チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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36.屈辱

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「ねぇ、何か声が聞こえない?」
シャノンがそう言いだしたのは出発して2週間が過ぎた頃だった

「声?」
俺達は一旦立ち止まり耳を澄ませた
確かに何か聞こえる

「…行くぞ」
「え?シア?」
「多分誰かが襲われてる」
俺がそう言うと2人は顔を引き締めてすぐについてきた
少しずつ大きくなる子供の泣き声と魔物のうめき声

「あそこだ。1匹」
「僕は奥に回り込む」
「了解」
ルークは言うなりスピードを上げた
その速度には到底追いつけない

「シャノンはまわりを警戒」
「分かった」
シャノンが頷いたのを見て俺は子供に襲い掛かろうとしている魔物と対峙する
後ろ足を怪我しているせいか、かなり興奮してるのが分かる

「ルーク、子供を頼む」
「了解」
視線を交わし頷き合うと同時に動きだす
俺は魔物に魔法を放ち、ルークは子供を抱き上げ距離を取る
手負いの魔物は行動を読むのは難しい
最善の策は即死させること
そして距離を取ること
距離を取るのは飛散る血や体液に毒が混ざってる可能性があるからだ

「大丈夫か?」
ルークはすぐさま子供に怪我がないかを確認した

「怪我はないみたいだ」
その言葉に俺もシャノンもホッとする

「他に気配はないし大丈夫だね。でも手負いの魔物が何でこんなところに?」
「分かんねぇ。でもこの傷口は罠から逃げだした感じだな」
挟み込まれたような傷跡は討伐などではあまり見ない

「とりあえずこの子を何とかしないとだけど…」
ルークにしがみ付いたまま泣き続けている子供
まだ3歳くらいの男の子だ

「こんな小さな子が一人でこんなところにいるのも謎よね?」
「どうやってここに来たのか…」
「とりあえず最寄りの集落に連れて行ってみるか。この様子じゃ話も出来そうにないし」
「そうだね」
このまま置いていくわけにもいかずそれしかないかと俺達は男の子を連れてこの場所から一番近い集落に向かった

「お前達!その子に何をした!?」
集落の近くまで来た時に5人の男たちが駆け寄ってきた

「いや、俺達は…」
「お前たちがこの子を連れ去ったんだな?!来い!」
「ちょっと待ってよ。話を聞けって」
「うるさい!」
男たちは俺達を拘束してあろうことか魔封じの腕輪迄嵌めた

「…シア、どうしようか」
「とりあえず様子を見よう。反撃するのは簡単だけどこの言動の理由を知りたい」
小声でそう示し合わせる

「お前達は長の子供を誘拐した!ただで済むと思うな!」
「そうだ!こんなに泣いて可哀想に…」
男たちに罵倒されながら集落に連れていかれ、その男たちの言葉に集落の者からの罵倒も交じる
そして俺達は牢らしき場所に放り込まれた

「この集落は一体何なんだ!?話も聞かずに犯人扱いとかいい加減にしろ!」
流石に苛立ち俺はそう叫んでいた
魔封じをされていても念動力があるから逃げようと思えば簡単に逃げられる
でもそれで済ませられる問題でもない気がした

「黙れ罪人が!お前たちなどそのまま朽ち果てればいい!」
牢番はそう言いながら牢の中にあった水差しを壁に投げつけて出て行った

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