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第20.5話 みんな愉快な?ヴァスティナ帝国
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時刻は流れ、陽が落ちて夜中を迎えた。
調査隊四人は目的地に到着し、洋館の玄関前まで来ていた。
「ふふ、如何にも出そうなところじゃないか」
「確かにな。いっそお化け屋敷に改装して客とるか?」
「面白そうだね。ふふふ、ここまで本格的なら良い商売になりそうだ」
妖艶に、そして楽しそうに笑う帝国宰相リリカ。随分とご機嫌な様子であり、先程から妖艶な笑みが絶えない。
「なっ、なあリリカ姉さん・・・・・・ほんとに入るのか?」
「当たり前だろう、ここで入らなければ来た意味がない。どうしてそんなに嫌がる?」
「それは・・・・・・」
やはり、いつものクリスらしくない態度だ。ここに来るまで、ずっと落ち着かない様子でいた彼は、屋敷に付いた途端、中へ入るのをとにかく嫌がっていた。
屋敷の扉の前で完全に怯えている。戦場では一騎当千の活躍を見せ、どんな敵が相手でも恐れない、帝国軍参謀長の左腕である彼が怯え切ってしまっているのだ。
「クリス、もしかして恐いのか?」
「ばっ、ばっ、馬鹿な事言うんじゃねぇよ!俺がこんな屋敷恐がるわけねぇだろ!」
「そっか、じゃあ中入ろう」
「まっ、まっ、まっ、待ってくれ。まだ心の準備が・・・・・・・」
こう言う時勘の鈍いレイナは、クリスがどうして怯えているのか、全く見当が付かない。だが、リックとリリカは違う。
クリスのこれまでの様子を見て、二人は大体見当が付いてしまった。そして二人は、口元を吊り上げて笑う。それは、悪戯心からくる邪悪な笑みだった。
「・・・・・・やっぱり帰る。屋敷の調査何てくだらねぇ、行くならお前らだけで行きやがれ」
そう言って回れ右し、クリスは元来た道を引き返そうとする。ここまで来て、突然敵前逃亡しようとしているのだ。
「帰るのかい?でも、一人で帰るのは危ないかも知れないよ」
「何でだよ?」
「この近くには墓地があるらしくてね。夜中この辺を一人で歩いていると死んだ者達の霊が現れて-----」
「やっぱお前達を残して行くわけにいかねぇぜ!槍女だけが護衛だと不安だしな!!」
リリカの言葉を最後まで聞く前に、クリスは早歩きで戻って来た。
ちなみに、洋館の近くに墓地があると言う話は本当だ。
「さてリック、クリスもこの通り入る気になった。調査の開始といこう」
「了解だ、調査隊長殿」
廃墟と化した洋館調査。リックは腰のホルスターから拳銃を抜き、リリカも御自慢のモーゼル型拳銃を取り出した。
何故、無人の洋館調査のために拳銃を抜くのか?それは、これから足を踏み入れる場所が、怪しげな洋館であるからだ。
「突入するぞ」
洋館の扉には鍵が掛かっていたため、リックが拳銃を発砲し、鍵を破壊して扉を開く。
四人は洋館の中へと足を踏み入れた。
調査隊四人は目的地に到着し、洋館の玄関前まで来ていた。
「ふふ、如何にも出そうなところじゃないか」
「確かにな。いっそお化け屋敷に改装して客とるか?」
「面白そうだね。ふふふ、ここまで本格的なら良い商売になりそうだ」
妖艶に、そして楽しそうに笑う帝国宰相リリカ。随分とご機嫌な様子であり、先程から妖艶な笑みが絶えない。
「なっ、なあリリカ姉さん・・・・・・ほんとに入るのか?」
「当たり前だろう、ここで入らなければ来た意味がない。どうしてそんなに嫌がる?」
「それは・・・・・・」
やはり、いつものクリスらしくない態度だ。ここに来るまで、ずっと落ち着かない様子でいた彼は、屋敷に付いた途端、中へ入るのをとにかく嫌がっていた。
屋敷の扉の前で完全に怯えている。戦場では一騎当千の活躍を見せ、どんな敵が相手でも恐れない、帝国軍参謀長の左腕である彼が怯え切ってしまっているのだ。
「クリス、もしかして恐いのか?」
「ばっ、ばっ、馬鹿な事言うんじゃねぇよ!俺がこんな屋敷恐がるわけねぇだろ!」
「そっか、じゃあ中入ろう」
「まっ、まっ、まっ、待ってくれ。まだ心の準備が・・・・・・・」
こう言う時勘の鈍いレイナは、クリスがどうして怯えているのか、全く見当が付かない。だが、リックとリリカは違う。
クリスのこれまでの様子を見て、二人は大体見当が付いてしまった。そして二人は、口元を吊り上げて笑う。それは、悪戯心からくる邪悪な笑みだった。
「・・・・・・やっぱり帰る。屋敷の調査何てくだらねぇ、行くならお前らだけで行きやがれ」
そう言って回れ右し、クリスは元来た道を引き返そうとする。ここまで来て、突然敵前逃亡しようとしているのだ。
「帰るのかい?でも、一人で帰るのは危ないかも知れないよ」
「何でだよ?」
「この近くには墓地があるらしくてね。夜中この辺を一人で歩いていると死んだ者達の霊が現れて-----」
「やっぱお前達を残して行くわけにいかねぇぜ!槍女だけが護衛だと不安だしな!!」
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何故、無人の洋館調査のために拳銃を抜くのか?それは、これから足を踏み入れる場所が、怪しげな洋館であるからだ。
「突入するぞ」
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四人は洋館の中へと足を踏み入れた。
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