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第十三話 救世主
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数時間後、ネルス国周辺。
「ふんぬううううううううっ!!」
巨大な斧を振りまわす、二メートルを軽く超える巨漢。 斧は何人も何人も、その刃で人の命を奪っていく。圧倒的な力だ。
巨漢の男の名はゴリオン。ヴァスティナ帝国軍の鉄壁の盾である。
ゴリオンと帝国軍の仲間たちは、ネルス国周辺の盗賊と野盗の討伐任務に就き、今現在戦闘状態にある。盗賊と野盗が手を組んだこの集団は、ゴリオンたちの活躍によって、壊滅的な打撃を被った。帝国軍に勝てないと悟り、ばらばらに逃げ出していく彼らに、追撃戦をかける帝国軍の部隊。
「逃がすな、奴らを生きて返すんじゃねぇぞ!」
「待ちやがれ悪党どもがっ!!」
「追撃戦だぞ野郎共!俺に続け!!」
あと少しで敵集団を壊滅できると、力を振り絞って戦う帝国軍兵士たち。盗賊と野盗の群れに、自分たちの武器を突き立てる。
討伐任務は全て順調だ。しかし、仲間たちが追撃戦をかけている中、ゴリオンは一人、妙な胸騒ぎを感じていた。
「ゴリオン隊長」
「なっ、なんだな?」
彼に声をかけたのは、今回ゴリオンの部隊に配属された、帝国軍第四隊所属の女性兵士、セリーヌ・アングハルトであった。ゴリオンの様子が変だと感じ、声をかけたのである。
「討伐は順調です。これならば、今日中にも作戦は終了できると考えます。何か気がかりでも?」
「心配なんだな・・・・・・。よくないことがおこる気がするだよ」
「良くない事、でありますか・・・・」
ゴリオンの胸騒ぎ。彼の言葉に、アングハルトも不安を覚える。
今現在、ヴァスティナ帝国は厳しい状況に置かれている。自分たちが帝国を離れている間に、何か問題が発生した場合、自分たちは対処が遅れてしまうからだ。
この任務は確実に、そしてなるべく早く完遂しなければならない。焦ってはならないとわかっていても、逸る気持ちを抑えられない。
特にアングハルトは、帝国軍参謀長であるリックに、ある特別な感情を抱き続けている。帝国に何かあれば、それはリックの身にも危険が及ぶだろう。それが不安でならないのだ。
「速やかに残党を駆逐し、帝国に帰還しましょう。今の我が部隊には、それしかできません」
彼女の言う通りだ。ゴリオンもアングハルトも、帝国のために出来る事は限られている。それでも、自分に出来る限られた事に、全力を出して挑む。帝国に一日でも早く帰還するために、二人は残党の討伐に歩みを進める。
「待っててくれなんだな。オラ、もうすぐかえるだよ」
ゴリオンは巨大な斧を振りかぶり、逃げ出していく敵へと目掛けて突進していく。アングハルトもそれに続き、雄叫びを上げて剣を突き立てる。
胸の内に不安を感じながらも、二人は戦い続けるのだった。
「ふんぬううううううううっ!!」
巨大な斧を振りまわす、二メートルを軽く超える巨漢。 斧は何人も何人も、その刃で人の命を奪っていく。圧倒的な力だ。
巨漢の男の名はゴリオン。ヴァスティナ帝国軍の鉄壁の盾である。
ゴリオンと帝国軍の仲間たちは、ネルス国周辺の盗賊と野盗の討伐任務に就き、今現在戦闘状態にある。盗賊と野盗が手を組んだこの集団は、ゴリオンたちの活躍によって、壊滅的な打撃を被った。帝国軍に勝てないと悟り、ばらばらに逃げ出していく彼らに、追撃戦をかける帝国軍の部隊。
「逃がすな、奴らを生きて返すんじゃねぇぞ!」
「待ちやがれ悪党どもがっ!!」
「追撃戦だぞ野郎共!俺に続け!!」
あと少しで敵集団を壊滅できると、力を振り絞って戦う帝国軍兵士たち。盗賊と野盗の群れに、自分たちの武器を突き立てる。
討伐任務は全て順調だ。しかし、仲間たちが追撃戦をかけている中、ゴリオンは一人、妙な胸騒ぎを感じていた。
「ゴリオン隊長」
「なっ、なんだな?」
彼に声をかけたのは、今回ゴリオンの部隊に配属された、帝国軍第四隊所属の女性兵士、セリーヌ・アングハルトであった。ゴリオンの様子が変だと感じ、声をかけたのである。
「討伐は順調です。これならば、今日中にも作戦は終了できると考えます。何か気がかりでも?」
「心配なんだな・・・・・・。よくないことがおこる気がするだよ」
「良くない事、でありますか・・・・」
ゴリオンの胸騒ぎ。彼の言葉に、アングハルトも不安を覚える。
今現在、ヴァスティナ帝国は厳しい状況に置かれている。自分たちが帝国を離れている間に、何か問題が発生した場合、自分たちは対処が遅れてしまうからだ。
この任務は確実に、そしてなるべく早く完遂しなければならない。焦ってはならないとわかっていても、逸る気持ちを抑えられない。
特にアングハルトは、帝国軍参謀長であるリックに、ある特別な感情を抱き続けている。帝国に何かあれば、それはリックの身にも危険が及ぶだろう。それが不安でならないのだ。
「速やかに残党を駆逐し、帝国に帰還しましょう。今の我が部隊には、それしかできません」
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「待っててくれなんだな。オラ、もうすぐかえるだよ」
ゴリオンは巨大な斧を振りかぶり、逃げ出していく敵へと目掛けて突進していく。アングハルトもそれに続き、雄叫びを上げて剣を突き立てる。
胸の内に不安を感じながらも、二人は戦い続けるのだった。
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