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番外編
初めての喧嘩とプリン2
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いつもは灯りが灯っている玄関の電灯が今日は点いていない玄関の入り口。
そういえば、朝も会話はなく、起きてから千歳の声を聞いたのは啓が会社に行くときの「いってらっしゃい」だけだった。
いつもは玄関まで見送ってくれるのだが、今朝はどこからか声だけの見送り。
千歳の怒りはまだ継続中らしい。
玄関の扉をぐっと手前に引くと「がちゃん」と音を立てて啓を拒んだ。
開いていると思っていたものが開いていないときの衝撃は何気にショックが大きい。
千歳と住んでからというものあまり自宅の鍵を使う習慣がないため、慌ててカバンのポケットを探って鍵を取り出す。
ビジネスカバンと一緒に手に持っていたビニールのショップバッグが、ショックで怯んだ啓の心をがさりと音を立てて励ます。
中身はお詫びのプリンと季節のゼリー。それとは別にもう1つのビニール袋を持ち直して暗い玄関を開けた。
暗い廊下を通り、リビングの扉を開けるとソファに座ってテレビを見ている千歳がいた。
「ただいま。」と声をかけると、千歳はテレビから目を離さず「おかえりなさい。」と平坦な声で返ってくる。
音はあるのに重苦しい空気が啓のしたことをじわじわと責め苛む。ぎゃんぎゃんと詰られたほうがどんなに楽か..。
啓はなるだけ明るいトーンで、でもふざけている感じにはならないようにふわふわのラグに膝をついて千歳と向かい合った。
「昨日は千歳のプリンを勝手に食べてごめん。二度と千歳のものは勝手に食べないと誓う。お詫びというわけではないけど、プリン買ってきたから食べてくれる?」
脇に置いておいたビニルのショップバッグから白い箱をテーブルに置くと、千歳の視線がテレビから啓に向いた。
「二度と勝手に食べないって誓う?」
「誓う。」
「本当に?アイスも私の分残すようにしてくれる?」
「っ...善処する。最低限の会話は心が抉られるように痛いから許してください。」
ソファに座る千歳に啓は正座をして深々と頭をさげる。その様子をみた千歳から盛大な溜息。頭を下げている啓からは、今千歳がどんな顔をしているか分からない為どんな審判が下るのか心臓の音がどくどくと五月蝿い。
「ちゃんと反省したなら許してあげる。」
許してもらえないかもと思っていた矢先に千歳の声が啓の傍から聞こえた。
「ね、これあけていいの?」
今までの怒っていますオーラから一転千歳はウキウキとテーブルの上に置かれた白い箱を嬉々として見ている。
「..許してくれるの?」
正座のまま顔を少し上げて千歳を伺うと、謝罪は受け入れるほうなの。といつもの千歳の笑顔に、啓は心から安堵し、そして千歳に言われたことをきちんと守ろうと心の底から思った。
ショップのロゴが入ったテープをカッターで切り、中身を見せると千歳はわぁ!と嬉しそうに声をあげて、跳ねるようにキッチンヘ行きデザートスプーンを2本持ってきて片方を啓に差し出した。
その様子にぽかんと見上げる啓に千歳は首を傾げる。
「ん?ひーちゃん食べないの?」
「僕も一緒に食べていいの?全部千歳に食べて貰おうと思っていたんだけど。」
「ひとりで食べるより2人でシェアしたほうがおいしさ2倍でしょ」
屈託なくいう千歳に啓はありがと、と言うと差し出されていたスプーンを受け取り、買ってきたプリンとゼリーの説明を千歳にした。そこには、先ほどまであったギスギスとした空気がなく、いつもの甘い空気が二人を包んでいる。
プリンとゼリーを2人で1個ずつ食べた後、啓はもう1つのビニール袋を千歳に渡した。
「なにこれ?」
「やっぱり食べちゃったプリンをきちんとお返ししないとって思って。」
千歳が取り出したそれはコンビニで売っているよくあるプリンで啓が食べてしまったプリンと同じもの。
「本当にごめんね。」
千歳の目をみてきちんと謝罪をする啓に
