SUN×SUN!

楠こずえ

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第5話:コンビ解散?(その5)

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そんな事情も全く知らないひまわりは、
ここ数日ずっと太陽に無視されているので、
暗い気持ちに押しつぶされそうになっていた。

「桐島くんが・・・、
全く話をしてくれないんです・・・」

昼休みに、
中庭のベンチに座り、
蛍に悩みを聞いてもらうひまわり。

「それって、あの日からなの?」

「ハイ・・」

「桐島に話しかけたの?」

ひまわりは首を振り、
「学校じゃいつも女の子に囲まれているので、
声を全くかけられなくて・・・。
メールしてみても、
『今忙しい』の返事ばかりで・・・。
もうどうしていいか分からなくて・・・」
とグスッと涙ぐむので、
蛍としても胸が痛い。

そうとうひまわりも悩んだのか、、
「きっと桐島くん、
私のことを嫌いになったんだと思います・・」
とバカなことまで言い出したので、
「はあ!?そんなバカな!!」
と思わず蛍は叫んでしまった。

ひまわりは首を横に振る。

「だって、とろいし、魔法もうまく使えないし、
全く何の役にも立たないので―」
と悲しそうに話すひまわりに蛍は、
「いや、桐島の方が全く役になってないから」
とばっさりと切り捨てた。

蛍は「ふ~」とため息をつき、
ベンチの背にもたれかかり、空を見上げながら言う。

「でも、ま、考え方によったら、
もう桐島にこき使われないわけだし、
ひまわりちゃん的にも解放されて
自由になれるんじゃないの?」

「解放・・・」

その言葉を聞いた瞬間、
なぜだか分からないが、
モヤモヤした気持ちがひまわりの中に
ドッと押し寄せてきた。

「解放」という言葉とは真逆の
重苦しい気持ちが。
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