679 / 942
2年生3学期
2月11日(土)曇り時々晴れ 北の修学旅行その4
しおりを挟む
建国記念日の土曜日。
本日は修学旅行4日目……というか帰るための日だ。
札幌市内のホテルを出発して、最後にクラス全体で記念写真を撮った後、空港でお土産を買う時間になった。
昨日の自由行動でも少しだけ購入したけど、賞味期限が近い食べ物は今日購入するつもりだったので、しっかり悩みながらお土産を見ていく。
「良助くん、わたしも一緒に見ていい?」
「うん。一緒にいこう」
そう言われて断れるわけがないので、空港内では路ちゃんと常に一緒だった。
昨日、班の女子から僕について言われたということは……やっぱり女子の間では周知の事実だったのだろう。
今更隠しても仕方がないので、僕は人目を気にせず歩いてた。
「ちょ、ちょっと良ちゃん。岸本さんとは文芸部で一緒なのは知ってたけど……まさか……」
「まぁ……そういうこと」
「へぇ~! 大倉くんも知ってんの? 俺らにも教えてよー」
そのタイミングで会ったクラスの男子から似たような反応を見せられるけど、みんな祝ってくれる感じだったので、そこは良かった。
まぁ、来週からは何かといじられる回数が増えるかもしれないけど。
「路ちゃんは何か買って来て欲しいって言われたものある?」
「特には言われなかったけれども……海鮮が美味しい話は聞いたわ。一回だけ行ったことあるみたいで」
「さすがに海鮮は高いからなぁ。前にばあちゃんが北海道の幸セットを送ってくれたけど」
「おばあちゃんって……京都の?」
「ううん。父さんの方の。僕らと地元は同じだけど、旅行好きなんだ」
「そうなんだ。京都のおばあちゃんは一度会ってみたいけれど、会いやすいのはそちらのおばあちゃんかな」
「会わせてもいいけど……終わった後、僕はめちゃめちゃ疲れてるかも」
僕がそう言うと、路ちゃんは意味を察して笑ってくれた。
そんな身内向けのお土産を選んだ後は、文芸部のみんなに配るためのお土産を選んだ。
数日後はバレンタインだから暫く部室内は甘い匂いに包まれることになるだろう。
それから、飛行機に乗る前の諸々の準備を済ませた後、帰りの便に搭乗する。
行きよりは緊張感はないけど、気分が悪くなるかもしれないという意味では緊張していた。
「大倉くん……今後、僕はなるべく地上にいられるような生き方をしていくよ」
「ふ、普通の人はだいたいそうなるから。それこそ航空会社で働くとかじゃない限りは」
「やっぱり僕には自転車がお似合いだ……」
「ち、地上なら車や電車も使えるから」
その時間の半分くらいは大倉によくわからない弱音を吐いていた気がする。
1時間ちょっとで北海道まで行けることを考えれば凄く便利な乗り物なんだけど……僕には向いていなさそうだ。
そのまま空港に到着してバスに乗った後、それぞれ家から最寄りの場所で降りていく。
「りょうちゃん、おかえりー おお、両手に大荷物」
「ただいま。こっちは結構温かいね」
「えっ。普通に寒いんだけど、やっぱり北はもっと寒いんだ」
「うん。帰って来てから全然違うってなった。これ、お土産ね」
「わーい! 後でお土産話も聞かせてね」
3日ぶりの無邪気な明莉を見て帰って来たことを実感していたけど、思っていた以上に疲れたのか、その後は2時間ほど昼寝をしてしまった。
帰るまでが何とやらということで、僕の修学旅行は無事に終了した。
本日は修学旅行4日目……というか帰るための日だ。
札幌市内のホテルを出発して、最後にクラス全体で記念写真を撮った後、空港でお土産を買う時間になった。
昨日の自由行動でも少しだけ購入したけど、賞味期限が近い食べ物は今日購入するつもりだったので、しっかり悩みながらお土産を見ていく。
「良助くん、わたしも一緒に見ていい?」
「うん。一緒にいこう」
そう言われて断れるわけがないので、空港内では路ちゃんと常に一緒だった。
昨日、班の女子から僕について言われたということは……やっぱり女子の間では周知の事実だったのだろう。
今更隠しても仕方がないので、僕は人目を気にせず歩いてた。
「ちょ、ちょっと良ちゃん。岸本さんとは文芸部で一緒なのは知ってたけど……まさか……」
「まぁ……そういうこと」
「へぇ~! 大倉くんも知ってんの? 俺らにも教えてよー」
そのタイミングで会ったクラスの男子から似たような反応を見せられるけど、みんな祝ってくれる感じだったので、そこは良かった。
まぁ、来週からは何かといじられる回数が増えるかもしれないけど。
「路ちゃんは何か買って来て欲しいって言われたものある?」
「特には言われなかったけれども……海鮮が美味しい話は聞いたわ。一回だけ行ったことあるみたいで」
「さすがに海鮮は高いからなぁ。前にばあちゃんが北海道の幸セットを送ってくれたけど」
「おばあちゃんって……京都の?」
「ううん。父さんの方の。僕らと地元は同じだけど、旅行好きなんだ」
「そうなんだ。京都のおばあちゃんは一度会ってみたいけれど、会いやすいのはそちらのおばあちゃんかな」
「会わせてもいいけど……終わった後、僕はめちゃめちゃ疲れてるかも」
僕がそう言うと、路ちゃんは意味を察して笑ってくれた。
そんな身内向けのお土産を選んだ後は、文芸部のみんなに配るためのお土産を選んだ。
数日後はバレンタインだから暫く部室内は甘い匂いに包まれることになるだろう。
それから、飛行機に乗る前の諸々の準備を済ませた後、帰りの便に搭乗する。
行きよりは緊張感はないけど、気分が悪くなるかもしれないという意味では緊張していた。
「大倉くん……今後、僕はなるべく地上にいられるような生き方をしていくよ」
「ふ、普通の人はだいたいそうなるから。それこそ航空会社で働くとかじゃない限りは」
「やっぱり僕には自転車がお似合いだ……」
「ち、地上なら車や電車も使えるから」
その時間の半分くらいは大倉によくわからない弱音を吐いていた気がする。
1時間ちょっとで北海道まで行けることを考えれば凄く便利な乗り物なんだけど……僕には向いていなさそうだ。
そのまま空港に到着してバスに乗った後、それぞれ家から最寄りの場所で降りていく。
「りょうちゃん、おかえりー おお、両手に大荷物」
「ただいま。こっちは結構温かいね」
「えっ。普通に寒いんだけど、やっぱり北はもっと寒いんだ」
「うん。帰って来てから全然違うってなった。これ、お土産ね」
「わーい! 後でお土産話も聞かせてね」
3日ぶりの無邪気な明莉を見て帰って来たことを実感していたけど、思っていた以上に疲れたのか、その後は2時間ほど昼寝をしてしまった。
帰るまでが何とやらということで、僕の修学旅行は無事に終了した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる