スキルは未来を知るだけ!

無能な健常者のマサ

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死んで生き返っても地獄

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人は配られたカードで人生を歩まないといけない。なのに配られたカードは障害者というハードモード全快のクソカード。
30を過ぎても定職に就けずに医者に診てもらったら知的障害なしの自閉症、さらに双極性障害。もはや、詰んでいる。障害手帳はとれるが障害年金はもらえないクズ状態だ。親は諦めて家の仕事をさせてニート回避状態にしている。妹たちは嫁いで幸せに暮らしている。もはや、この状態に未来はない。しかたなく、近くの海でぼんやりしていて死を覚悟して入水。ここは流れが速くて泳げる人でも溺れる格好の自殺ポイントである。私は願った。たとえ、障害者で産まれても認めてくれるところで産まれたかったと。そういって静かに目を閉じた。ここで終わってよかったのか。
静かに目を開けるとそこは砂浜だった。
「ああ、死ねなかったのか。」
私は、また、死ねなかったことを後悔してとぼとぼ歩く。そうしているとなにか違う。干物臭い。あと、なんでか、防波堤やテトラブロック、いつもある灯台がない。
「ああ、流されて無人島にでも流れ着いたか」
その時はその程度の感覚だった。しかし、一瞬放たれた棒切れで我に還った。
「いて!」
明らかに虫に刺されたのでない。これは包丁で切ってしまったときの痛みと似ていて顔から血が出ている。しかも、めっちゃ、いたい。
「いってえーーー!」
そんなことを言っていたら伊予弁で
「なんや、変な南蛮人やな?捕まえてのら作業でもやらすか?」
150センチくらいだが、相撲取りみたいに太ったおっさんが弓矢と腰に刀差して俺を脅している。
「あの、これはドッキリですか?」
私は、震えながら尋ねた。
「なにをけったいなことをいいよんじゃ。己みたいな南蛮人なんてうっぱらってしまってもええんや。さっさと立ってあるんけ!」
なまりや伊予弁でしゃべるが時代劇や祖父母の伊予弁を聞いていたのでだいたいはわかる。しかし、ドッキリにしては過激である。
「あの、これはニートや障害者更正のためのプログラムですか?」
「なにをよもだいっとんだ。にいとやぷろぐらむなんてわけわからんこというな。この伊藤大吉様のいうことを聞いて働くんだ。」
まじでこれはやばい。訳がわからんがおれは奴隷にされるんだ。そのときである。
「大吉、なにをやっとんだ!」
大柄の漢がクワを持って大声で怒鳴った。
「なんじゃ、作兵衛ののらか。わいのもんにけちつけんなや!」
「やかましいわ!人買いは、河野様から禁止されとるやろ。おまえみたいな足軽風情がそんなことしたら村のもんが迷惑する。そいつは名主様の、もとに連れていく」
「なにをぬかすんだ!わしらは食えんからこうしとんじゃ。一条家のせいで村の作物はほとんどやられておまえのところも食えてないやろ。分け前やるから黙っとれ!」
どっちも譲らない。ここは逃げるか。しかし、大柄な漢は立ち塞がり、
「なら、わいを弓で射つなり、刀で切り殺せ!けどな、人買いと人殺しは仏は許しても村のもんは許さんぞ!」
そういうと大吉は弓をひいてすごすご背を向けた。そして、去り際に
「息子の変わりにするんか?息子は戦でおっちんでポンの溜池で死んだんやろ」
ポンてなんや、ポンカンか?木の下で死んだんか?メルヘンチックだな。
そう思っていると大柄な漢は私の手を掴んで立たせた。
「けったいな、服でうろちょろしとるからこんな目に合うんや。ああ、びしょびしょやんか。うちの家に来い。乾かしてから名主様に、会わす。」
そういって歩き始めた。明らかに違う世界みたいだが見たような光景が広がる。
「ここは、どこですか?」
「なにを言っとる。ここは伊予の国、松前村だ!」
はあ?松前村?いつから少子化で町から村に格下げされたんだ?と思ってたら村人が話しかけてきた。
「作兵衛さんよ。また、大吉が悪さをしたんか?あいつは身体はぶといが性根が腐っとる。前も身体の小さいやつをいじめて銭をせしめて作兵衛さんのせいにしとった。作兵衛が偉そうにするからわいがイライラする。だから、うさをはらすんだと。それどころかその銭を役人に渡してええ格好する」
よく学校に一人はいる偉そうで無能なくせに人気ないくせに先生の前ではいいこでいる虫のすかないやつ。
「作兵衛さん、この若造はなんや?」
「こいつは、名主様のところへ行かす。たぶん、安岐らへんから難破したんやろ。」
あき?そんな、地名、昔だろ。
「そうか、息子さんに、にちょるから隣村に養子に出した弟かと思うたわ。」
「なにを言っとるんだ。さっさと行くわ。このガキが風邪を引く。」
そういって村人とわかれた。
「真之助は死んだんや。」
小声で作兵衛は呟いた。
30分ほど歩くと茅葺き屋根の家に着いた。
「ここでまっちょれ。」
「かっかあ!けえったぞ。湯を沸かしてくれ」
明らかにセットではない。というか、じいさんが昔、見せてくれた戦前の写真のまんまやん。
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