産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生1学期

6月1日(木)曇り 大山亜里沙と産賀良助その4

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 6月が始まった麦茶の日。
 まだ麦茶が美味しく感じるほど暑くないけれど、5月中の一時期の暑さを考えると夏本番は凄く麦茶を美味しく感じそうだ

 そんな今日は昼休みに大山さんから少し話したいと言われて、中庭へとやって来る。
 しかも呼ばれたのは僕だけじゃなく、路ちゃんも一緒だった。

「こほん。今日は貴重なお時間を頂きありがとうございます」

「ど、どうしたの亜里沙ちゃん……?」

「いやまぁ、一応ね? 塾で聞いてもいいかなーとは思ったんだケド、美里がいると話がややこしくなりそうだからこの時間にしたの」

「それで……何の話?」

「単刀直入に聞くケド……恋人同士って普段何してんの?」

 大山さんは大まじめにそう聞いてきたけど、僕と路ちゃんは顔を見合わせた後、ポカンとしてしまった。

「え、えっと……どういう質問?」

「そのまんまだって。2人が何してるのか聞いてるの」

「あ、亜里沙ちゃんには少し話してたと思うのだけれど……」

「それよりもさらに具体的なやつが欲しいの!」

「いきなりそう言われても……」

「というか、わざわざ面と向かって聞かなくても……」

「……やっぱ理由を話さないとダメか」

 そう言った大山さんは少しだけ考えてから、何かを決心した顔になる。

「実はその……ある男子がしつこくお誘いを受けてて」

「す、ストーカー被害……!」

「ミチ、落ち着いて。追われてるんじゃなくて、頻繁にLINEが来るってだけ。まぁ、それが最近激しくなってきてるんだケド」

「無視した方がいいだろうけど……できないんだね」

「本当はそれが正解なんだと思う。でも……一応言っておくと悪い奴じゃないの。頻度が増えてるだけで誘われてる内容は普通だし、人によっては……情熱的なアプローチにも見えなくはない」

「でも、亜里沙ちゃんが嫌なら良くないよ」

「そう。だから……いっそのこと彼氏ができたことにして、諦めてもらった方がいいかなーと思って。ただ、そのためにいきなり誰か捕まえるとかできないから……架空の彼氏を作ればいいと思ったの」

「……なるほど。だから、参考にしたいと」

「そそ。それに2人ならそういう創作って得意だったりするでしょ?」

「ど、どうかな……?」

「わ、わたしも自信はないかも……」

「いやいや。そっちはあくまでオマケ要素だから。本題は2人の話を聞いて、情報を集めること!」

「でも、亜里沙ちゃんって……」

「もちろん、アタシも付き合った経験はあるケド……まぁ、知っての通り今は付き合ってないわけで。それを知られてるから誘わてるのもあるし、それなら身近で上手くいってるカップルを参考にした方がいいかなーって」

「ご、ごめんなさい。言わせるつもりじゃなかったのだけれど……」

「ううん、そう思うのも当然だよ。まぁ、ミチやうぶクンが教えられる範囲でいいし、さっき言った通り創作してくれてもいいから……協力してくれない?」

 そう頼まれてしまったら僕と路ちゃんが断れるはずもない。
 いや、大山さんの状況を考えれば、絶対に協力してあげた方が良い。

「路ちゃんは……いい?」

「うん。わたし達で良ければ」

「ありがとー! じゃあ、まずはアタシの理想の彼氏設定なんだケド……」

 僕達の話を聞くんじゃなかったのか、と少しだけ思いつつもその後は大山さんのイマジナリー彼氏についての説明を受けた。

 この前言っていた困った事態はこのことだったのかと納得したし、相談してきたということは、状況は悪化してしまったのだろう。
 大山さんは悪い奴じゃないと言っていたから、相手には少し悪い気もするけど……知らない相手よりもよく知る友達を助けたいと思う。
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