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YaeTubeデビュー?!
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波乱の料理大会が終わり、さっさとみんなを追い出した後、俺と千代はリビングのテレビで景の出演しているドラマを見ていた。
「お姉ちゃん、仕事の時はほんとに人格変わるよね」
千代がやたら長いグラスでジュースを飲みながら言った。
「あと可愛い」
俺はその隣で、コーヒーをすすりながら言った。
「お姉ちゃんは気づいてないだけで、お姉ちゃんのこと狙ってる人結構いるんだよ」
「へ~」
ついさっきまでが騒がしすぎて、今この時間がとても幸せに感じる。
俺はもう一口、コーヒーをすすって独り言のように言った。
「景はあの天然を発揮しなければ千代並みにモテるんだよな~」
「お姉ちゃんかっこいいから女子にもモテるしね~」
「え、それ初耳」
テレビの中の景も驚いた表情をしているのは偶然だろうか。
しばらく沈黙が流れた。
「じゃあ景の性格を知らない人は、テレビの景しか知らないのか」
ふと思いついたように言うと、千代が
「うん、それ今気づいたみたいに言ってるけど、当たり前のこと言ってるからね」
最近の千代はちょっと冷たい。
コーヒーを飲みほした俺は、カップをテーブルに置きベッドに寝そべった。
千代もつられたのか、長いグラスを置いてベッドにダイブしてきた。
実は食後にこうやってだらだらと寝ながらスマホを見るのが日課だったりする。
俺はいつもSNS関連を巡回している。
千代はというと、俺と同じようにSNSをみていたり、たまに動画サイトで動画を見ていたりする。
以前こっそりのぞいたことがあったが、プレス機で物をつぶしたり、スライムや固形石鹸をいじくりまわしたりと、いまいち面白さがわからなかった。
俺は今日もいつも通り、SNSでエゴサをしていると、千代が俺の腹をポンポンたたきながら言った。
「おにいちゃん」
「なんだ」
「YaeTube始めてみるってのは、どう?」
「え、始めるって、千代が?」
「うん。正確には私とお姉ちゃんで。お姉ちゃんの可愛さはそこそこ人気出ると思うんだ~」
「え、てかあれそういう動画もあんの?」
「もちろん。逆にどんなだとおもってたの?」
「いや、べつに・・」
破壊と自己満足しかないと思っていたなんて言えない。
俺は軽く咳払いをして聞いた。
「なにか考えはあるのか?」
千代は身体を起こして俺を見つめている。
「例えば、<人気女優 日向景のモーニングルーティーン>、みたいな」
「何それめちゃ見たい」
「でしょ?」
はじめはそう思ったものの、兄の俺でも惚れるくらい可愛いのだ、そんな景の私生活なんて公開した日には景が外出するたびにボディーガードを付けなければならなくなる。
「あ、お兄ちゃん、今また過保護スキル発動してたでしょ」
妹にあっさり心を読まれ、まごつきながら言い訳をしたが、あまり効果はなかったみたいだ。
「でさ、どう思う? YaeTuerデビュー」
「うーん。まあ二人ならそこそこ人気出るだろうし、宣伝にもなるからなあ」
俺はしばらくスマホを見ながら考え込んで、
「景が帰ってきたら聞いてみなよ」
「うん!」
のちに気付いたのだが、もし本当にやることになったら、なんやかんや俺の仕事が増えるのでは?
うん、よし、板谷にやらせよう。
「お姉ちゃん、仕事の時はほんとに人格変わるよね」
千代がやたら長いグラスでジュースを飲みながら言った。
「あと可愛い」
俺はその隣で、コーヒーをすすりながら言った。
「お姉ちゃんは気づいてないだけで、お姉ちゃんのこと狙ってる人結構いるんだよ」
「へ~」
ついさっきまでが騒がしすぎて、今この時間がとても幸せに感じる。
俺はもう一口、コーヒーをすすって独り言のように言った。
「景はあの天然を発揮しなければ千代並みにモテるんだよな~」
「お姉ちゃんかっこいいから女子にもモテるしね~」
「え、それ初耳」
テレビの中の景も驚いた表情をしているのは偶然だろうか。
しばらく沈黙が流れた。
「じゃあ景の性格を知らない人は、テレビの景しか知らないのか」
ふと思いついたように言うと、千代が
「うん、それ今気づいたみたいに言ってるけど、当たり前のこと言ってるからね」
最近の千代はちょっと冷たい。
コーヒーを飲みほした俺は、カップをテーブルに置きベッドに寝そべった。
千代もつられたのか、長いグラスを置いてベッドにダイブしてきた。
実は食後にこうやってだらだらと寝ながらスマホを見るのが日課だったりする。
俺はいつもSNS関連を巡回している。
千代はというと、俺と同じようにSNSをみていたり、たまに動画サイトで動画を見ていたりする。
以前こっそりのぞいたことがあったが、プレス機で物をつぶしたり、スライムや固形石鹸をいじくりまわしたりと、いまいち面白さがわからなかった。
俺は今日もいつも通り、SNSでエゴサをしていると、千代が俺の腹をポンポンたたきながら言った。
「おにいちゃん」
「なんだ」
「YaeTube始めてみるってのは、どう?」
「え、始めるって、千代が?」
「うん。正確には私とお姉ちゃんで。お姉ちゃんの可愛さはそこそこ人気出ると思うんだ~」
「え、てかあれそういう動画もあんの?」
「もちろん。逆にどんなだとおもってたの?」
「いや、べつに・・」
破壊と自己満足しかないと思っていたなんて言えない。
俺は軽く咳払いをして聞いた。
「なにか考えはあるのか?」
千代は身体を起こして俺を見つめている。
「例えば、<人気女優 日向景のモーニングルーティーン>、みたいな」
「何それめちゃ見たい」
「でしょ?」
はじめはそう思ったものの、兄の俺でも惚れるくらい可愛いのだ、そんな景の私生活なんて公開した日には景が外出するたびにボディーガードを付けなければならなくなる。
「あ、お兄ちゃん、今また過保護スキル発動してたでしょ」
妹にあっさり心を読まれ、まごつきながら言い訳をしたが、あまり効果はなかったみたいだ。
「でさ、どう思う? YaeTuerデビュー」
「うーん。まあ二人ならそこそこ人気出るだろうし、宣伝にもなるからなあ」
俺はしばらくスマホを見ながら考え込んで、
「景が帰ってきたら聞いてみなよ」
「うん!」
のちに気付いたのだが、もし本当にやることになったら、なんやかんや俺の仕事が増えるのでは?
うん、よし、板谷にやらせよう。
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