「プリン祭りだねっ」
と啓が好きな笑顔で喜んでいた。
テーブルの上にはプリンが入っていたガラスの器がふたつ仲良く並んでいる。
スプーンの柄がくっついてまるで唇を合わせているかのよう。しかしさっきまで使っていた啓と千歳はちゅっちゅっと軽いリップ音をさせながらくっついたり離れたりしている。
「プリンも美味しかったけど、千歳の唇も美味しい。もっと食べたいんだけど、どうかな?」
伺い立てるように千歳の唇をちゅっと軽く吸って離れると千歳の瞼がゆっくりとあがって啓をとらえた。
「お風呂がまだで、ひーちゃんの食べ終わった食器も洗わないとだからだめ。」
だめと言っても千歳の濃い茶色の瞳にはちらちらと欲の炎が見える。
「それなら、僕が食器を洗うから、千歳はお風呂準備でどうかな?」
啓は意味ありげに千歳の唇を親指でなぞりながら誘惑の提案を出す。
何か喋ろうとすると指の腹が軽く千歳の歯にあたってずくりと下腹が疼いた。それはいつか千歳にさせた己の昂りを口内で愛撫をしてもらったときのようで。
「え、でもお風呂はもうお湯をはるだけだから食器洗いは私がやったほうが・・・。」
「千歳が先に入っていいよ。片付けが終わったら追いかけて入るから。」
ふにふにと千歳の唇を触りながら一緒に入るアピールをすると、気持ちよさにうっとりとしていた千歳の表情が一気に覚醒した。
「い、一緒に入るのはだめ!!」
「嫌なら今すぐお湯をはって、入っちゃった方が僕と入る時間が少なくなると思わない?」
その言葉に千歳は啓の腕の中から慌てて立ち上がりお風呂場へと走り去っていった。
啓は千歳と一緒に入るためにすぐに動いた。
どっちみち、お湯がたまってつかるには食器洗いだけの時間では足りない。でも、たまに千歳はシャワーだけを浴びて出てくることもあるから早めに行動するにはかまわない。
ちゃぷちゃぷと波がたつ浴槽にはられたお湯が千歳と啓の動きに会わせて一緒に揺れている。千歳は結局啓が入ってくる前に入浴を終えることが出来ず、啓の手で体をすみずみまで洗われて、泡じゃないヌルつく秘処を啓の熱くて硬いモノがゆっくりと入り口を擦りあげている。
「んっ、んっ。やあん・・。」
前後に擦るたびに千歳の秘処がパクパクと啓の傘がはったところを食み、中に飲み込もうと粘膜が動く。そのたびに秘処からとろりとろりと蜜液をこぼし、啓の血管が浮き出た陽物の動きを助ける。
「あっ、あっ、ふっ・・・ひーちゃん、なんでぇ・・・?」
ゆっくりとした動きをそのままに啓は千歳の問いに「何が?」と問う。
千歳は口を開いては何かを言おうとするが、言葉にするのが恥ずかしいのか、前後に動く啓の陽物の動きに合わせて腰を振る。
「千歳、そんな腰をくねらせていると、入っちゃうよ?」
啓が腰を後ろに引いた一瞬、千歳の秘処が陽物の傘が張りでたところをくぷんと飲み込んだ。啓はさらに腰を後ろに引いて、飲み込まれた傘の一部を外に出して、またぬるりぬるりと蜜穴と蜜核を擦りあげる。
「もうっ、やだあ!ちゃんとしてぇ」
夫婦の秘め事をし始めた直後は恥ずかしがって、乳房をいじるにも、なにをしてもイヤイヤ言う千歳も、快楽に蕩け身体の奥に燻った熱を持て余すようになると、従順になる。啓はこの過程を楽しむのがとてつもなく好きだ。
自分が与えた熱情にうかされ、発散させてほしいが為に欲に従順に、そして貪欲に啓を求めてくれる。
千歳を征服しすべてを握っているのだと。
千歳のお願いに啓は、パクつく千歳の粘膜を宥めるようにゆっくりと陽物を押し進めては、同じ速度で腰を引き粘膜に啓の形と硬さを味わわせる。
「んっ、んっ、んぅっふ、」
何度か浅い抜き刺しを繰り返し、夫婦にとって大事な場所に到達すると、むにゅっとした感触が傘の先っぽにあたる。ぐにぐにとその場所を捏ねるように腰を動かせば千歳の声はよりいっそう高くなり、自ら啓の腰に押し付けもっともっとと飲み込もうと動いた。
