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【2】軍生活
8・黒い制服
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いやいや待て、竜騎士とは国の威信で、国の英雄で、国一の花形職業である。その姿は戦乱の世でなければ見ることも稀で、今では国内に数人しかいないと聞いている。
王と王の子は、その血を持って竜を従えることができるとされているが、現在、竜を従えているのは王ひとりだった筈だ。ユーリが一年レティウスの元にいた間にかわった部分もあるかもしれないが、間違ってもギルバートのような軍人を体で表したような普通の男がなれるものではなかった筈だ。
「いやあ、誰も信じてくれないよね? わかるよ、俺もまさか! って思ったからね、でも嘘偽りなく事実なんだよね、信じてっていう前に見れば早いというか……」
「なにやってんの、ギル、早くおいでよ」
白い壁が続く広間の中央奥に階段があり、そこを降りて来る人がいる。
黒髪で細身、黒い服を着ている。歳は十代だろうか、ユーリと同じくらいに見える。
ユーリは声の方を見て、その人の服装を見て、懐かしさを覚えた。
「学ラン!」
ユーリは思わず声を上げていた。
「隊長、どういうことです? あの人、俺の知っている場所の服装をしている」
「えー? 誰? ユーリ殿下が来られるって聞いてるけど?」
階段を降りた男はゆっくりとした態度でユーリに近づき、前に立った。
瞳も茶黒、香りは懐かしい柔軟剤だ。
「ユーリだけど、前世の記憶があるんだ。きみのその服の学生がいっぱいいたところ!」
「え? 日本人? えーマジで? どら〇〇ん知ってる?」
「知ってる知ってる! そう日本人! 懐かしいよ」
なぜか初対面で手を取り合って感激していると、困った様子のギルバートがため息をついた。
「ほんと、おまえは規格外すぎて嫌になるよ」
ふたりはギルバートがどうだろうが関係なく、ふたりで話を進めている。しかも手を繋ぐかたちで男はユーリを先導し、階段を上って行った。
「俺、健司、けんちゃんで良いよ。ユーリ、あのね、さっきのアニメキャラね、あの方法まんまでこっちに来てるの、俺。すっげーだろ? まさに異世界、自由な旅人なんだよ」
「すごいね! 俺はそういうと異世界転生? 時代もほぼ同じに生きていた感じかな?」
「そうだね、ちょうど異世界転生物が流行ってるかな、っていうか、早く見て欲しいな、早く来て」
階段を上ると、宮殿のように豪華な設備が現れる、中央にまっすぐ伸びる道は廊下なのだろう。左右に上部半円の扉が左右に四つある。
廊下の突き当りにはまた白い階段が上部へと続いていて、その先は光って見えなかった。
健司はひとつめの扉の中へユーリを連れて行く。ギルバートもそれに続いた。
「はじめまして、ユーリ」
とてもキラキラした男と女がいる。豪華なソファセットの奥とその横に座っていた。一番奥に座っていた男が立ち上がり、ユーリの元へ歩いて来る。ギルバートはソファに座っている女の横に慣れた仕草で座った。
キラキラした男がユーリに触れる。ユーリはぼんやりとして動けなかった。
ユーリを抱きしめた男は、ユーリよりも背が高く、たぶんレティウスよりも高い。触れてみればとてもがっしりした体躯で、ゆるい服装のゆるい雰囲気とは違い、かなり大きな力を持っていると感じた。
「ユーリ、汚れているよ」
男はユーリを緩く抱き寄せると、背中をするりと撫でた。
ユーリの中で何かが弾けるように変化した。
ぼーっとしてしまっていた態度が一気に覚醒する。何が身に起こったのか、とても清浄な感覚が体の中にある。
「ユーリ、俺の伴侶の青き竜だよ。勝手なことしてごめんね」
健司がそう言うと、ユーリに触れていた男が嬉しそうに笑って健司を抱きしめる。
