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1年生1学期
6月3日(木)曇りのち小雨 大山亜里沙との会話その11
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昼休み、とうとう決着の時がやって来る。4時間目の数Ⅰの返却をもって10教科全てのテストが揃った。授業終了後にすぐこちらを向いた大山さんが話しかけてくる。
「……そういえばさ、個別の点数で勝負する? それとも合計点?」
「合計点でいいんじゃないかな。極端に低い点数あるな勝敗変わってくるかもしれないけど……」
「それじゃあ、合計点で勝負ね!」
スマホを取り出した大山さんはたぶん点数を計算しているんだろう。一方、僕は元から合計点での勝負だと思っていたので数Ⅰが返却された時に点数は出していた。
「じゃあ、まずはうぶクンから!」
「僕は811点」
「おー アタシは816点だから……僅差で勝ち!」
大山さんは「いえーい」と言いながらピースサインを見せつけてくるけど、僕はいまいち敗北した感じがしない。これだけ貯めたわりに、決着の時が一瞬過ぎたせいだろうか。
「大山ちゃん、本当に? 個別の点数見せてよー」
いつの間にかギャラリーになっていた松永がそんなことを言い出す。ちょっと失礼だけど、正直言うと僕もどれを何点取ってるか気になるところだ。
「何で松永が疑ってんの。はい、これはさっきの数Ⅰでしょ。1時間目の日本史、それから……」
大山さんが次々とテストを見せつけてくるテストは科目単位で見れば僕の方が高い点数もあったけど、基本は高得点ばかりだ。つまり、大山さんの自信は本物だったし、優等生タイプだったのだ。
「疑ってすみませんでした。ほら、りょーちゃんも」
「いや、僕は別に……すみませんでした」
「わかればよろしい」
流れで謝ってしまった。まぁ、できないと思っていたわけじゃないけど、勝てる気持ちはあったから結果にちょっと驚いてしまったのは間違いない。授業態度とテストの出来はイコールでないことが証明された。
「それでは勝者の大山ちゃんはりょーちゃんにお願いをどうそー!」
松永が司会ぶりながら言い出す。そうだ、テストの勝敗自体はこの際どっちでもいい。一番の問題はこのお願いとやらだ。罰ゲームじゃないから恐れなくてもいいんだろうけど、お金が凄くかかったりすると困ってしまう。
「えへへ、実は最初から決まってたんだよねー アタシのうぶクンへのお願いは……」
「う、うん……」
「妹ちゃんの写真撮って見せて欲しい!」
「……へ?」
「あれ? もしかして、もうスマホにあったりする?」
「いや、たぶんないと思う……」
いくら妹でも写真を撮る機会はそんなにない。小さい頃の写真ならワンチャンあるかも……いや、違う。僕が言いたいのは大山さんのお願いが予想外だったことだ。お願いされるならそれこそ明莉のようにおごるご馳走するの話だと思っていた。確かに妹の話には喰いついていたし、ちょっとだけ話したけれど、そこまで興味があったとは。
「楽しみにしてるね☆ あっ、ちなみにうぶクンが勝ったら何のお願いするつもりだったの?」
「えっ? それはその……」
「りょーちゃんは大山ちゃんに髪型変えて貰うか、一緒にゲームするかのどっちかで迷ってたよ」
悪い笑顔の松永はさらりと混ざって嘘を言う。
「違う! それは僕じゃなくて松永と大倉くんの……」
「へ~ そういう感じだったんだ、ふーん……」
「本当に違うんだって。僕は……」
「うん、本当はなになに?」
「……敗者にくちなしだから言わないでおく」
「何それー!? アタシにお願いするのに、言えないようなことなの?」
「いや、決してそういうわけではなく……」
それから追及と否定を繰り返してしまったので、僕らは弁当を食べる時間が少し遅くなってしまった。結局、この日になってもお願いが思い付いていなかったからある意味負けて良かったのかもしれない。
ちなみに現社の点数でも僕は負けていたので、これからも大山さんは居眠りすることが確定してしまった……僕が悪いのだろうか、これ?
