異世界めぐりの白と黒

小望月 白

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第二の世界

予定外

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「レイチェル様、そろそろご起床下さいませ」


カーテンを開けられ、眩しい光が瞼を閉じていても感じられる


「ん………まぶし……」


「おはようございますレイチェル様。よいお天気ですよ」



「んう」


伸びをしながら目を開けるとそこには朝からしっかりと侍女服に身を包んだアリネスが居た。



「おはようアリネス」



昨日は早めに寝たはずなのにまだ少し眠い。


「さてレイチェル様。本日よりまた舞の稽古を再開しますよ。動きは覚えておいでですか?」


モーニングティーを差し出しながらアリネスが悪戯っぽく言う


「んー。一応頭では毎日動きを復習してたんだけど、身体が付いていくかが1番問題ね」


「では後程の稽古を楽しみにしていますね」



たわいない話をした後は今日の予定や、やらなけれぼいけない事の確認等を済ませる。



「あー。なんだか日常生活に戻ったって感じね」



「ええ。そうですね」


コンコンコン



「あれが居なければ」


アリネスの言葉が終わるか終わらないかのタイミングで寝室の扉が開く


「おはようございますレイチェル様っ!本日よりこのサラン、謹慎解除によりレイチェル様のお側へ戻って参りました」



愛らしくお辞儀をするサランを無言で見つめるアリネス。もう上手くいかない空気しかない。



「おはようサラン。昨日ぶりね」


「はいっ!レイチェル様は本日もお美しく………」


「サラン。レイチェル様はお忙しいのです。挨拶が終わったのならさっさと持ち場に戻りなさい。後程レイチェル様からのお話があるのでその時は速やかに参りなさい」


サランの言葉をぶった切ったアリネスをサランが睨みつけた後、彼女はにっこりと微笑む



「あらぁ、これはこれは役立たずのアリネスじゃあないの。レイチェル様のお着替えやお食事の準備は私がするからもうあなたは下がっても大丈夫よ」




ーーや、やめてくれ……



元々仲は良くなさそうだったのに、昨日の一件で更に悪化した2人はもう私の前で取り繕う事も無くなった様だ。




「アリネスもサランもそこまでよ。とりあえずアリネス、着替えを手伝ってくれる?サランは食事の準備をお願い。食事の準備が終わったら少し頼み事があるの」


すると私からのお願いがアリネスよりも多かったサランは得意そうにフフンと鼻を鳴らしてアリネスを見た後「かしこまりました。何でございましょう」と言った。



ーーいちいち喧嘩ふっかけるわね



「今日は午後から少し王宮図書館に寄ろうと思うから、司書のスークにその旨伝言を。もし不在だったら別の方でいいわ。
それからナーニャさんに近々お会いしたいから、面会依頼をしておいてくれるかしら。」


「承りました」



「うん。よろしくね」



お辞儀をして上機嫌で出て行ったサランを真顔で見送ったアリネスは、ドアが閉まった後ポツリと呟く。



「また随分と長い時間サランを追い出しましたね」



「………言わないで」



ーーだって、じゃないとアリネスと一緒にご飯食べるの何か言われそうなんだもの



するとアリネスはふっと笑いを溢す



「わたくし、本日の予定に王宮図書館での読書が入っているなんて把握しておりませんでした。申し訳ありません」


「意地悪ね」


わざとらしくお辞儀をするアリネスを睨みつけた後、ふん!と顔を逸らすとアリネスはお辞儀をしたままの状態で右手の親指をぐっと立ててきた。
勿論左手は鼻を抑えている。




ーー………通常運転元の日常ね





「さて、それはそうとレイチェル様」


赤いシミが沢山付いたハンカチで鼻を抑えながらアリネスが言う



「ん?」



「先程侍女長関連の事をサランに頼まなかったのはわざとですよね?」



「ああ、うん」



ナイトウェアを脱がして貰いながら答える


「なんか、こんな考えあまり持つものじゃないとは思うんだけどサランと侍女長って対等な立場なのかなって」



「と、言いますと?」



「だって私付きの侍女になった時だってナーニャさんに侍女長がゴリ押ししてサランが来た感じだったし、今回だってサラン本当は昨日の時点で謹慎解けていなかったのにお茶会の準備に顔を出して色々やらかして、それで何もお咎めがなかったでしょう?
それどころか謹慎が解かれるのが本来よりも早くなって今日から出てきてるし………ってどうしたのアリネス。なんだか楽しそうね」



ドレスを着せてくれているアリネスの口元が僅かに緩んでいるのが見えたので聞いてみるとアリネスは更に僅かに口角を上げる



「いえ、何でもございませんよ」


「えー」


「さ、終わりましたよ。今日は予定外の………外出も増えておりますし、さっさと朝食を頂きましょう」



「あっ!アリネスがまた意地悪言う!」



ぎゃあぎゃあと言いながら寝室を出ると朝食の準備を指揮していたサランがびっくりした様にこちらを見ていた。



ーーあ、そうか。部屋毎の防音性高いからいきなり私の喚き声が聞こえてびっくりしたのかな?



「おはようみんな。今日もありがとう」


食事を運んだり部屋を整えてくれていた使用人達にいつもの様に挨拶をすると皆控えめにお辞儀をしてからすすすと下がる



「じゃあサラン。さっき頼んだ事お願いね。ああ、忙しいと思うから適度に休憩はちゃんと取ってね」


するとハッとしたサランはお辞儀をして「かしこまりました」と言って出て行った。
後に残ったのは私とアリネス、そして2人分の朝食だった。
























ーーあ、机に2人分の朝食がある時点でサランにはバレバレか



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