産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生2学期

10月27日(水)曇り 大山亜里沙との距離間その8

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 続々とテストが返却される水曜日。ただ、残り少ない今年を考えてか返却後はすぐに授業に移っていく。

 現社もそんな授業の一つで、いつも通りに板書を書き終えた僕は大山さんの席へ向かった。ここ最近は何日分か貯めてから貸すようになっていたけど、大山さんと話したい気持ちがあったので僕から行くことにしたのだ。

「ふわぁ~ あれ? うぶクンどうしたの?」

「その様子だと今日も寝てたんだね。はい、ノート」

「あっ! わざわざありがと! 最近アタシの方が忘れがちだったから助かる~」

「だったら起きて授業を受ければ……」

「うぶクンのその台詞、耳タコだよ?」

「いや、僕が悪いわけじゃ……ちなみに現社のテストはどうだったの?」

「おかげさまで80点でございます……うぶクンは?」

「僕は88点」

「ま、負けたー!」

 大山さんは大げさなリアクションを取る。それでも寝てる割にはしっかり点数を取っているから何か大山さんなりの勉強のコツがあるのかもしれない。

「なんかうぶクンと点数の話するの久しぶり……ってテストは夏休み明け以来だから当たり前か」

「そうだけど、席が近かった時は小テストの話もしてたのもあるんじゃない?」

「そっかそっか。いやー、それにしても現社がこの感じなら勝負してるとアタシ負けてたかも」

「あれ? 今回はあんまり自信ない感じなの?」

「そうなんだよねー たぶん体育祭とか文化祭とかで浮かれた気持ち引きずっちゃったからかなぁ」

「それ、わかるな。僕もちょっと身が入らないタイミングがあったし」

「……うーん?」

 僕の返しに対して大山さんは急に首を傾げる。実際そういう気持ちがあったのは本当だから何もおかしなことは言っていないはずだ。
 けれど、大山さんは少しだけ考えながら僕の様子を窺った後、質問する。

「うぶクンさ……ちょっとイメチェンした?」

「えっ? 特に髪型とか変えてないけど」

「なんというか……雰囲気的な? テストの時は全然気にしてなかったケド」

「全然そんなつもりはないけど、大山さんがそう思うなら……そうなのかな?」

「いや、アタシはそういうのめっちゃわかるタイプでもないから間違ってるかもだけど、なんかそんな感じがする」

 大山さんはそう言いながらまた僕のことを観察するように見るけど、僕にはその雰囲気とやらがよくわからない。強いて言うなら今日は自分から話しかけようと思ったところだけど、それだけで違和感を持たれるならこれまでの僕は自主性が無さ過ぎたのかもしれない。

「まっ、いっか。それじゃあ、金曜日もよろしく!」

「いや、ちゃんと起きて」

「えー……」

 そんな本気で嫌そうな顔を見せられてしまうと、僕が悪いことをしている気分になる。そう思いながら僕は自分の席に帰っていった。

 結局、大山さんから謎のイメチェン判定をされた原因はわからなかったけど、話しかける目標は達成したから良しとしよう。
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