お互いの動きが相乗効果で身体を昂らせてくる。立てなくなってきた千歳はずるずると上半身が前屈みになって浴槽の縁を掴み、啓の律動に耐える。二人が激しく動くとお湯の波打ちも激しくなり、ばっしゃんばっしゃんと浴槽から溢れ、波の勢いが二人の足をとってくる。転ばないようにすると結合が深くなり、さらに熱を高ぶらせる。
千歳の声が高くなり限界だと粘膜が啓の陽物にきつく絡み付く。啓は千歳の腰を掴み直してがつがつと激しく奥を叩くと、繋がっている粘膜が陽物の根本からぎゅっときつく締め付ける。その締め付けは徐々に上へ上がっていき、夫婦の秘められた場所へと吐精を促す。啓は素直にその案内に従い、どくり、どくりと、陽物を振るわせて精を吐き出す。
啓の震える陽物に千歳の奥は呼応するように子宮口がはくはくと精を嚥下していった。
千歳の打ち震える身体を後ろからぎゅっとだきしめ、手に余る乳肉を握ると手のひらに硬くしこった乳首があたった。
陽物に残った精を出しきるように何度か抜き刺しを繰り返すと、啓は千歳の秘肉から陽物を抜きさった。
肉の支えがなくなった千歳は啓と一緒にずるずると浴槽に座り込んだ。
肩まであったお湯は臍のところまで水位を下げていた。昂りきった身体にはそのくらいの湯量がちょうどいい。座り込んだ千歳の秘肉からはとろりと白い濁りが流れだしており、それはゆっくりと湯にとけていく。
千歳よりはやく呼吸を整えた啓は、その様をみてぴくりと陽物が動くのを見て苦笑いが浮かんだ。出したばかりなのに、まだ足りぬ。あの場所に戻りたいと訴えてくる陽物に視線を落とした。それは鈴口からとろりと濁った液を滲ませながら、我慢汁をもう滲ませている。
喧嘩のあとの仲直りのセックスは大事だと会社の既婚者から聞いた。それは1回とか2回だろう。悪いが、啓はその回数で終わりそうにない自分の欲望のためと、その欲望に付き合わされる千歳の身体とご機嫌を伺うために動いた。
翌朝、出勤する啓を見送る千歳の姿はない。何故ならば寝室でぐっすりと眠っているためだ。
そして、午後、啓のスマートホンがメッセージを受信する。そこには昨夜、テーブルに置きっぱなしになって温くなったプリンにたいしての小言があるのだが、謝罪スタンプを送信した啓の顔は送った悲愴の表情スタンプとは正反対の笑顔だった。
そういえば、朝も会話はなく、起きてから千歳の声を聞いたのは啓が会社に行くときの「いってらっしゃい」だけだった。
いつもは玄関まで見送ってくれるのだが、今朝はどこからか声だけの見送り。
千歳の怒りはまだ継続中らしい。
玄関の扉をぐっと手前に引くと「がちゃん」と音を立てて啓を拒んだ。
開いていると思っていたものが開いていないときの衝撃は何気にショックが大きい。
千歳と住んでからというものあまり自宅の鍵を使う習慣がないため、慌ててカバンのポケットを探って鍵を取り出す。
ビジネスカバンと一緒に手に持っていたビニールのショップバッグが、ショックで怯んだ啓の心をがさりと音を立てて励ます。
中身はお詫びのプリンと季節のゼリー。それとは別にもう1つのビニール袋を持ち直して暗い玄関を開けた。
暗い廊下を通り、リビングの扉を開けるとソファに座ってテレビを見ている千歳がいた。
「ただいま。」と声をかけると、千歳はテレビから目を離さず「おかえりなさい。」と平坦な声で返ってくる。
音はあるのに重苦しい空気が啓のしたことをじわじわと責め苛む。ぎゃんぎゃんと詰られたほうがどんなに楽か..。
啓はなるだけ明るいトーンで、でもふざけている感じにはならないようにふわふわのラグに膝をついて千歳と向かい合った。
「昨日は千歳のプリンを勝手に食べてごめん。二度と千歳のものは勝手に食べないと誓う。お詫びというわけではないけど、プリン買ってきたから食べてくれる?」
脇に置いておいたビニルのショップバッグから白い箱をテーブルに置くと、千歳の視線がテレビから啓に向いた。
「二度と勝手に食べないって誓う?」
「誓う。」
「本当に?アイスも私の分残すようにしてくれる?」
「っ...善処する。最低限の会話は心が抉られるように痛いから許してください。」
