世界のためなら何度でも

つぼっち

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第九章、イカれた道化と戦闘メイド

#160 超機械大国の女王

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私は元は超機械大国ムーの由緒ある王族、ナターシャ家の長女だったの。

もともと天才として生まれてきた私はさらに英才教育を叩き込まれてみるみるうちに天才美少女へとなっていき、次の女王候補にまで登ったの。

あの時は楽しかったわよ、従者に言えばなんでもさせてくれたしなんでもくれたし気に入らない人がいれば消してもらえたし。

でも私が女王になってから少し経ってそんな幸せも途絶えてしまった。

隣国の国王達が私の国をよく思わなかったのか同盟を組んで叩き潰してきたのよ。

私の国は機械大国だったからその戦闘力はピカイチ。

弱小な国なんて一瞬で片づいたわ。

結果その力を恐れられて滅亡しちゃったんだけどね。

そのあと私は捕まっちゃって処刑されることになったの。

ほら処刑って痛そうだし怖いじゃない。

だから脱出して自殺にしとこうと思って檻を抜け出して街を歩いてた。

あの光景は凄かったわ。

血に濡れて動かなくなった機械兵器。

武器が刺さったまま動かなくなった人間。

逃げ遅れたのか瓦礫に挟まれて潰された親子。

どの人も絶望の死顔で死んでいたわ。

その時思ったのよ、



とっっっっっっっっっっっっっっっっっっっても素敵だったわ!!!!


あの光景がもっと見たかった。

だから自殺なんてやめてただひたすら人を殺し続けたの。

最高のシチュエーションで殺してきたわ。

そこをアレちゃんに拾われたの。





「どうだった?私の最高の生い立ちは。」

「気持ち悪いです。」

「あらそう?人によって感じ方は違うものなのね。」

リンはニコニコしながら数歩下がる。

「私はアレちゃんに拾われた時絶望した、もう人を殺せなくなると。でも違った、私好みの最高の絶望を見せてくれるって言われたの。だから私はアレちゃんについていく。」

するとそこには同じく数歩下がってきたアレイスターの仲間の男が。

「私は最高の絶望が欲しい。」

「俺は最高の希望が欲しい。」

「「だから仲間になった。私俺達、そしてアレイスターの願いの邪魔はさせない!!!!」


ゼロはミルドと背を合わせる。

「勝てる?」

「分からん。」

「マスターは?」

「上で頑張っている。」

「だったらやることは一つね。」

「あぁ。」

「「絶対に阻止する!!」」
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