チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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バルドさんの結婚式のドタバタも落ち着いてようやく日常が戻った頃、俺は久しぶりに休みの日に町に出た
今月は最後の5階層に挑んで中級迷宮が踏破できるはずのところまで順調に来てる
そして来月には誕生日がやって来る
旅に出る条件の残りの2つ、『中級迷宮を踏破する』、そして『俺が成人する』その達成がようやく見えて来た
出発は俺が成人した翌月にする予定でルークたちとは話を進めてる

「あと2か月なんだよな」
その頃にはこの町から離れてセトイカを目指す
ケインの気持ちを伝えるための一言だった手紙は少しずつ文章の形を持った手紙になって来てる
きっと旅の間に沢山の手紙を送って来るんだろう

「シアじゃないか。休みの日に出て来るなんて珍しいな?」
「ああ。ちょっと買いだめしときたいものがあって」
商会の親父は目ざとく俺を見つけたらしい
すぐに寄って来て今日は何を買うのかと根掘り葉掘り聞いてくる

「とりあえず紙が欲しいんだけど」
探すより楽だと思いそう告げる

「紙か?珍しいもんを…」
「置いてないのか?」
「いや、置いてはいるが値は張るぞ?」
「…誰に聞いてる?」
「あぁ、お前なら問題ないか」
親父は豪快に笑いながらそう言うと、こっちだと誘導しながら歩き出す
かなり奥の隅っこにたどり着いた時点で聞いて正解だったと心底思った

「この辺りがそうだな」
そこには箱にぎっしり詰められた状態の紙が大量に積まれていた

「これ、売る気あんの?」
「…売る気はあっても買い手はいねぇな。紙なんざ高級品だ。かといって貴族はわざわざこんな店に買いに来ることは無い」
「あぁ…持って行く方だっけ?」
「そうなるな。とにかくここ以外には置いてないから好きなように見てくれればいい」
「分かったよ」
俺は箱の中を確認していく

「大きさが3種類、それぞれに厚みの差が2種類か」
つまり6種類の紙しかない
それでもあるだけマシなんだろうと思いながら適当な量を手に取っていく

「ケインの分も買っといてやるか」
旅の期間は1年くらいの予定だから…
途中の小さな町で補充できるとは限らない
そう考えれば1年分をここで補充する方が賢いかもしれない
元々持ってたのは数十枚程度だからとても足りない
結局かなりの量を購入することになった

「…本当にこんなに必要なのか?」
「まぁ、ちょっと色々あって」
「そうか。こっちとしては助かるし構わないがな」
「在庫抱えてもしょうがねぇもんな。あ、もしかしたら半年後くらいに母さんたちが補充に来るかも」
「サラサ達が?なら一応覚えとくよ」
母さんたちが買いに来ても多分似た様な買い方になると思ったんだろう
俺は金を払って商品をインベントリにほりこむと商会を出た

「これを渡したらケインの奴喜ぶかな」
そんなことを考えていたせいで油断した
普段通り人の少ない路地に踏み入れた途端嫌な感じがした

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