ソファに座る千歳に啓は正座をして深々と頭をさげる。その様子をみた千歳から盛大な溜息。頭を下げている啓からは、今千歳がどんな顔をしているか分からない為どんな審判が下るのか心臓の音がどくどくと五月蝿い。
「ちゃんと反省したなら許してあげる。」
許してもらえないかもと思っていた矢先に千歳の声が啓の傍から聞こえた。
「ね、これあけていいの?」
今までの怒っていますオーラから一転千歳はウキウキとテーブルの上に置かれた白い箱を嬉々として見ている。
「..許してくれるの?」
正座のまま顔を少し上げて千歳を伺うと、謝罪は受け入れるほうなの。といつもの千歳の笑顔に、啓は心から安堵し、そして千歳に言われたことをきちんと守ろうと心の底から思った。
ショップのロゴが入ったテープをカッターで切り、中身を見せると千歳はわぁ!と嬉しそうに声をあげて、跳ねるようにキッチンヘ行きデザートスプーンを2本持ってきて片方を啓に差し出した。
その様子にぽかんと見上げる啓に千歳は首を傾げる。
「ん?ひーちゃん食べないの?」
「僕も一緒に食べていいの?全部千歳に食べて貰おうと思っていたんだけど。」
「ひとりで食べるより2人でシェアしたほうがおいしさ2倍でしょ」
屈託なくいう千歳に啓はありがと、と言うと差し出されていたスプーンを受け取り、買ってきたプリンとゼリーの説明を千歳にした。そこには、先ほどまであったギスギスとした空気がなく、いつもの甘い空気が二人を包んでいる。
プリンとゼリーを2人で1個ずつ食べた後、啓はもう1つのビニール袋を千歳に渡した。
「なにこれ?」
「やっぱり食べちゃったプリンをきちんとお返ししないとって思って。」
千歳が取り出したそれはコンビニで売っているよくあるプリンで啓が食べてしまったプリンと同じもの。
「本当にごめんね。」
千歳の目をみてきちんと謝罪をする啓に
「プリン祭りだねっ」
と啓が好きな笑顔で喜んでいた。
テーブルの上にはプリンが入っていたガラスの器がふたつ仲良く並んでいる。
スプーンの柄がくっついてまるで唇を合わせているかのよう。しかしさっきまで使っていた啓と千歳はちゅっちゅっと軽いリップ音をさせながらくっついたり離れたりしている。
「プリンも美味しかったけど、千歳の唇も美味しい。もっと食べたいんだけど、どうかな?」
伺い立てるように千歳の唇をちゅっと軽く吸って離れると千歳の瞼がゆっくりとあがって啓をとらえた。
「お風呂がまだで、ひーちゃんの食べ終わった食器も洗わないとだからだめ。」
だめと言っても千歳の濃い茶色の瞳にはちらちらと欲の炎が見える。
「それなら、僕が食器を洗うから、千歳はお風呂準備でどうかな?」
啓は意味ありげに千歳の唇を親指でなぞりながら誘惑の提案を出す。
何か喋ろうとすると指の腹が軽く千歳の歯にあたってずくりと下腹が疼いた。それはいつか千歳にさせた己の昂りを口内で愛撫をしてもらったときのようで。
「え、でもお風呂はもうお湯をはるだけだから食器洗いは私がやったほうが・・・。」
「千歳が先に入っていいよ。片付けが終わったら追いかけて入るから。」
ふにふにと千歳の唇を触りながら一緒に入るアピールをすると、気持ちよさにうっとりとしていた千歳の表情が一気に覚醒した。
「い、一緒に入るのはだめ!!」
「嫌なら今すぐお湯をはって、入っちゃった方が僕と入る時間が少なくなると思わない?」
その言葉に千歳は啓の腕の中から慌てて立ち上がりお風呂場へと走り去っていった。
啓は千歳と一緒に入るためにすぐに動いた。
どっちみち、お湯がたまってつかるには食器洗いだけの時間では足りない。でも、たまに千歳はシャワーだけを浴びて出てくることもあるから早めに行動するにはかまわない。
ちゃぷちゃぷと波がたつ浴槽にはられたお湯が千歳と啓の動きに会わせて一緒に揺れている。千歳は結局啓が入ってくる前に入浴を終えることが出来ず、啓の手で体をすみずみまで洗われて、泡じゃないヌルつく秘処を啓の熱くて硬いモノがゆっくりと入り口を擦りあげている。
「んっ、んっ。やあん・・。」