青き竜、とユーリの中に言葉が落ちる。
「ちなみに俺の伴侶は白き竜な」
ギルバートの横にいる美しい女がギルバートに寄り添った。
王と王の子は、その血を持って竜を従えることができるとされているが、現在、竜を従えているのは王ひとりだった筈だ。ユーリが一年レティウスの元にいた間にかわった部分もあるかもしれないが、間違ってもギルバートのような軍人を体で表したような普通の男がなれるものではなかった筈だ。
「いやあ、誰も信じてくれないよね? わかるよ、俺もまさか! って思ったからね、でも嘘偽りなく事実なんだよね、信じてっていう前に見れば早いというか……」
「なにやってんの、ギル、早くおいでよ」
白い壁が続く広間の中央奥に階段があり、そこを降りて来る人がいる。
黒髪で細身、黒い服を着ている。歳は十代だろうか、ユーリと同じくらいに見える。
ユーリは声の方を見て、その人の服装を見て、懐かしさを覚えた。
「学ラン!」
ユーリは思わず声を上げていた。
「隊長、どういうことです? あの人、俺の知っている場所の服装をしている」
「えー? 誰? ユーリ殿下が来られるって聞いてるけど?」
階段を降りた男はゆっくりとした態度でユーリに近づき、前に立った。
瞳も茶黒、香りは懐かしい柔軟剤だ。
「ユーリだけど、前世の記憶があるんだ。きみのその服の学生がいっぱいいたところ!」
「え? 日本人? えーマジで? どら〇〇ん知ってる?」
「知ってる知ってる! そう日本人! 懐かしいよ」
なぜか初対面で手を取り合って感激していると、困った様子のギルバートがため息をついた。
「ほんと、おまえは規格外すぎて嫌になるよ」
ふたりはギルバートがどうだろうが関係なく、ふたりで話を進めている。しかも手を繋ぐかたちで男はユーリを先導し、階段を上って行った。
「俺、健司、けんちゃんで良いよ。ユーリ、あのね、さっきのアニメキャラね、あの方法まんまでこっちに来てるの、俺。すっげーだろ? まさに異世界、自由な旅人なんだよ」
「すごいね! 俺はそういうと異世界転生? 時代もほぼ同じに生きていた感じかな?」
「そうだね、ちょうど異世界転生物が流行ってるかな、っていうか、早く見て欲しいな、早く来て」
階段を上ると、宮殿のように豪華な設備が現れる、中央にまっすぐ伸びる道は廊下なのだろう。左右に上部半円の扉が左右に四つある。
廊下の突き当りにはまた白い階段が上部へと続いていて、その先は光って見えなかった。
健司はひとつめの扉の中へユーリを連れて行く。ギルバートもそれに続いた。
「はじめまして、ユーリ」
とてもキラキラした男と女がいる。豪華なソファセットの奥とその横に座っていた。一番奥に座っていた男が立ち上がり、ユーリの元へ歩いて来る。ギルバートはソファに座っている女の横に慣れた仕草で座った。
キラキラした男がユーリに触れる。ユーリはぼんやりとして動けなかった。
ユーリを抱きしめた男は、ユーリよりも背が高く、たぶんレティウスよりも高い。触れてみればとてもがっしりした体躯で、ゆるい服装のゆるい雰囲気とは違い、かなり大きな力を持っていると感じた。
「ユーリ、汚れているよ」
男はユーリを緩く抱き寄せると、背中をするりと撫でた。
ユーリの中で何かが弾けるように変化した。
ぼーっとしてしまっていた態度が一気に覚醒する。何が身に起こったのか、とても清浄な感覚が体の中にある。
「ユーリ、俺の伴侶の青き竜だよ。勝手なことしてごめんね」
健司がそう言うと、ユーリに触れていた男が嬉しそうに笑って健司を抱きしめる。
青き竜、とユーリの中に言葉が落ちる。
「ちなみに俺の伴侶は白き竜な」
ギルバートの横にいる美しい女がギルバートに寄り添った。
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