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3年生1学期
6月10日(土)曇り 岸本路子と産賀良助その6
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比較的過ごしやすかったミルクキャラメルの日。
この日は少し久しぶりに路ちゃんとデートに出かけて、近況トークをした。
同じクラスかつ同じ部活とはいえ、一から十まで情報共有しているわけではないので、結構知らない話題も多い。
「じゃあ、大倉くんともう予約までしたんだ」
「うん。もしかして……路ちゃんもオープンキャンパス行きたい感じ?」
「できれば体験したいけれど、その時はかりんちゃんと一緒に行くと思う」
「なるほど。そういえば花園さんともがっつり話す機会減ってるなぁ」
「部活だと女子と男子分かれて会話してるのもあるから……そう考えると、今年の文芸部は少し雰囲気が変わったのかも」
「僕もそう思う。そろそろ石渡さんともコミュニケーション取らないと、部活に行ける機会も限られてるし……」
自分でそう言いながら少しだけ寂しい気持ちになる。
実際はまだまだ時間はあるけれど、そろそろ終わりが見える時期になったのか。
「良助くんがどう思っているのかわからないけど、石渡さんは読書好きのいい子だから普通に話しかければ大丈夫だと思う」
「そ、そうかな……」
「三浦くんや結香さんと話せてるなら大丈夫」
路ちゃんは笑顔でそう言ってくれるけど……少し前に路ちゃんの彼氏ではないと見られる程度には、石渡さんの僕の評価は低いように思う。
かといって、運動部のようにわかりやすく実績を見せられるわけではないから、一気に評価を上げるのは難しいだろう。
「あっ、そういえばさ。昨日、姫宮さんと話したんだけど、僕のこと凄く好感を持ってくれてるみたいで」
「へー……」
「どっちかというと弄られるばかりだったから、嬉しかったなぁ」
「姫宮さんは……良助くんのこと、かなり信頼してると思う」
「そう?」
「少なくともわたしはそう感じてる」
路ちゃんはそう言いながら急に僕の腕の間に手を通して組んできた。
「ど、どうしたの?」
「なんとなくだけれど……こういう機会もあまりないから」
「確かに。学校の帰りもちょっとやりづらいし」
「わたしは……全然いつでもやっていいけれど。栗原さんと本田くんみたいに」
「そ、そうなの?」
「……ううん。さすがにクラス内は恥ずかしいかも」
そんな冗談を言いながら路ちゃんは僕の方に少し寄りかかる。
随分慣れてきたとは思っていたけど……不意に距離が近くなると未だにドキドキするのは、ある意味僕らしいと思う。
こなれていくよりは、ある程度初々しさを残していきたい。
この日は少し久しぶりに路ちゃんとデートに出かけて、近況トークをした。
同じクラスかつ同じ部活とはいえ、一から十まで情報共有しているわけではないので、結構知らない話題も多い。
「じゃあ、大倉くんともう予約までしたんだ」
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「できれば体験したいけれど、その時はかりんちゃんと一緒に行くと思う」
「なるほど。そういえば花園さんともがっつり話す機会減ってるなぁ」
「部活だと女子と男子分かれて会話してるのもあるから……そう考えると、今年の文芸部は少し雰囲気が変わったのかも」
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自分でそう言いながら少しだけ寂しい気持ちになる。
実際はまだまだ時間はあるけれど、そろそろ終わりが見える時期になったのか。
「良助くんがどう思っているのかわからないけど、石渡さんは読書好きのいい子だから普通に話しかければ大丈夫だと思う」
「そ、そうかな……」
「三浦くんや結香さんと話せてるなら大丈夫」
路ちゃんは笑顔でそう言ってくれるけど……少し前に路ちゃんの彼氏ではないと見られる程度には、石渡さんの僕の評価は低いように思う。
かといって、運動部のようにわかりやすく実績を見せられるわけではないから、一気に評価を上げるのは難しいだろう。
「あっ、そういえばさ。昨日、姫宮さんと話したんだけど、僕のこと凄く好感を持ってくれてるみたいで」
「へー……」
「どっちかというと弄られるばかりだったから、嬉しかったなぁ」
「姫宮さんは……良助くんのこと、かなり信頼してると思う」
「そう?」
「少なくともわたしはそう感じてる」
路ちゃんはそう言いながら急に僕の腕の間に手を通して組んできた。
「ど、どうしたの?」
「なんとなくだけれど……こういう機会もあまりないから」
「確かに。学校の帰りもちょっとやりづらいし」
「わたしは……全然いつでもやっていいけれど。栗原さんと本田くんみたいに」
「そ、そうなの?」
「……ううん。さすがにクラス内は恥ずかしいかも」
そんな冗談を言いながら路ちゃんは僕の方に少し寄りかかる。
随分慣れてきたとは思っていたけど……不意に距離が近くなると未だにドキドキするのは、ある意味僕らしいと思う。
こなれていくよりは、ある程度初々しさを残していきたい。
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