産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生2学期

10月29日(日)晴れ 岸本路子と産賀良助Ⅱその4

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 10月最後の日曜であるおしぼりの日。
 場所によっては今日がハロウィンイベントの開催日になっているようで、外に出ると仮装と思われる格好の人も少し見えた。

 そんな今日の外出はイベント参加のため……ではなく、図書館へ勉強しに行くためだった。
 図書館には路ちゃんも来ることになっており、現地で合流してから勉強する予定だ。
 ただ、ハロウィンの空気感を目撃したので、一つくらいお菓子を持っていくべきかと行く途中に考え始める。
 もちろん、図書館での飲食は建物内の休憩スペース以外では禁止だけど、ハロウィンの恒例事項として交換くらいは許されるだろう。
 そう思ってコンビニに寄り、ハロウィン仕様のチョコ菓子を一つ購入する。

「あっ。良助くん、お疲れ様」

 図書館に到着すると、路ちゃんは先に待っていた。
 その図書館の建物にもハロウィンに合わせてかぼちゃやゴーストを象った飾りつけがなされている。
 これはちょうどいいと思い、僕は少しだけおふざけをしてみることにした。

「路ちゃん、トリックオアトリート」

「えっ? ハロウィンの本番って明後日じゃなかった……?」

「うん。でも、今日もハロウィンイベントしてるところもあるから」

「そ、そう?」

「それで路ちゃんはどっちを選ぶの?」

「どっちと言われても、お菓子を持ってないから……」

「じゃあ、いたずらの方でいい?」

「いいかと言われたら困るのだけれど……」

「路ちゃんはどこまでされてもいいの?」

「ど、どこまで!? え、えっと……その……」

 想像通り慌てる路ちゃんが見られて僕は満足する。
 念のために書いておくと、普段からこんなことばかりをしているわけではない。
 ないけど、時々はこういうこともしたくなるのだ。

「……お腹から上までなら」

「……ふふっ。どういう基準でそうなったの?」

「それはその……公共の場で良助くんから何をされるにしても、そこまでなら……ああっ!? からかってる時の顔!」

「ごめんごめん。ついやってみたくて」

「もう! それならわたしもトリックオアトリートって言う!」

「はい。お菓子をどうぞ……」

「……むぅ。良助くんはいたずらされたいタイプじゃないんだ」

「いやまぁ、内容によるかな」

「わたしにはしてきたのに……」

「ごめんって。さて、切り替えて勉強していきますか」

「もう……」

 その後も休憩中に路ちゃんからは抗議を受けたけど、帰る前に一緒にお菓子を楽しく食べた。
 ……後で冷静に振り返ると僕もなかなか恥ずかしいことをしているとは思うけど、少しはこういう日もあっていいだろう。
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