「……そういえばさ、個別の点数で勝負する? それとも合計点?」
「合計点でいいんじゃないかな。極端に低い点数あるな勝敗変わってくるかもしれないけど……」
「それじゃあ、合計点で勝負ね!」
スマホを取り出した大山さんはたぶん点数を計算しているんだろう。一方、僕は元から合計点での勝負だと思っていたので数Ⅰが返却された時に点数は出していた。
「じゃあ、まずはうぶクンから!」
「僕は811点」
「おー アタシは816点だから……僅差で勝ち!」
大山さんは「いえーい」と言いながらピースサインを見せつけてくるけど、僕はいまいち敗北した感じがしない。これだけ貯めたわりに、決着の時が一瞬過ぎたせいだろうか。
「大山ちゃん、本当に? 個別の点数見せてよー」
いつの間にかギャラリーになっていた松永がそんなことを言い出す。ちょっと失礼だけど、正直言うと僕もどれを何点取ってるか気になるところだ。
「何で松永が疑ってんの。はい、これはさっきの数Ⅰでしょ。1時間目の日本史、それから……」
大山さんが次々とテストを見せつけてくるテストは科目単位で見れば僕の方が高い点数もあったけど、基本は高得点ばかりだ。つまり、大山さんの自信は本物だったし、優等生タイプだったのだ。
「疑ってすみませんでした。ほら、りょーちゃんも」
「いや、僕は別に……すみませんでした」
「わかればよろしい」
流れで謝ってしまった。まぁ、できないと思っていたわけじゃないけど、勝てる気持ちはあったから結果にちょっと驚いてしまったのは間違いない。授業態度とテストの出来はイコールでないことが証明された。
「それでは勝者の大山ちゃんはりょーちゃんにお願いをどうそー!」
松永が司会ぶりながら言い出す。そうだ、テストの勝敗自体はこの際どっちでもいい。一番の問題はこのお願いとやらだ。罰ゲームじゃないから恐れなくてもいいんだろうけど、お金が凄くかかったりすると困ってしまう。
「えへへ、実は最初から決まってたんだよねー アタシのうぶクンへのお願いは……」
「う、うん……」
「妹ちゃんの写真撮って見せて欲しい!」
「……へ?」
「あれ? もしかして、もうスマホにあったりする?」
「いや、たぶんないと思う……」
いくら妹でも写真を撮る機会はそんなにない。小さい頃の写真ならワンチャンあるかも……いや、違う。僕が言いたいのは大山さんのお願いが予想外だったことだ。お願いされるならそれこそ明莉のようにおごるご馳走するの話だと思っていた。確かに妹の話には喰いついていたし、ちょっとだけ話したけれど、そこまで興味があったとは。
「楽しみにしてるね☆ あっ、ちなみにうぶクンが勝ったら何のお願いするつもりだったの?」
「えっ? それはその……」
「りょーちゃんは大山ちゃんに髪型変えて貰うか、一緒にゲームするかのどっちかで迷ってたよ」
悪い笑顔の松永はさらりと混ざって嘘を言う。
「違う! それは僕じゃなくて松永と大倉くんの……」
「へ~ そういう感じだったんだ、ふーん……」
「本当に違うんだって。僕は……」
「うん、本当はなになに?」
「……敗者にくちなしだから言わないでおく」
「何それー!? アタシにお願いするのに、言えないようなことなの?」
「いや、決してそういうわけではなく……」
それから追及と否定を繰り返してしまったので、僕らは弁当を食べる時間が少し遅くなってしまった。結局、この日になってもお願いが思い付いていなかったからある意味負けて良かったのかもしれない。
ちなみに現社の点数でも僕は負けていたので、これからも大山さんは居眠りすることが確定してしまった……僕が悪いのだろうか、これ?
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