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第二の世界
大崩壊
しおりを挟む遥か昔、今より何百年も昔のこと。
今のひっそりと暮らしている海の世界の住民とは違いそこでは多くの人、学園が存在していた。
海の世界の住人達は龍神様より賜ったという槍を得意とする大変戦闘力の高い人種であった。
ある日1人の少女が現れた。
その少女は不思議な力を持っていた。そして欲を出した住人達は次第に少女の力が欲しいと考える様になった。
その力が欲しいと言う住民に対し、それはできないと言う少女。
ならば能力を持つ子を沢山産めと言う住人に必死に抵抗する少女。
逃げる少女を住人達が捕らえんとしたその瞬間、空から神々しい光に包まれた龍神様が降りてこられた。
憤怒する龍神様は怒りのままに海の世界を滅ぼそうとした。
しかし少女が涙ながらに懇願。
なんと少女は龍神様が海の世界が豊かにするに相応しい世界かどうかを見極める為に遣わせた使者だったのだ。
そして住人達は欲を出して龍神様を怒らせた。
真実を知って怯える住人達を庇いながら少女は言う。
「悪い人達ばかりではないから許してほしい」
と。
少女の穢れなき言葉に耳を傾けた龍神様は海の世界に温情を与えられた。
“全壊”ではなく“大崩壊”に止める事によって・・・
しかし今まで得意としてきた槍は取り上げられ民も土地も大幅に減った海の世界は今までとは比べ物にならぬ程ひっそりと歴史を紡いでいる。
教訓:困っている者を助け、力無い者を守れ。
何かしらの能力を持つ者が現れた時、助力や協力を要請しても良いが力の使用を強要してはならない。
パタンと本を閉じて、自分という存在を確かめるかの様に意識を浮上させる。
「ふぅ」
作品の中ではずっと女の子は『少女』と呼ばれていたが、他の本の表紙や彫刻は『乙女』だったのは何か理由があるのだろうか。
………まあ実際はきっと『語感が良かった』程度の理由なのかもしれないが。
そんな事を考えながらだらりと背凭れに身体を預け天井を仰ぐ
「こんな話だったかしら………」
知らない話なのに、何故か自分の中でもやもやとした感覚がある。何というか、そう。
『これじゃない感』だ。
窓の外を見ればもう薄暗くなっており、部屋の中には明かりが灯されている。
きっと私が本に夢中になっている間にアリネスが付けてくれたのだろう。
「読み終わられましたか?」
後ろからアリネスの声がする。
「アリネス、ずっとそこにいたの?ずっと立ちっぱなし?」
すると真顔のアリネスは何てことない様に「主人のお側に控えるのが侍女の仕事ですので」と言ったが限度があると思う。
「ねえ、2人の時だけは普通の友達みたいに座って話したりできないかしら?ずっと立っていて貰うのも心苦しいわ」
「しかし……」
「ねえ、お願い」
するとアリネスは表情は変えないまますっと自らの鼻を摘み、くぐもった声で
「もうその手には乗りませんよ」
と言った。
ーーお、思ったよりもグラついてらっしゃる………
本当に私の何がいいのかわからないが、何だかこういうやり取りが少し楽しくなってきてはいる。
アリネス自身も私と2人きりの時は変態を隠す事なく全面へ出しているので空気が軽い。
グゥ…グギュルルルル………
その時、部屋に異音が響き渡る
「っ!!!!」
咄嗟に下を向き自分の腹部を抑えると、苦しそうに
キュルルルルルル
という音が小さく聞こえる。
ーーは、恥ずかしい。流石にこれは恥ずかしい
顔がかなり熱い。きっと耳まで真っ赤になっている。できれば聞こえていて欲しくないが、確実に聞こえただろうなと思い恐る恐るアリネスの方を見上げると彼女は例の如く鼻から大量の赤い液体を流しながら仰向けに倒れていた。
「えぇー…これもなの………」
ドクドクと流れるアリネスの鼻血と幸せそうな顔を見ながら、彼女の変態度がどんどんと加速して止まらなさそうな事に一抹の不安を覚えながら私とりあえず拭くものを探しに歩き出した。
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