チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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4-162.反論

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「これはこの動画を公開するのが一番手っ取り早いかもしれないな」
片方に記入された日付の動画を確認していると確かにその女と接触があった
『ねぇシア、私が結婚してあげるからあの子と別れてよ』
町に入ってすぐに絡んで来た女だ
最初は無視してたけどしつこくまとわり付いてきた
『ねぇ待ってよ!絶対私の方が相応しいし、シアの為ならなんだってしてあげるから!』
映像の中の俺は掴んで来た腕を振り払う
『何でもしてくれるって言ったな?』
『ええ!』
満面の笑みで頷く女
『だったら二度と俺に近づくな、声もかけるな』
『え…?』
『お前みたいな自意識過剰女に興味はない。俺はレティしかいらないしレティとしか結婚もしない。次に俺に触れようとしたら殴り飛ばすからな』
吐き捨てる様に言って終了
もう1件も面白い程似た様な状況だった

「うわ~」
レティが残念そうな顔で俺を見る
「何だよ?」
「これは知らなかったなと思って」
「全部知りたいなら毎回教えるぞ?」
基本レティと行動してるとは言え依頼なんかはマリクたちと組むこともあるし、父さん達と迷宮に潜ることもある
なぜかそういうタイミングを狙って声をかけて来るんだよな
だから余計に一人では行動したくなくなる
レティが側に居なければ何とかなると思ってるみたいだけどむしろ逆
レティというストッパーが無いってことがどういうことか考えてもらいたいものだ

「遠慮しとく」
「そうか?」
「うん。だって全部似たり寄ったりなんでしょう?」
「まぁそうだな。いっそ人形作って同じ返答させてやりたいくらいには似てるな」
「人形って…」
レティが呟くなり笑い出す

「随分楽しそうだが反論の材料は揃ったのか?」
司祭が入ってきた
「ああ、これだ」
必要な部分をコピーした魔石を渡す
「1日中流してても半年くらいもつから思う存分流してくれ」
「それはいい。2件とも入り口の側で公開しておこう。今後この者達の婚姻の届け出は受理しないという一言も添えてな。さっきの1件は領主様次第だが…」
つまり結婚を考える男がこの3人を候補に入れることは無いということだ
それ以前にまともな精神をしていれば、教会からペナルティを食らうような人間を相手にしたいとは思わないだろう
「流石にそれを見てさらに虚偽の申告をしようとは思わないわよね?」
「さぁ馬鹿はどこにでもいるからな。でも抑止力程度にはなるんじゃないか」

予想はしてたけどこの3件の反論は瞬く間に広まった
動画に納められている以上逃れることは出来ない
更に領主からの通達がトドメとなった
『このようなすぐに嘘と分かる幼稚な訴えを行う者が我が領にいたとは嘆かわしい。婚姻という門出を故意に汚す行いは今後処罰の対象とする』
処罰という言葉にそれを目にした人たちは思わず立ち止まる
虚偽の申告が記録されることも初めて知った人は多い
結婚できなくなるだけでなく処罰、つまり犯罪者となるという現実は重い
そしてその処罰の内容まで記されていた
「名前と虚偽申告及び反論の内容を公開、罪状を記した札を下げ地域奉仕3か月」
「罪状は…妄想による迷惑行為…?」
「妄想…」
確かに妄想と取れなくもないか?
レティと二人複雑な心境になる中、司祭だけはいい顔で笑っていた
このコーラルさんの通達のおかげかこの後異議の申し立てはなくなった
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