[完結]憧れの場所

真那月 凜

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9.これまでのこと

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「彗耶」
「ん?」
「最近変だぞお前。それに今日は流華来る日じゃなかったか?」
卓也が尋ねた

「そーだよ。唯が毎日来てもなんともないんだし流華だっていつ顔出してもいいんだろ?」
純が言う

「俺もそれ不思議に思ってたんだ。デビューする前は毎日顔出してたから事務所に止められたのかと思ってたけどそうじゃないみたいだしさ」
「…」
彗耶は黙り込む

「そーいやお前が電話してんのって見たこと無いけど流華と連絡取ってんの?」
「それともお前来んなとでも言ったわけ?」
皆が口々に言う

「…俺ホントに何も言ってなかったんだな」
「え?」
皆が彗耶を見た

「…流華にはあきれられたよ」
彗耶の言葉に一瞬静まり返った

「んなわけないじゃん。流華そんなそぶり見せた事もないし」
「そーだよ。タダの喧嘩じゃねーの?」
「…」
彗耶は何も言い返さない

「…冗談だろ?」
「だといいけどな」
どこか投げやりな言葉だった

「じゃぁお前ここでなにやってんだよ?流華を誰よりも必要としてんのはお前だろ?!流華んとこ行ってちゃんと話して来いよ」
「無理だよ」
「何で?」
「追いかけようとしたときファンの子に気付いて俺は脚を止めた」
「な…んだよそれ?お前何考えて…」
卓也が壁を殴りつけた

「俺だってそう思ったさ。でも反射的に足が止まったのは事実なんだ。流華もそれを見てた。それもあいつの誕生日に…」
「…」
皆が顔を見合わせた

「俺は…俺はあいつを一番ひどい方法で傷つけたんだよ。今更何も言えるわけ無いだろ!」
皆は初めて彗耶の苦悩の顔を見た

流華と彗耶はいつも自信に満ちた笑顔でみんなの中心にいた
その2人が今…

「…彗耶さん流華さんが言ってました。『たった一言でもあればもっと自信もてるのに』って。どうして何も言ってあげなかったんですか?有名人ってだけで遠い人に感じるのにあんまりです!」
「やめろ唯」
純が止めようとした

「やめない。だって流華さんがかわいそすぎる。『そういう彗耶さんを好きになっちゃったからしょうがない』って、『デビューする前から彗耶さんにとって私は一番じゃない』って悲しそうに言ってたんだよ?」
唯の目から涙がこぼれる

「なのに流華さん私の事励ましてくれたんだよ?純を信じてあげてって…あれきっと自分に言いたかったんだよ…」
泣き崩れる唯に沈黙が広がる

「…俺何も気付かなかった」
「俺も」

「…で、お前はどうするんだ彗耶」
ドアの方からしたその言葉にみんなが振り返る
そこには予想外の人がいた
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