産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生2学期

12月5日(日)晴れ 16歳の誕生日

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 今日から16年前の午後9時頃。本来なら午前中で生まれる予定だった僕はだいぶのんびりとしてしまったようで、その夜の時間にようやく頭を見せた……という話を事あるごとに母さんだけでなく色んな人から聞かされる。つまり、今日の午後9時になるまでなら僕はギリギリ15歳だ。

「良助、お誕生日おめでとう!」
「りょうちゃんおたおめー!」
「おめでとう、良助」

 なんていうのはちょっとした屁理屈のようなもので、僕はこの日のお昼に家族から誕生日を祝われる。場所は近所の焼肉屋さんだ。誕生日は外食するというのは通例通りで、僕の誕生日の時は焼肉へ行くことが多い。

「ありがとうございます。父さんと母さんのおかげでここまで大きくなれました」
「りょ、良助……急にそんなこと言うなんて、泣かせに来てるのか……?」
「いや、お父さんの涙腺がゆるゆるなだけでしょ。それより早くお肉焼こう!」
「明莉、今日の主役は良助なんだからね」

 そんなわちゃわちゃとした会話を終えると、明莉の希望通り肉が焼かれ始める。こういう時に仕切ってくれるのは父さんで、肉の部位を解説しながら程よく焼いてくれる。ただ、残念なことに僕も食べる方へ気が行っているので、その解説はいまいち頭に残っていない。

「良助、遠慮せずに食べていいからね」

 一方の母さんは焼き終えた肉をわざわざ僕の方へ流してくれる。そこまでしなくてもと思ってしまうけど、今日の主役と言われたからにはたとえ年を重ねても子供らしく受け取るしかない。

「りょうちゃん、そっちのコショウ取ってくれない?」

 そして、明莉はこんな時でもいつも通りだ。たくさん肉を食べられる機会はそんなにないことだからお腹いっぱい食べるつもりなんだろう。

 そうやって両親や明莉を見ていると、高校生になって16歳の誕生日を迎えたけれど、この家族でいる時間は昔から全然変わっていない。
 たぶん、これから環境が変わったとしても僕ら家族の根っこの部分はこんな風に変わらないままで、それは凄く幸せなことなんだと思う。

「あっ、りょうちゃん。一応誕生日プレゼント持ってきたんだけど……今開けるとまずいかも」

「匂いが移る感じ?」

「そうそう。だから帰ってケーキの時に改めて渡すね!」

「明莉は気遣いができて偉いなぁ! ほら、これ焼けてるからお食べ!」

 一つ訂正しよう。父さんの明莉に対する甘やかしは昔と比べると絶対に変わっている。今から心配することじゃないけど、実家を離れることになったら大変なことになるのかもしれない。

 その後はこれでもテスト期間の身なので、帰宅するとテスト勉強を再開して、夜には誕生日ケーキを頂いて明日への活力を充電した。

 何気に楽しみにしていた明莉のプレゼントはベージュ色のマフラーだった。自分だとあまり選ばない色だと思ったけど、「今のりょうちゃんにはこの色な気がした」と言われたので、寒い間は積極的に身に着けていこうと思う。
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