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第20.5話 みんな愉快な?ヴァスティナ帝国
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「陛下、何か気になる事でも?」
「・・・・・いや、何でもない」
いけない、つい思い出に浸ってしまっていた。
ウルスラが心配して、私に声をかけてくれたようだ。彼女のこういう優しさは、時にありがた--------。
「まだ執務は山積みです。今日中にこちらの資料にも目を通して頂きます。考え事をしている暇はありませんよ」
「・・・・・・・・」
鬼かこいつは・・・・・・。いや、彼女は最初から鬼のメイド長だったか・・・・・・。
「・・・・・ですが、本日は早朝から働き詰めですので、一旦休息の時間を取りましょう」
「そうだな・・・・・・。ウルスラ、紅茶を頼む」
「はい」
まったく、この表情鉄仮面メイド長は、厳しいのか優しいのかわからない。わかっている事と言えば、ウルスラの淹れる紅茶は絶品だと言う事くらいだ。
紅茶を淹れるために動いたウルスラ。私は執務を止めて椅子から立ち上がり、執務室の窓から空を見上げた。
雲一つない、美しい青空。まるで、帝国の平和を象徴するかのような空が、一面に広がっていた。
「今日は天気がいい・・・・・・」
「では、外でお茶会など催されては如何でしょう。きっと良い気分転換になります。リリカ様をお呼び致しましょうか?」
「いや、リリカは呼ばなくていい。あれの相手は疲れる」
そうだな。せっかくの良い天気だ、今日はいつもと趣向を変えよう。
「ウルスラ、今日はお前が私の相手だ」
「私が・・・・・ですか?」
「偶には私が紅茶を振る舞おう。不服か?」
「・・・・・・いえ、決してそのような事は御座いません。そのお茶会、謹んでお受け致します」
彼女とゆっくりお茶を楽しむのも、悪くない。それに彼女は、今日もずっと私に付き合っている。そんな彼女に休息を与える事ができるのは、私しかいない。
今日も彼女は、仕事を終えたら寝室に向かい、あの可愛らしいパジャマに着替えて眠るだろう。日々疲れ切って、死んだように眠る彼女は、自分の全てを私のために使ってくれている。
ならば私のすべき事は、そんな忠義者に対して褒美を与える事だろう。働き詰めである彼女への、お茶会と言う名の休息を与えるのもまた、私の仕事だ。
「陛下の紅茶など、久しく頂いておりませんでしたね。淹れ方をお忘れになってはいませんか?」
「馬鹿にするな」
私はもうメイファではなく、ウルスラ配下のメイドではない。
だが私とウルスラは、この先も共に歩み続け、この国のために尽くし続けるだろう。私達の愛する、ユリーシア姉様が守り続けた、この国のために・・・・・・・。
この後、お茶会の席でウルスラに紅茶を淹れたが、久しぶりだったせいか上手くいかず、彼女に大いに駄目だしされた。しかも、その場で紅茶の淹れ方を再指導されてしまった。
ああ・・・・・、今度から彼女の前では調子に乗らない様にしよう。恥ずかしい思いをするだけだ。
~終~
「・・・・・いや、何でもない」
いけない、つい思い出に浸ってしまっていた。
ウルスラが心配して、私に声をかけてくれたようだ。彼女のこういう優しさは、時にありがた--------。
「まだ執務は山積みです。今日中にこちらの資料にも目を通して頂きます。考え事をしている暇はありませんよ」
「・・・・・・・・」
鬼かこいつは・・・・・・。いや、彼女は最初から鬼のメイド長だったか・・・・・・。
「・・・・・ですが、本日は早朝から働き詰めですので、一旦休息の時間を取りましょう」
「そうだな・・・・・・。ウルスラ、紅茶を頼む」
「はい」
まったく、この表情鉄仮面メイド長は、厳しいのか優しいのかわからない。わかっている事と言えば、ウルスラの淹れる紅茶は絶品だと言う事くらいだ。
紅茶を淹れるために動いたウルスラ。私は執務を止めて椅子から立ち上がり、執務室の窓から空を見上げた。
雲一つない、美しい青空。まるで、帝国の平和を象徴するかのような空が、一面に広がっていた。
「今日は天気がいい・・・・・・」
「では、外でお茶会など催されては如何でしょう。きっと良い気分転換になります。リリカ様をお呼び致しましょうか?」
「いや、リリカは呼ばなくていい。あれの相手は疲れる」
そうだな。せっかくの良い天気だ、今日はいつもと趣向を変えよう。
「ウルスラ、今日はお前が私の相手だ」
「私が・・・・・ですか?」
「偶には私が紅茶を振る舞おう。不服か?」
「・・・・・・いえ、決してそのような事は御座いません。そのお茶会、謹んでお受け致します」
彼女とゆっくりお茶を楽しむのも、悪くない。それに彼女は、今日もずっと私に付き合っている。そんな彼女に休息を与える事ができるのは、私しかいない。
今日も彼女は、仕事を終えたら寝室に向かい、あの可愛らしいパジャマに着替えて眠るだろう。日々疲れ切って、死んだように眠る彼女は、自分の全てを私のために使ってくれている。
ならば私のすべき事は、そんな忠義者に対して褒美を与える事だろう。働き詰めである彼女への、お茶会と言う名の休息を与えるのもまた、私の仕事だ。
「陛下の紅茶など、久しく頂いておりませんでしたね。淹れ方をお忘れになってはいませんか?」
「馬鹿にするな」
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ああ・・・・・、今度から彼女の前では調子に乗らない様にしよう。恥ずかしい思いをするだけだ。
~終~
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