前後に擦るたびに千歳の秘処がパクパクと啓の傘がはったところを食み、中に飲み込もうと粘膜が動く。そのたびに秘処からとろりとろりと蜜液をこぼし、啓の血管が浮き出た陽物の動きを助ける。
「あっ、あっ、ふっ・・・ひーちゃん、なんでぇ・・・?」
ゆっくりとした動きをそのままに啓は千歳の問いに「何が?」と問う。
千歳は口を開いては何かを言おうとするが、言葉にするのが恥ずかしいのか、前後に動く啓の陽物の動きに合わせて腰を振る。
「千歳、そんな腰をくねらせていると、入っちゃうよ?」
啓が腰を後ろに引いた一瞬、千歳の秘処が陽物の傘が張りでたところをくぷんと飲み込んだ。啓はさらに腰を後ろに引いて、飲み込まれた傘の一部を外に出して、またぬるりぬるりと蜜穴と蜜核を擦りあげる。
「もうっ、やだあ!ちゃんとしてぇ」
夫婦の秘め事をし始めた直後は恥ずかしがって、乳房をいじるにも、なにをしてもイヤイヤ言う千歳も、快楽に蕩け身体の奥に燻った熱を持て余すようになると、従順になる。啓はこの過程を楽しむのがとてつもなく好きだ。
自分が与えた熱情にうかされ、発散させてほしいが為に欲に従順に、そして貪欲に啓を求めてくれる。
千歳を征服しすべてを握っているのだと。
千歳のお願いに啓は、パクつく千歳の粘膜を宥めるようにゆっくりと陽物を押し進めては、同じ速度で腰を引き粘膜に啓の形と硬さを味わわせる。
「んっ、んっ、んぅっふ、」
何度か浅い抜き刺しを繰り返し、夫婦にとって大事な場所に到達すると、むにゅっとした感触が傘の先っぽにあたる。ぐにぐにとその場所を捏ねるように腰を動かせば千歳の声はよりいっそう高くなり、自ら啓の腰に押し付けもっともっとと飲み込もうと動いた。
お互いの動きが相乗効果で身体を昂らせてくる。立てなくなってきた千歳はずるずると上半身が前屈みになって浴槽の縁を掴み、啓の律動に耐える。二人が激しく動くとお湯の波打ちも激しくなり、ばっしゃんばっしゃんと浴槽から溢れ、波の勢いが二人の足をとってくる。転ばないようにすると結合が深くなり、さらに熱を高ぶらせる。
千歳の声が高くなり限界だと粘膜が啓の陽物にきつく絡み付く。啓は千歳の腰を掴み直してがつがつと激しく奥を叩くと、繋がっている粘膜が陽物の根本からぎゅっときつく締め付ける。その締め付けは徐々に上へ上がっていき、夫婦の秘められた場所へと吐精を促す。啓は素直にその案内に従い、どくり、どくりと、陽物を振るわせて精を吐き出す。
啓の震える陽物に千歳の奥は呼応するように子宮口がはくはくと精を嚥下していった。
千歳の打ち震える身体を後ろからぎゅっとだきしめ、手に余る乳肉を握ると手のひらに硬くしこった乳首があたった。
陽物に残った精を出しきるように何度か抜き刺しを繰り返すと、啓は千歳の秘肉から陽物を抜きさった。
肉の支えがなくなった千歳は啓と一緒にずるずると浴槽に座り込んだ。
肩まであったお湯は臍のところまで水位を下げていた。昂りきった身体にはそのくらいの湯量がちょうどいい。座り込んだ千歳の秘肉からはとろりと白い濁りが流れだしており、それはゆっくりと湯にとけていく。
千歳よりはやく呼吸を整えた啓は、その様をみてぴくりと陽物が動くのを見て苦笑いが浮かんだ。出したばかりなのに、まだ足りぬ。あの場所に戻りたいと訴えてくる陽物に視線を落とした。それは鈴口からとろりと濁った液を滲ませながら、我慢汁をもう滲ませている。
喧嘩のあとの仲直りのセックスは大事だと会社の既婚者から聞いた。それは1回とか2回だろう。悪いが、啓はその回数で終わりそうにない自分の欲望のためと、その欲望に付き合わされる千歳の身体とご機嫌を伺うために動いた。
翌朝、出勤する啓を見送る千歳の姿はない。何故ならば寝室でぐっすりと眠っているためだ。
そして、午後、啓のスマートホンがメッセージを受信する。そこには昨夜、テーブルに置きっぱなしになって温くなったプリンにたいしての小言があるのだが、謝罪スタンプを送信した啓の顔は送った悲愴の表情スタンプとは正反対の笑顔だった。
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