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「着いたよ。ここが目的地だよ。」

「結構奥まで来たんだな。でも、この先にいるんですよね。」

「そうだよ。この先にある洞窟の中にたくさん生息しているんだよ。」

俺たちは、森の中を進んでいった。
「そろそろ着く頃だと思うけど……」

「あっ、なんか見えてきたぞ。あの村か?」
「そうだよ。もう少しだね。」
「よし、じゃあ行くか」
「待って。その前に作戦を確認しておくよ。まず、私が一人で先行して、オーク達を引き付けるから、真人君は私の後ろからついてきてほしいんだ。」
「了解。」

「それで、ある程度引き付けたら戦うから真人君は、私の後ろに隠れていてほしいんだ。」
「分かりました。」
「よし、じゃあ行こうか」
俺たちは、オークがいると思われる場所へ向かった。

すると、そこにはたくさんのオークがいた。
「アリアさん!危ないっ!!」
アリアさんの背後からオークが迫っていた。
「大丈夫。心配しないで」
そういうと、彼女は手に持っていた槍でオークを突き刺した。

「グギャアァッ!!!」
断末魔をあげて、オークは倒れた。

「す、凄いなぁ……。あんなに強かったなんて知らなかった。」

「ふふん♪これくらい余裕よ」
彼女は誇らしく笑った。

すると、次の瞬間……
「グルルルル……」
「嘘だろ?まだいるのかよ。」

さらに2体もの特大オークが現れた。
「流石にこの数はキツいわね……」
「ここは俺に任せてください」

俺は、アイテムボックスから剣を取り出した。

「アリアさん!この剣を使って下さい!」
「これは……?剣なの?見たことない形だけど……」

「はい!これは、オーダーメイドで作った剣です。性能は保証します」

「そう、なら使わせてもらうわね」
彼女は剣を手に取ると、剣を抜き放った。
その刀身は美しい銀色をしていた。
「綺麗……!まるで鏡みたいね」

「はい、この剣は俺の最高傑作なので、大切に使ってくださいね」

「ええ、もちろんよ。それじゃあ、行ってきます」
彼女は、オークに向かって駆け出した。

「私に、力を貸りてちょうだい」
彼女は、剣を振って、一体のオークを倒した。
「やったわ!」

残りの1体は、逃げ出そうとしていた。
「逃さないわよ」
彼女は素早く動き、オークの背後に回り込み、首を斬った。

「これで終わりね」
彼女はこちらを振り向くと言った。

「ありがとう!おかげで助かりました」
「いえ、気にしなくていいのよ。それより早く町に帰りましょ」

「そうですね」
俺たちは街に戻った。

「戻ってきたね。どうだった?」

「はい、緊張しましたけどアリアさんのおかげで助かりました」

「それは良かった。報酬も用意してあるから受け取って」
「ありがとうございます」

こうして、俺は無事装備作りの依頼を達成することができた。

俺とアリアは、ギルドで装備を受け取った後、宿で休憩をとっていた。

ちなみに、装備の名前は、銀狼の剣というらしい。
アリアが装備していると、とても似合っていた。

その後、俺はアリアと別れると、自分の部屋に戻り、ベッドの上で寝転んでいた。俺は、自分の作った装備が冒険者に喜ばれるのを見て嬉しかった。

それに、アリアと過ごす時間はとても楽しかった。

だが、アリアは勇者だ。いつかは魔王を倒すために旅立ってしまうだろう。
俺は、そんなことを考えているうちに眠ってしまった。

朝起きると、外では雨が降っていた。今日は特に予定がないので、ゆっくりしようと思っていた。

だが、ドアをノックする音が聞こえたので、外に出てみるとアリアが立っていた。
しかも、傘をささずにびしょ濡れになっていたのだ。

俺は慌ててタオルを渡した。すると、彼女は微笑んで言った。

「ありがとう。でも、私は大丈夫だから」
「いや、全然大丈夫じゃないでしょ!風邪引きますよ!」

「本当に大丈夫だってば」

「なんでそこまでして来たんですか!」

「昨日のお礼を言いたくて来たの」
「お礼なんていいんですよ。当然のことをしただけだから」

「それでも感謝したいの。ありがとう」
「分かりまし。じゃあ、とりあえず中に入って下さい」
「うん。ありがとう」
俺は、彼女を部屋に招き入れた。

「服を脱いで、これを着てください」
「えっ?どうして?」
「このままだと、風邪を引くかもしれないでしょ?ほら、早く」
「分かったよ」
彼女は渋々了承した。

「着替え終わりました?」

「うん。サイズはピッタリだよ」

「そうですか。じゃあ、風呂を沸かすので後で入って下さいね」

「えっ?一緒に入るつもり?」
「違いますよ!体を温めるために、風呂に入った方がいいと思ったんです!」

「なんだ、そういう事か。びっくりさせないでよ」
「ごめん、ごめん」
「もう、仕方がないなぁ」

彼女は頬を膨らませながら、浴室に向かった。

しばらくして、彼女が出てきた。
「ふぅ~。温まった~」
「じゃあ、僕もも入ってくるから、適当にくつろいでてください」

俺は、入浴を終えたあと、アリアに話しかけた。

「あの、アリアさん……」
「なにかしら?」
「これからの旅についてなんだけど……」
「もしかして、私と一緒に行く気になったの!?」

「いや、そういう訳じゃないんですけど……」
「なんだ、そうなの……」

彼女は少し残念そうな顔をした。

「ただ、危険な目に遭う可能性があるのに、一人だけで行かせるのは心配だと思って……」

「優しいのね。あなたは」
「まぁ、一応は依頼を引き受けたわけだし……」

「そうね……。なら、私からも一つお願いがあるの」

「何ですか?」
「私に敬語を使うのをやめてほしいの」

「どうして?」
「勇者といっても、まだ18歳の少女だからね。違和感を感じるの」

「なるほど、分かりました」

「よろしくね!」
「ああ、分かった」

こうして、俺達は二人の距離感は縮んでいった。
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