただけでは騎士団所属とはわからないような姿である。だからフィアナとナシオンも、そういった姿で目的地に足を運んだ。
大聖堂は大きな窓と尖塔アーチを供え、白い石造りの建物をできるだけ軽く高く見せるようにと作られている。これがこの建物の特徴ともいえるだろう。
「王国騎士団情報部、フィアナ・フラシスです」
「同じく、ナシオン・ソレダー」
大聖堂の正門の両脇に立っている聖騎士に、銀プレートを見せる。これは私服で調査する情報部の人間にとって、騎士団所属であることを示す証なのだ。普段は見えない場所に身につけ、必要なときに提示する。
「今日はお二人ですか?」
門番の聖騎士からはそんな質問があがった。
「はい。今のところは……。ですが、人手が足りない場合は、応援を頼むこともあります」
「昨日のような人たちがやってくるなら、お断りしようかと思っていたのですが……」
そこまで言って、門番は口をつぐむ。
「どうぞ、中にお入りください。すぐに係の者が案内します」
「ご協力、感謝します」
「……いえ。真実を知りたいのは、私たちも同じですので」
どうやら、第一騎士団はよい印象を持たれていないようだ。
フィアナとナシオンは正門をくぐり、エントランスへと向かった。
広々としたそこには、見知った顔の聖騎士が出迎えてくれた。
「あなたに来てもらうように、私のほうからお願いしましたので」
親しげに声をかけてくる。
「第一ではダメだったのでしょうか?」
「巫女たちは、ああいった男性を見慣れておりませんので」
その言葉にナシオンが肩をすくめる。
「巫女たちは教室に集めています。ですが、どうしても手の放せない者も何人かおりまして」
そう言った彼は、フィアナに名簿を手渡してくれた。
教室とは幼い巫女や聖騎士見習いが一斉に教育を受ける部屋だ。そこに巫女たちを集め、隣の指導室で話を聞くようにと、彼が手はずを整えてくれていた。
「まずは、カリノさんと近しい者から話が聞ければと思っています」
「ああ。でしたら、カリノと同室だった者がいいですね」
「お願いします」
指導室に案内され、フィアナとナシオンは用意された椅子に座る。
「あなたは男性だから、少し離れた場所にいたほうがいいでしょう」
ここまで案内してくれた聖騎士は、ナシオンにそう言って、ニタリと笑った。
ナシオンは何か反論したそうであったが、フィアナがそれを手で制した。
聖騎士が部屋を出ていったのを見届けてから、ナシオンが苦々しく口を開く。
「なんなんだ、あいつは」
「ナシオンさん、抑えてください。すぐに巫女が来ますから。彼女たちは浮世離れしているんです。男性に慣れていない者がいるのも事実です」
トントントンと、扉が叩かれた。
フィアナはナシオンに目配せをしてから、立ち上がってその扉を開ける。
「こんにちは。よろしくお願いします」
隣を歩くナシオンをちらっと見上げる。
「何? 俺の顔に何かついてる?」
「いいえ」
あえて言うなら、目と鼻と口だろうか。相変わらず、悔しいくらいに整っている顔立ちだ。
王国騎士団と聖騎士団の大きな違いといえば、顔立ち、容姿だろう。がっちりと身体を鍛え上げている王国騎士団の顔は、日に焼け引き締まっている。それに引き換え聖騎士団は、線が細く顔立ちもやさしい者が多い。
そのなかでもナシオンは聖騎士よりも顔立ちをしているだろう。むしろ情報部にはそういった者が多い。
また、王国騎士団が黒い騎士服を身にまとうのならば、聖騎士団は穢れのない白の騎士服。
それだけ求められるものが違うといえば、それまでなのだが。それでも情報部の人間だけは黒い騎士服を普段は身につけない。一目見ただけでは騎士団所属とはわからないような姿である。だからフィアナとナシオンも、そういった姿で目的地に足を運んだ。
大聖堂は大きな窓と尖塔アーチを供え、白い石造りの建物をできるだけ軽く高く見せるようにと作られている。これがこの建物の特徴ともいえるだろう。
「王国騎士団情報部、フィアナ・フラシスです」
「同じく、ナシオン・ソレダー」
大聖堂の正門の両脇に立っている聖騎士に、銀プレートを見せる。これは私服で調査する情報部の人間にとって、騎士団所属であることを示す証なのだ。普段は見えない場所に身につけ、必要なときに提示する。
「今日はお二人ですか?」
門番の聖騎士からはそんな質問があがった。
「はい。今のところは……。ですが、人手が足りない場合は、応援を頼むこともあります」
「昨日のような人たちがやってくるなら、お断りしようかと思っていたのですが……」
そこまで言って、門番は口をつぐむ。
「どうぞ、中にお入りください。すぐに係の者が案内します」
「ご協力、感謝します」
「……いえ。真実を知りたいのは、私たちも同じですので」
どうやら、第一騎士団はよい印象を持たれていないようだ。
フィアナとナシオンは正門をくぐり、エントランスへと向かった。
広々としたそこには、見知った顔の聖騎士が出迎えてくれた。
「あなたに来てもらうように、私のほうからお願いしましたので」
親しげに声をかけてくる。
「第一ではダメだったのでしょうか?」
「巫女たちは、ああいった男性を見慣れておりませんので」
その言葉にナシオンが肩をすくめる。
「巫女たちは教室に集めています。ですが、どうしても手の放せない者も何人かおりまして」
そう言った彼は、フィアナに名簿を手渡してくれた。
教室とは幼い巫女や聖騎士見習いが一斉に教育を受ける部屋だ。そこに巫女たちを集め、隣の指導室で話を聞くようにと、彼が手はずを整えてくれていた。
「まずは、カリノさんと近しい者から話が聞ければと思っています」
「ああ。でしたら、カリノと同室だった者がいいですね」
「お願いします」
指導室に案内され、フィアナとナシオンは用意された椅子に座る。
「あなたは男性だから、少し離れた場所にいたほうがいいでしょう」
ここまで案内してくれた聖騎士は、ナシオンにそう言って、ニタリと笑った。
ナシオンは何か反論したそうであったが、フィアナがそれを手で制した。
聖騎士が部屋を出ていったのを見届けてから、ナシオンが苦々しく口を開く。
「なんなんだ、あいつは」
「ナシオンさん、抑えてください。すぐに巫女が来ますから。彼女たちは浮世離れしているんです。男性に慣れていない者がいるのも事実です」
トントントンと、扉が叩かれた。
フィアナはナシオンに目配せをしてから、立ち上がってその扉を開ける。
「こんにちは。よろしくお願いします」
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