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5-178.誕生
1
町が高ランク冒険者の滞在でにぎわっている中マリクがやってきた
普段は誰よりも落ち着いているマリクがここまで全速力で走ってきたのか息を切らせている姿は珍しい
「生まれた!」
今まで見たことがないほどの、喜びで緩み切った顔で飛び込んできたマリクにみんなが一瞬静まり返った
「黄色い髪にエメラルドの眼の元気な男の子だ。クレイと名付けた」
感極まる感じで続けたマリクに次の瞬間歓声が沸き、みんながお祝いの言葉をかける
ちび達は自分たちより小さい存在ができたことにはしゃぎまくりだ
どうも面倒を見るのが好きらしい
もちろん俺とレティも心からの祝いの声をかけた
「ローラも無事か?」
「ああ。泣いて喜んでた」
そう言うマリクの目にも涙がたまっていた
自分の血を引いた唯一の家族だから当然なのかもしれない
マリクにとってカルムさん達は育ての両親とはいえ本当の両親同様したっていることは知っている
家族だとはっきり言える関係を築いていることも
でもそういう理屈ではない部分でのつながりはかけがえのないものなのかもしれない
それはレティにとっての腹の中の子も同じだろう
「黄色の髪にエメラルドの眼とは…しっかり2人の色を引き継いだか。よかったな」
「とにかく無事に生まれて何よりだ。落ち着いたらこっちにも連れてこい」
嬉しそうに言うカルムさんにマリクは大きく頷いて返していた
カルムさんとナターシャさんにとっての初孫だもんな
多分今夜は主役なしのパーティーだろう
カルムさんと父さんは明け方まで飲み続けることになるか?
そんな未来が当然のように浮かぶことに苦笑する
「レティシアナにローラからの伝言だ」
「私に?」
「ああ。息子、クレイの一番の親友が無事に生まれることを祈ると」
マリクの言葉にレティの目に涙が浮かぶ
妊娠がわかってからお互いに支え合ってきた2人だからこそ感じることがたくさんあるんだろう
不安も楽しみも俺よりもはるかに大きいはずだしな
「…ありがとうって伝えて。おめでとう、とも」
「わかった」
そんなレティの気持ちを汲み取ったかのようにマリクは頷いた
「シア、お前のそばにいれそうにない。すまない」
「それはお互い様だろ?」
俺だってマリクのそばにいれなかった
でもその代わりにマリクのそばにはギルマスやキアナさんがついてくれていたし癒しの力を持つ妖精にお願いしてローラのそばについてもらっていた
母さんとナターシャさんも今日はギルドの方に行ってるから立ち会ってたんじゃないかと思う
ただ、別室で待ってるのがギルマスとマリク、多分だけどリアムの3人だけだったはずだ
「なんでかわかんねぇけどロイさん達『黒煙』とルークが一緒にいてくれて心強かった」
「は?」
それはさすがに想定外だ
「ナターシャに引っ張られていったんじゃないか?」
とはカルムさんの談
うん。十分あり得る
ルークはきっとたまたまそばにいたんだろう
「まぁ、マリクの周りに人がいたならそれでいっか」
物心つく前から支えてくれてる兄貴分が一人で耐えてたんじゃなければ何よりだ
普段は誰よりも落ち着いているマリクがここまで全速力で走ってきたのか息を切らせている姿は珍しい
「生まれた!」
今まで見たことがないほどの、喜びで緩み切った顔で飛び込んできたマリクにみんなが一瞬静まり返った
「黄色い髪にエメラルドの眼の元気な男の子だ。クレイと名付けた」
感極まる感じで続けたマリクに次の瞬間歓声が沸き、みんながお祝いの言葉をかける
ちび達は自分たちより小さい存在ができたことにはしゃぎまくりだ
どうも面倒を見るのが好きらしい
もちろん俺とレティも心からの祝いの声をかけた
「ローラも無事か?」
「ああ。泣いて喜んでた」
そう言うマリクの目にも涙がたまっていた
自分の血を引いた唯一の家族だから当然なのかもしれない
マリクにとってカルムさん達は育ての両親とはいえ本当の両親同様したっていることは知っている
家族だとはっきり言える関係を築いていることも
でもそういう理屈ではない部分でのつながりはかけがえのないものなのかもしれない
それはレティにとっての腹の中の子も同じだろう
「黄色の髪にエメラルドの眼とは…しっかり2人の色を引き継いだか。よかったな」
「とにかく無事に生まれて何よりだ。落ち着いたらこっちにも連れてこい」
嬉しそうに言うカルムさんにマリクは大きく頷いて返していた
カルムさんとナターシャさんにとっての初孫だもんな
多分今夜は主役なしのパーティーだろう
カルムさんと父さんは明け方まで飲み続けることになるか?
そんな未来が当然のように浮かぶことに苦笑する
「レティシアナにローラからの伝言だ」
「私に?」
「ああ。息子、クレイの一番の親友が無事に生まれることを祈ると」
マリクの言葉にレティの目に涙が浮かぶ
妊娠がわかってからお互いに支え合ってきた2人だからこそ感じることがたくさんあるんだろう
不安も楽しみも俺よりもはるかに大きいはずだしな
「…ありがとうって伝えて。おめでとう、とも」
「わかった」
そんなレティの気持ちを汲み取ったかのようにマリクは頷いた
「シア、お前のそばにいれそうにない。すまない」
「それはお互い様だろ?」
俺だってマリクのそばにいれなかった
でもその代わりにマリクのそばにはギルマスやキアナさんがついてくれていたし癒しの力を持つ妖精にお願いしてローラのそばについてもらっていた
母さんとナターシャさんも今日はギルドの方に行ってるから立ち会ってたんじゃないかと思う
ただ、別室で待ってるのがギルマスとマリク、多分だけどリアムの3人だけだったはずだ
「なんでかわかんねぇけどロイさん達『黒煙』とルークが一緒にいてくれて心強かった」
「は?」
それはさすがに想定外だ
「ナターシャに引っ張られていったんじゃないか?」
とはカルムさんの談
うん。十分あり得る
ルークはきっとたまたまそばにいたんだろう
「まぁ、マリクの周りに人がいたならそれでいっか」
物心つく前から支えてくれてる兄貴分が一人で耐えてたんじゃなければ何よりだ
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